65.送り火の曲~もう少し、後少し~
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‐ ヒュー…ドーン!…パラパラパラ ‐
「あ、あのさ鶴ヶ峰。その……(スッ)コレ良ければ使ってくれ。…慣れるまでで良いから、さ」
『笹森くん?……これって、携帯のカバーと…首から下げるストラップ?…でもどうして?』
「身につける為だ、携帯の存在感を、…モールの時もだが、今もだが、ならなかった筈だ、大騒ぎに、だが、容易ではない、それで考えた、……笹森が」
「慣れるためにはやっぱり"ずっと目につく所にあるべき"かなって。…でもポケットは落ちる可能性あるし、……だから首から下げればと考えてみた。安物だし…小さな子どもが防犯ブザーを下げているイメージからヒントを貰ったから、見た目は良くないけど」
『成る程……気を使ってくれて有り難う。早速実践してみるよ、あ、でも……(ゴソゴソ)携帯に装着してくれたら嬉しいな、…多分私じゃ上手く出来ない気がするなら。…駄目かな?(コテン)』
ぼんやりと花火を眺めていた柚紀に勇気を出して、ライトグリーンの手帳式携帯カバーと白色に黒文字で英文の入ったストラップを差し出す笹森。その意図を最初は掴めなかったが、穂刈と笹森の言い分を聞き納得すれば、荷物から携帯を取り出しお願いをしてみる。それを聞いて「あ、あぁ」とぎこちないが携帯にカバーとストラップを付けている笹森を見て、二人を足止めしていた小佐野が近づき柚紀に声を掛ける
‐ ヒュー…ドドン! ‐
「ま、学校じゃ首から下げるのは無理だけど、荷物の中から取り出したりするのは楽だと思うよ~?でさ~、……柚紀ちゃんよ。日佐人に何かお礼してやってよ、アレ自腹で買った奴だからさ~」
『えっ?!!……てっきり諏訪さんに渡していた封筒からお金出したって私勝手に……お礼か~(…そう言えば、皆さんにお礼の言葉はちゃんと言ってはいるけど……それ以上に迷惑かけたりしているよね?)……何が良いかな?』
「(あ、これなら…)(コソッ)佐鳥、"例の企画"を提案するなら今だと思うよ?……花火もそう長くはないからね」
「……だね。多分皆賛成してくれると思うし、何より…柚紀ちゃんに取って"気持ちの切り返え"にはコレが一番だろうから!?」
小佐野の余計な一言により「お礼とか、別にっ!俺が勝手にやっただけだから!?」と焦りながら断ろうとする笹森だが、柚紀は完全にナニかお礼をする事を決めてしまったらしく聞く耳を持たない。それを見て時枝が佐鳥の背中を押す発言をし、それに従うかの様に柚紀達に近づいて声を掛ける
「(トントン)ねぇねぇ柚紀ちゃん、お迷いなら一層"自分が好きな事"をしたらどうかな?って曖昧に言うのは佐鳥らしくないね、よし!…さっき個室で少しだけ歌ったでしょ?アレを一曲通しで歌うとかどう??」
『えっ?!!………それで良いの?でも佐鳥くん。私が歌えばどうなるか…知っているよね?』
「サイドエフェクトの事ならきっと大丈夫だよ、……(チラッ)言実さんも迅さんも居るし、駄目なら必ず止める筈だから。それに、沢山鶴ヶ峰さんが影で努力しているのをおれは勿論、他の人も知っている。だから……歌ってもトリオン兵が現れる事はない、もし来ても太刀川さんや風間さん達が倒してくれる」
「ん~、二人の言い分は分かるよ?でも柚紀ちゃんの歌、…実験にかなり協力しているから回数ならウチの隊が断トツで多いよ?……まぁ、聞き飽きないからそれもアリとは私も思うけどさ」
佐鳥の提案に驚き戸惑いを隠せない柚紀に、時枝が冷静に安心性を主張。それを聞いて小佐野が疑問点を口にすれば再び佐鳥が理由を語ろうとする。そして徐々にだが他のメンバーが柚紀達を気にし始めたのだ
