65.送り火の曲~もう少し、後少し~
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~ あの日見渡した渚を 今も思い出すんだ ~
‐ ヒュー…ドーン! ‐
「うおっ?!!…それなりに離れているがちゃんと鶴ヶ峰の歌声が聴こえる。……何でだ?別に無理して大きな声を出して歌ってないよなアイツ、花火の音だってするのによ」
『…(カチッ…フー)……あの子ならこの位造作もない事だ。…コントロールさえミスらなければ、"届けたい者のみ"に聴かせれる。筈だがまだまだみたいだな、……太刀川』
「ん?……!了解ですつる姐」
恐らく聴こえないと思っていた諏訪が、ちゃんと歌声が聴こえてきた事に驚きを隠せない様子だ。…流石に携帯からのメロディーまでは聴こえないが、それは仕方ない。聴こえていたらそれこそ菊地原から苦情待ったナシである。その原理を煙草を吸いながら話す言実は目敏くナニかを見つければ、太刀川の名を呼ぶ。直ぐに意図を理解できなかったが言実の視線の先を見て察すると行動を開始する太刀川。その理由は……
~ 砂の上に刻んだ言葉 君の後ろ姿
寄り返す波が 足元をよぎり何かを攫う ~
‐ ヒュー…ドン、ドドン! ‐
「あの子の歌声もだけど、格好とかも注目の的になりますからね。……やはり"マナー違反"が出でしまう。…それのせいで彼女は」
「ま、コレばかりは仕方ねぇ。それをフォローするのが俺達の役目だ………堤、頼むぜ?」
「了解です!あ、風間さんや嵐山くんだと逆効果になりそうですし、迅くんは…君も疲れているだろ?のんびり彼女の歌を聴いていてくれて大丈夫だよ」
何やら携帯を柚紀に向けていた二人組がおり、太刀川が話しかけるとそそくさとこの場を後にして行った。……用途は不明だが、明らかに盗撮しようとしていたのだ。それを見て複雑な表情をする嵐山に、事実を認めつつも此方も不審な集団を見つけた諏訪が、堤を動かす。それに嫌な顔せず動こうとした際に三人にひと声掛けて行く堤。…今度は女子の集団なので嵐山は勿論、若く見られ勝ちな風間も注意しても意味がなさそうで、迅は……何時も裏で活躍しているので今くらいはと気遣った結果だ
~ 夕凪の中 日暮れだけが通り過ぎて行く ~
‐ ドドン…パラパラ ‐
「それにしても鶴ヶ峰の奴、緊張しているのか?確かに歌は上手いが…こう、心に響いてこないと言うべきか?共感とも違うが……少なくとも本来の実力ではないだろう。…菊地原が不満げな表情をしている」
『……(フー)…あの馬鹿、…次の課題で【目を開いたままで歌う事に馴れろ】と確かに私は言ったが、……何故今する?……(フー)……あの子は"目を閉じて歌う"のが癖でな、悪くはないがそれでは周囲の変化に気づけぬ。集中すれば能力数値は安定するが、それでは汎用性の高さが生かせ故にな。…その場で歌やどの機能向上をすべきか等を判断し、実行してこそ(フー)…真の価値が出る』
「後はやっぱり性格的な理由かな?……流石にこの人数の前で歌った事はなさそうだからね柚紀ちゃんは。あの歌騒動の時は確かに沢山の人には聴かれたが、歌っている場面に居合わせたのは数人。それと……」
「俺は柚紀の歌をちゃんと聞くのは初めてだが……アイツってさ、低音出るのか?この曲って確か"男女デュエット"で、確か後半に追い掛けて歌い場所あるだろ?幾ら歌が好きでも一人で歌うには限度があるだろ?(後、短かったとは言え個室で起きた"あの変化"が出てねぇ。……聞いた話によると【曲に寄るが大体後半に変化が現れる】らしいが…"バレないか"?一般人にも)」
例の歌騒動"未経験設定"となっている風間は、部下の表情を理由に本調子で無いのを指摘すれば、言実が能力的にサイドエフェクトが…歌姫が十分な実力に発揮していない理由を、迅は柚紀の性格的な観点から各々原因を上げる最中、仕事を終えた太刀川が柚紀を一瞥しながら合流し気になった事を口にすれば、一人を除いた全員が心配そうに柚紀達の方を見る。……言実ですら、流石に心配をしていた。なら誰が平然としているかと言うと
~ パッと光って咲いた 花火を見ていた
きっとまだ 終わらない夏が ~
‐ ヒュー…ドン! ‐
「多分ですが大丈夫ですよ皆さん。……彼女に歌うように仕向けたのは賢です、アイツが"女子を困らせる事"をする訳ないです。それにもし気づいてなかったとしても、充が必ず指摘若しくは止めている筈です。…でも、それをしなかったって事は"何か対策している"……そう言う意味になります。二人とも柚紀ちゃんの事に関しては一段と妥協しないですし、連携も更に磨きが掛かりますから」
『……成る程な』
「流石は嵐山だ、ちゃんと部下の事を見ている訳か(それにしても、…この"光景の正体"は一体……もう直ぐに起きるのは分かる。だが、……夜なのに見れるか?彼女の"光輝く姿"を)」
