63.流離いの曲~🔷●●●を求めて~
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‐ ……パシンッ!…ドカッ…クイッ……バタン!!…フワッ……ダンッ… ‐
「……俺は静樹さんじゃないけど、…助けに来たよ。もう大丈夫だから目を開けてごらん、……柚紀ちゃん」
『?!(パチッ)え?え?じ、じ、迅さんっ?!!な、何で此処にっ?!!ってか、アレ?さっきの…酔っぱらいの人達は何処に??(キョロキョロ、キョ…)…………(ギュッ!!)』
「あ、柚紀ちゃんって高いところが駄目なんだっけ?大丈夫だよ、落としたりはしないから。(ストッ…ダンッ)とりあえず安全な場所まで移動するから、…大人しくしててね?」
『(コクコク)(……ボーダー隊員の人って、屋根上を移動するのが主流なのかな?…高いのあまり得意じゃないけど、……慣れなきゃ駄目かな??)』
妙な擬音と浮遊感、そして聞き慣れた声が聞こえて目を開けばいつの間にか現れた迅にお姫様抱っこされていた柚紀は困惑していた。そして状況判断したくて、周囲を見渡して……思わず無言で迅のジャケットを握り締めた。今現在、地面から離れた空中に居る状態だからだ。高所恐怖症程ではないが、"この状態"は未だに色んな意味で慣れないらしく困惑の表情を浮かべた柚紀に、迅は断りを入れてからそのまま移動。…目的地に着くまで大人しくし"勘違いをしたまま"耐える柚紀であった
程なくして"誰もいない"例の大樹が目印の店前に到着した迅は、柚紀を地面に降ろした。すると何時もならお礼を言うはずの柚紀が、まるで誰かを探すように慌てて周囲を見渡し、その表情は焦りと不安に染まっていた。流石の迅もその様子を見て怪訝そうな表情を浮かべる
「柚紀ちゃん、一体誰を探しているの?……どうして一人に…『お願いです!!もし居るなら姿を見せて下さいっ!!』(…ナデナデ)……落ち着いて、君だって知っている筈だ。…あの人は、もう……」
『!!……大丈夫、…です迅さん、…私が"今"逢いたいのは………お父さんじゃ、ない。ただ、…もう、嫌なの。気配や声がしたのに姿が見えない、…逢えるのに会えないのが……後悔したから、…約束した…………"誕生日には帰ってくる"って…でも!あの人はっ、……帰ってこなかった!?』
「……柚紀ちゃん(俺はあの時【静樹さんが死んでしまう未来】を回避しようとした。だが、……未来は変えられずあの人は帰らぬ人になってしまった。だから、……俺には彼女の涙を拭う資格は…ない。だけど)(ナデ)…君が、今会いたい人は……誰かな?…俺が連れてきて上げるよ」
明らかに様子の可笑しい柚紀を頭を撫でて落ち着かせ様とする迅の顔を見て、一度は落ち着きを取り戻す柚紀だが、説明している内に自然と父親の事となり、内に溜めていた葛藤を泣きながら吐き出してしまう。……迅が悪いわけではないのは柚紀も分かっているが、"何も知らない""前触れもなく居なくなった"……"それを自分は望んでいない"他にも色んな気持ちが入り交じり辛そうにしているのを見て、迅は"せめて自分に今出来ることを"と考え優しく問い掛ける。その問いに迅に背を向け俯いた状態でぽつりぽつりと会いたい人が誰かのヒントや不安事を柚紀は口に出し始める
『(クルッ)……でも、…直ぐに会える場所に居るとは…限らない、それに……あの人にだって立場がある、……私ばかり構っていられない、ですよ。………あの事を…気にしているなら、もう良いのに…過ぎた事、だから…………何て…物分りの良い子的な事を言ってるけど、私は……ボーダーの事をまだまだ知らない!派閥とか、階級とか……(ギュッ)サイドエフェクトだって……まだまだ、だよ?私は…まだ子どもで未熟者です!だから、……頼って良いですよね?甘えたって…良いって…言って下さいよ……………………ねぇ………風間、さんっ!歌川、くん!菊地、原くん!?』
‐ スウゥゥ……ナデ… ‐
「……何故、分かった?俺が……俺達が居ると」
