「ボーダーについて1～10を話すのは面白くないから柚紀ちゃんの知りたいことを俺達が答える。逆に俺達も柚紀ちゃんに聞きたいことを訊ねて答えてもらう……こんな感じでどうだ？勿論柚紀ちゃんは黙秘権ありで、ボーダーに関する内容で話して大丈夫かの判断が必要になった場合は俺と嵐山が決める。問題ないか？」
「問題ないぞ」
「おれも大丈夫です」
「私も平気です」
『は、はい。頑張って答えます？！』

ちょっとしたゲーム感覚な感じになり、簡単なルールを迅が提示し、了承を得る。ただ一人を除いて

「はい、一つ追加提案！？柚紀ちゃんに訊ねる内容におつるちゃん関連もOKにしちゃ駄目かな？」
『言実さんの事ですか？……内容次第では黙秘して大丈夫ですか？』
「まぁ、言実さんってあまりプライベート語らないからライン引き難しいな、…柚紀ちゃんが話したくないって思ったら止めて大丈夫だよ。判断に困るのがあれば付き合いが一番長い俺に相談可ってことで良いか佐鳥？」
「了解っス！？じゃあ、レディーファーストで柚紀ちゃんから質問どうぞ」

佐鳥の追加ルールに少し戸惑いつつ了承する柚紀に、念のためにサポートする事を迅が約束して問答スタート。柚紀は少し考える素振りをして口を開く

『……ボーダーに所属している人は、やはり男性が多いですか。後、年齢層って成人と学生だとどんな感じですか？』
「ん～、戦闘員…所謂ネイバーと闘う役目の隊員と、綾辻みたいなオペレーター…敵の位置や本部からの情報を現場隊員に伝えたりでサポートする隊員含めた非戦闘員。これらのポジションによって比率が変わるな。……とりあえずざっくりとで大丈夫か？」
『はい、大体で大丈夫です』
「了解、ボーダー全体だとやっぱり男の方が多いな。戦闘員は圧倒的に、非戦闘員に関してはオペレーターが殆んど女性だから半々位か？」
「その位ですね。次に年齢に関してだけど、戦闘員・オペレーターは学生が殆んどで、言実さんみたいなエンジニアや指導官、経営陣は大人の方達がやってる。その理由は……」

質問内容の確認の際に、柚紀が分からない単語には説明を付けながら話しつつ先ずは嵐山・時枝の二人が解答する。理由を説明すべきか、トリオンについて話して平気か、判断を仰ぐために迅に視線を流す。それに気付いた迅がすぐに反応を示す

「ん？トリオンに関しては話しても問題ないよ。寧ろ柚紀ちゃんにはバリバリ関係のあるワード、だけど話が脱線するからこの質問は此処でストップ。…次は嵐山達が質問する側だが、そうだな綾辻ちゃん何かある？」
「私ですか？そうですね、…柚紀ちゃんが言実さんの姪っ子さんなのは皆から聞きました。それに関してもう少し関係を詳しく聞いても大丈夫かな？」
「おー、まさかの綾辻先輩からおつるちゃんの話題が出るとは意外。佐鳥もなんでも良いからおつるちゃんの話が聞きたい！？」

迅から振られて綾辻が敢えて言実の事を含んだ質問をし、佐鳥がそれに便乗する。それに対してきょとんと意外そうな表情の後ちょっとだけ困った雰囲気を漂わせる柚紀