この場を企画した佐鳥・時枝の上司である嵐山だった。その言い分を聞き言実と迅が納得したのを見て他のメンバーも追求はしない様子で柚紀をそのまま見守るに徹するのだった
‐ ヒュー…ドーン! ‐
「うおっ?!!…それなりに離れているがちゃんと鶴ヶ峰の歌声が聴こえる。……何でだ?別に無理して大きな声を出して歌ってないよなアイツ、花火の音だってするのによ」
『…(カチッ…フー)……あの子ならこの位造作もない事だ。…コントロールさえミスらなければ、"届けたい者のみ"に聴かせれる。筈だがまだまだみたいだな、……太刀川』
「ん?……!了解ですつる姐」
恐らく聴こえないと思っていた諏訪が、ちゃんと歌声が聴こえてきた事に驚きを隠せない様子だ。…流石に携帯からのメロディーまでは聴こえないが、それは仕方ない。聴こえていたらそれこそ菊地原から苦情待ったナシである。その原理を煙草を吸いながら話す言実は目敏くナニかを見つければ、太刀川の名を呼ぶ。直ぐに意図を理解できなかったが言実の視線の先を見て察すると行動を開始する太刀川。その理由は……
~ 砂の上に刻んだ言葉 君の後ろ姿
寄り返す波が 足元をよぎり何かを攫う ~
‐ ヒュー…ドン、ドドン! ‐
「あの子の歌声もだけど、格好とかも注目の的になりますからね。……やはり"マナー違反"が出でしまう。…それのせいで彼女は」
「ま、コレばかりは仕方ねぇ。それをフォローするのが俺達の役目だ………堤、頼むぜ?」
「了解です!あ、風間さんや嵐山くんだと逆効果になりそうですし、迅くんは…君も疲れているだろ?のんびり彼女の歌を聴いていてくれて大丈夫だよ」
何やら携帯を柚紀に向けていた二人組がおり、太刀川が話しかけるとそそくさとこの場を後にして行った。……用途は不明だが、明らかに盗撮しようとしていたのだ。それを見て複雑な表情をする嵐山に、事実を認めつつも此方も不審な集団を見つけた諏訪が、堤を動かす。それに嫌な顔せず動こうとした際に三人にひと声掛けて行く堤。…今度は女子の集団なので嵐山は勿論、若く見られ勝ちな風間も注意しても意味がなさそうで、迅は……何時も裏で活躍しているので今くらいはと気遣った結果だ
~ 夕凪の中 日暮れだけが通り過ぎて行く ~
‐ ドドン…パラパラ ‐
「それにしても鶴ヶ峰の奴、緊張しているのか?確かに歌は上手いが…こう、心に響いてこないと言うべきか?共感とも違うが……少なくとも本来の実力ではないだろう。…菊地原が不満げな表情をしている」
『……(フー)…あの馬鹿、…次の課題で【目を開いたままで歌う事に馴れろ】と確かに私は言ったが、……何故今する?……(フー)……あの子は"目を閉じて歌う"のが癖でな、悪くはないがそれでは周囲の変化に気づけぬ。集中すれば能力数値は安定するが、それでは汎用性の高さが生かせ故にな。…その場で歌やどの機能向上をすべきか等を判断し、実行してこそ(フー)…真の価値が出る』
「後はやっぱり性格的な理由かな?……流石にこの人数の前で歌った事はなさそうだからね柚紀ちゃんは。あの歌騒動の時は確かに沢山の人には聴かれたが、歌っている場面に居合わせたのは数人。それと……」
「俺は柚紀の歌をちゃんと聞くのは初めてだが……アイツってさ、低音出るのか?この曲って確か"男女デュエット"で、確か後半に追い掛けて歌い場所あるだろ?幾ら歌が好きでも一人で歌うには限度があるだろ?(後、短かったとは言え個室で起きた"あの変化"が出てねぇ。……聞いた話によると【曲に寄るが大体後半に変化が現れる】らしいが…"バレないか"?一般人にも)」
例の歌騒動"未経験設定"となっている風間は、部下の表情を理由に本調子で無いのを指摘すれば、言実が能力的にサイドエフェクトが…歌姫が十分な実力に発揮していない理由を、迅は柚紀の性格的な観点から各々原因を上げる最中、仕事を終えた太刀川が柚紀を一瞥しながら合流し気になった事を口にすれば、一人を除いた全員が心配そうに柚紀達の方を見る。……言実ですら、流石に心配をしていた。なら誰が平然としているかと言うと
~ パッと光って咲いた 花火を見ていた
きっとまだ 終わらない夏が ~
‐ ヒュー…ドン! ‐
「多分ですが大丈夫ですよ皆さん。……彼女に歌うように仕向けたのは賢です、アイツが"女子を困らせる事"をする訳ないです。それにもし気づいてなかったとしても、充が必ず指摘若しくは止めている筈です。…でも、それをしなかったって事は"何か対策している"……そう言う意味になります。二人とも柚紀ちゃんの事に関しては一段と妥協しないですし、連携も更に磨きが掛かりますから」
『……成る程な』
「流石は嵐山だ、ちゃんと部下の事を見ている訳か(それにしても、…この"光景の正体"は一体……もう直ぐに起きるのは分かる。だが、……夜なのに見れるか?彼女の"光輝く姿"を)」
この場を企画した佐鳥・時枝の上司である嵐山だった。その言い分を聞き言実と迅が納得したのを見て他のメンバーも追求はしない様子で柚紀をそのまま見守るに徹するのだった