「でも"歌う理由"が違いますよ。…諏訪隊の人達が聞く歌は多分【元気が出るような明るくアップテンポな曲】の筈……これは"トリオン兵と戦う際の能力によるサポート"目的だからですね。でも、…さっきや初日の歌騒動で聞いた【ゆったりとスローテンポな曲】……どっちの方が"彼女らしい"?若しくは…"心に残っていますか"?」
「ハイハイ!!やっぱりスローテンポな曲の方が先輩らしいです。一度お手伝いした時はアップテンポの方を聞きましたが、私はあの歌騒動で聞いた曲の方が好きです!」
「だろうね、…あの曲風のを歌っている時は所謂"趣味やプライベート"的な……鶴ヶ峰さんの本来の実力と言うか良さが出るから。でも、それじゃあ皆に聞かれて笹森に特別感がないから……特等席、真っ正面で聞くとかどう?丁度彼女の携帯を持っているみたいだし、…メロディなしじゃ他の人は楽しめない。……君は気にするでしょ?」
『……否定できないかな。でも、最終的には笹森くんが決めることだし。…どうする?君がそれで良いなら、……まぁ一曲ぐらいなら歌うよ?』
歌に関する更なる考察を語る佐鳥に時枝だけでなく、日浦も同意見を言われ柚紀本人は納得するが、一応"笹森へのお礼名目"なので最終決定権を持つ彼に訊ねると「あ、俺は…うん。それで十分だよ」と同意が出た。そんな中「何だ何だ?何の話をしている?俺達も混ぜろよ」と当真が割り込んでくると、トントン拍子で用意が進んでいく。……まだ数人警察官が居たが、言実と嵐山が早急に話をつける。更に全員が一ヶ所に固まると目立ちそうなので大学生以上+迅と嵐山は、残り学生集団から少し離れた場所から見守る事となった。菊地原も最初は離れようとしたが歌川に説得され、渋々輪の中ではあるが…一番端で聴くことにしたらしい。持っていた荷物と、…何を思ったのか柚紀はパーカーを一時的に熊谷に預けた。最初は渋い表情をされたが何とか説得し離れれば、カバーを付け終えた笹森から携帯を一度貰い操作をして音源の準備をし、再度携帯を渡して少し離れて準備に入る。………今回は"話すときは目を見ながら"の感覚からか、目を瞑るつもりはない様子だ。前奏が流れ始め、柚紀が今から歌う曲は
‐ 夏を名残惜しむ…学生の青春を思わせる歌 ‐
「あ、あのさ鶴ヶ峰。その……(スッ)コレ良ければ使ってくれ。…慣れるまでで良いから、さ」
『笹森くん?……これって、携帯のカバーと…首から下げるストラップ?…でもどうして?』
「身につける為だ、携帯の存在感を、…モールの時もだが、今もだが、ならなかった筈だ、大騒ぎに、だが、容易ではない、それで考えた、……笹森が」
「慣れるためにはやっぱり"ずっと目につく所にあるべき"かなって。…でもポケットは落ちる可能性あるし、……だから首から下げればと考えてみた。安物だし…小さな子どもが防犯ブザーを下げているイメージからヒントを貰ったから、見た目は良くないけど」
『成る程……気を使ってくれて有り難う。早速実践してみるよ、あ、でも……(ゴソゴソ)携帯に装着してくれたら嬉しいな、…多分私じゃ上手く出来ない気がするなら。…駄目かな?(コテン)』
ぼんやりと花火を眺めていた柚紀に勇気を出して、ライトグリーンの手帳式携帯カバーと白色に黒文字で英文の入ったストラップを差し出す笹森。その意図を最初は掴めなかったが、穂刈と笹森の言い分を聞き納得すれば、荷物から携帯を取り出しお願いをしてみる。それを聞いて「あ、あぁ」とぎこちないが携帯にカバーとストラップを付けている笹森を見て、二人を足止めしていた小佐野が近づき柚紀に声を掛ける
‐ ヒュー…ドドン! ‐
「ま、学校じゃ首から下げるのは無理だけど、荷物の中から取り出したりするのは楽だと思うよ~?でさ~、……柚紀ちゃんよ。日佐人に何かお礼してやってよ、アレ自腹で買った奴だからさ~」
『えっ?!!……てっきり諏訪さんに渡していた封筒からお金出したって私勝手に……お礼か~(…そう言えば、皆さんにお礼の言葉はちゃんと言ってはいるけど……それ以上に迷惑かけたりしているよね?)……何が良いかな?』