『(ゴシッ)だって、…一瞬見えたから…隊服姿の…風間さん、だけだったけど屋根の上を…移動するのが(ゴシッ)』
‐ スウゥゥ……スッ ‐
「良ければ使ってくれ、…だが鶴ヶ峰何故俺達も一緒だと思ったんだ?」
『…有り難う歌川くん、……聴こえた、気がしたから。"誰かの話し声"が…その後に、風間さんを見て、それ…で』
‐ スウゥゥ……ウニー ‐
「視えたとか聴こえたってナニさ、…君のサイドエフェクトは視覚や聴覚に作用するモノじゃないだろ?いい加減な事言わないでよね(ウニー)」
『うぃっ、いっふぇなひかふぁらっ!!ヒフヒファラクンナヴァ、ふふぉふぃっふぁっふぇふぁふぁるふぇひょっ!!?(訳:いっ、言ってないからっ!!菊地原くんなら、嘘だって分かるでしょっ!!?)』
「悪いけど今の鶴ヶ峰が何をいっているか僕にも分からないからね?(ウニー)後さ、…人と話すときはちゃんと相手の顔見ながらでしょ?(ウニー)……皆と楽しみすぎて浮かれて、人としてのマナーも抜けちゃったの?(ウニウニウニ)良いご身分だよね、こっちは時間外勤務だって言うのにさ(ウニウニウニ、ウニウニウニ)誰のせいだと思ってるの???」
『ご、ご、ごひぇんにゃしゃーーーいっ!!ひふひふぁらすぇんぱふぃっ!!(訳:ご、ご、ごめんなさーーーいっ!!菊地原先輩っ!!)』
「っ?!…嫌だ、許さない(ウニウニウニウニウニウニ)(…まだ先輩ネタ引き摺ってるの?初日以降は一度も言わなかった癖にさっ!!……鶴ヶ峰の癖に生意気なんだよ!?でもまぁ、……………………嫌じゃない、けどね。歌川に言われたら、…変に腹が立つのに………やっぱり変な子だよ。この子は)(ウニウニウニウニウニ……)」
『うぅうぅ~~~~』
柚紀が上げた名の順番にカメレオンを解除して姿を現した風間隊は、各々気になることを口にしていき、今日一番疲れたであろう菊地原にほっぺで遊ばれながら吐き出された愚痴も全て答え痛いのを我慢しているが、限界が近いらしくうっすら目尻に涙が再び溜まり始めたのを見て、歌川が仲裁に入ろうとする。そんな同級生三人のやり取りを見て、無意識にため息を漏らす迅の肩を風間が叩き、暫く二人して見守るのであった
「……俺は静樹さんじゃないけど、…助けに来たよ。もう大丈夫だから目を開けてごらん、……柚紀ちゃん」
『?!(パチッ)え?え?じ、じ、迅さんっ?!!な、何で此処にっ?!!ってか、アレ?さっきの…酔っぱらいの人達は何処に??(キョロキョロ、キョ…)…………(ギュッ!!)』
「あ、柚紀ちゃんって高いところが駄目なんだっけ?大丈夫だよ、落としたりはしないから。(ストッ…ダンッ)とりあえず安全な場所まで移動するから、…大人しくしててね?」
『(コクコク)(……ボーダー隊員の人って、屋根上を移動するのが主流なのかな?…高いのあまり得意じゃないけど、……慣れなきゃ駄目かな??)』
妙な擬音と浮遊感、そして聞き慣れた声が聞こえて目を開けばいつの間にか現れた迅にお姫様抱っこされていた柚紀は困惑していた。そして状況判断したくて、周囲を見渡して……思わず無言で迅のジャケットを握り締めた。今現在、地面から離れた空中に居る状態だからだ。高所恐怖症程ではないが、"この状態"は未だに色んな意味で慣れないらしく困惑の表情を浮かべた柚紀に、迅は断りを入れてからそのまま移動。…目的地に着くまで大人しくし"勘違いをしたまま"耐える柚紀であった
程なくして"誰もいない"例の大樹が目印の店前に到着した迅は、柚紀を地面に降ろした。すると何時もならお礼を言うはずの柚紀が、まるで誰かを探すように慌てて周囲を見渡し、その表情は焦りと不安に染まっていた。流石の迅もその様子を見て怪訝そうな表情を浮かべる
「柚紀ちゃん、一体誰を探しているの?……どうして一人に…『お願いです!!もし居るなら姿を見せて下さいっ!!』(…ナデナデ)……落ち着いて、君だって知っている筈だ。…あの人は、もう……」