「(あ、これなら…)(コソッ)佐鳥、"例の企画"を提案するなら今だと思うよ?……花火もそう長くはないからね」
「……だね。多分皆賛成してくれると思うし、何より…柚紀ちゃんに取って"気持ちの切り返え"にはコレが一番だろうから!?」
小佐野の余計な一言により「お礼とか、別にっ!俺が勝手にやっただけだから!?」と焦りながら断ろうとする笹森だが、柚紀は完全にナニかお礼をする事を決めてしまったらしく聞く耳を持たない。それを見て時枝が佐鳥の背中を押す発言をし、それに従うかの様に柚紀達に近づいて声を掛ける
「(トントン)ねぇねぇ柚紀ちゃん、お迷いなら一層"自分が好きな事"をしたらどうかな?って曖昧に言うのは佐鳥らしくないね、よし!…さっき個室で少しだけ歌ったでしょ?アレを一曲通しで歌うとかどう??」
『えっ?!!………それで良いの?でも佐鳥くん。私が歌えばどうなるか…知っているよね?』
「サイドエフェクトの事ならきっと大丈夫だよ、……(チラッ)言実さんも迅さんも居るし、駄目なら必ず止める筈だから。それに、沢山鶴ヶ峰さんが影で努力しているのをおれは勿論、他の人も知っている。だから……歌ってもトリオン兵が現れる事はない、もし来ても太刀川さんや風間さん達が倒してくれる」
「ん~、二人の言い分は分かるよ?でも柚紀ちゃんの歌、…実験にかなり協力しているから回数ならウチの隊が断トツで多いよ?……まぁ、聞き飽きないからそれもアリとは私も思うけどさ」
佐鳥の提案に驚き戸惑いを隠せない柚紀に、時枝が冷静に安心性を主張。それを聞いて小佐野が疑問点を口にすれば再び佐鳥が理由を語ろうとする。そして徐々にだが他のメンバーが柚紀達を気にし始めたのだ
「でも"歌う理由"が違いますよ。…諏訪隊の人達が聞く歌は多分【元気が出るような明るくアップテンポな曲】の筈……これは"トリオン兵と戦う際の能力によるサポート"目的だからですね。でも、…さっきや初日の歌騒動で聞いた【ゆったりとスローテンポな曲】……どっちの方が"彼女らしい"?若しくは…"心に残っていますか"?」
「ハイハイ!!やっぱりスローテンポな曲の方が先輩らしいです。一度お手伝いした時はアップテンポの方を聞きましたが、私はあの歌騒動で聞いた曲の方が好きです!」
「だろうね、…あの曲風のを歌っている時は所謂"趣味やプライベート"的な……鶴ヶ峰さんの本来の実力と言うか良さが出るから。でも、それじゃあ皆に聞かれて笹森に特別感がないから……特等席、真っ正面で聞くとかどう?丁度彼女の携帯を持っているみたいだし、…メロディなしじゃ他の人は楽しめない。……君は気にするでしょ?」
『……否定できないかな。でも、最終的には笹森くんが決めることだし。…どうする?君がそれで良いなら、……まぁ一曲ぐらいなら歌うよ?』
歌に関する更なる考察を語る佐鳥に時枝だけでなく、日浦も同意見を言われ柚紀本人は納得するが、一応"笹森へのお礼名目"なので最終決定権を持つ彼に訊ねると「あ、俺は…うん。それで十分だよ」と同意が出た。そんな中「何だ何だ?何の話をしている?俺達も混ぜろよ」と当真が割り込んでくると、トントン拍子で用意が進んでいく。……まだ数人警察官が居たが、言実と嵐山が早急に話をつける。更に全員が一ヶ所に固まると目立ちそうなので大学生以上+迅と嵐山は、残り学生集団から少し離れた場所から見守る事となった。菊地原も最初は離れようとしたが歌川に説得され、渋々輪の中ではあるが…一番端で聴くことにしたらしい。持っていた荷物と、…何を思ったのか柚紀はパーカーを一時的に熊谷に預けた。最初は渋い表情をされたが何とか説得し離れれば、カバーを付け終えた笹森から携帯を一度貰い操作をして音源の準備をし、再度携帯を渡して少し離れて準備に入る。………今回は"話すときは目を見ながら"の感覚からか、目を瞑るつもりはない様子だ。前奏が流れ始め、柚紀が今から歌う曲は
‐ 夏を名残惜しむ…学生の青春を思わせる歌 ‐