『!!……大丈夫、…です迅さん、…私が"今"逢いたいのは………お父さんじゃ、ない。ただ、…もう、嫌なの。気配や声がしたのに姿が見えない、…逢えるのに会えないのが……後悔したから、…約束した…………"誕生日には帰ってくる"って…でも!あの人はっ、……帰ってこなかった!?』
「……柚紀ちゃん(俺はあの時【静樹さんが死んでしまう未来】を回避しようとした。だが、……未来は変えられずあの人は帰らぬ人になってしまった。だから、……俺には彼女の涙を拭う資格は…ない。だけど)(ナデ)…君が、今会いたい人は……誰かな?…俺が連れてきて上げるよ」
明らかに様子の可笑しい柚紀を頭を撫でて落ち着かせ様とする迅の顔を見て、一度は落ち着きを取り戻す柚紀だが、説明している内に自然と父親の事となり、内に溜めていた葛藤を泣きながら吐き出してしまう。……迅が悪いわけではないのは柚紀も分かっているが、"何も知らない""前触れもなく居なくなった"……"それを自分は望んでいない"他にも色んな気持ちが入り交じり辛そうにしているのを見て、迅は"せめて自分に今出来ることを"と考え優しく問い掛ける。その問いに迅に背を向け俯いた状態でぽつりぽつりと会いたい人が誰かのヒントや不安事を柚紀は口に出し始める
『(クルッ)……でも、…直ぐに会える場所に居るとは…限らない、それに……あの人にだって立場がある、……私ばかり構っていられない、ですよ。………あの事を…気にしているなら、もう良いのに…過ぎた事、だから…………何て…物分りの良い子的な事を言ってるけど、私は……ボーダーの事をまだまだ知らない!派閥とか、階級とか……(ギュッ)サイドエフェクトだって……まだまだ、だよ?私は…まだ子どもで未熟者です!だから、……頼って良いですよね?甘えたって…良いって…言って下さいよ……………………ねぇ………風間、さんっ!歌川、くん!菊地、原くん!?』
‐ スウゥゥ……ナデ… ‐
「……何故、分かった?俺が……俺達が居ると」
『(ゴシッ)だって、…一瞬見えたから…隊服姿の…風間さん、だけだったけど屋根の上を…移動するのが(ゴシッ)』
‐ スウゥゥ……スッ ‐
「良ければ使ってくれ、…だが鶴ヶ峰何故俺達も一緒だと思ったんだ?」
『…有り難う歌川くん、……聴こえた、気がしたから。"誰かの話し声"が…その後に、風間さんを見て、それ…で』
‐ スウゥゥ……ウニー ‐
「視えたとか聴こえたってナニさ、…君のサイドエフェクトは視覚や聴覚に作用するモノじゃないだろ?いい加減な事言わないでよね(ウニー)」
『うぃっ、いっふぇなひかふぁらっ!!ヒフヒファラクンナヴァ、ふふぉふぃっふぁっふぇふぁふぁるふぇひょっ!!?(訳:いっ、言ってないからっ!!菊地原くんなら、嘘だって分かるでしょっ!!?)』
「悪いけど今の鶴ヶ峰が何をいっているか僕にも分からないからね?(ウニー)後さ、…人と話すときはちゃんと相手の顔見ながらでしょ?(ウニー)……皆と楽しみすぎて浮かれて、人としてのマナーも抜けちゃったの?(ウニウニウニ)良いご身分だよね、こっちは時間外勤務だって言うのにさ(ウニウニウニ、ウニウニウニ)誰のせいだと思ってるの???」
『ご、ご、ごひぇんにゃしゃーーーいっ!!ひふひふぁらすぇんぱふぃっ!!(訳:ご、ご、ごめんなさーーーいっ!!菊地原先輩っ!!)』
「っ?!…嫌だ、許さない(ウニウニウニウニウニウニ)(…まだ先輩ネタ引き摺ってるの?初日以降は一度も言わなかった癖にさっ!!……鶴ヶ峰の癖に生意気なんだよ!?でもまぁ、……………………嫌じゃない、けどね。歌川に言われたら、…変に腹が立つのに………やっぱり変な子だよ。この子は)(ウニウニウニウニウニ……)」
『うぅうぅ~~~~』
柚紀が上げた名の順番にカメレオンを解除して姿を現した風間隊は、各々気になることを口にしていき、今日一番疲れたであろう菊地原にほっぺで遊ばれながら吐き出された愚痴も全て答え痛いのを我慢しているが、限界が近いらしくうっすら目尻に涙が再び溜まり始めたのを見て、歌川が仲裁に入ろうとする。そんな同級生三人のやり取りを見て、無意識にため息を漏らす迅の肩を風間が叩き、暫く二人して見守るのであった