63.流離いの曲~🔷●●●を求めて~
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「あの、言実さん。……俺の携帯で一体何を調べていらっしゃるのですか?」
『いや、……あの部屋に居たときに広場での騒動後に迅からのメールが来たとお前が言っていたであろう?…それと今来た内容を見比べているに過ぎぬ』
「???……何か意味があるのですか?」
言実の言い分が分からず不思議そうにしている嵐山を尻目に、"柚紀の行動理由"の推測をする為のヒントを求めて内容を確認する。因みに届いたメール内容はと言うと
【広場での一件、ご苦労様。俺も参加したいのは山々だけど、それじゃあ彼女の為にはならない。甘やかすのは良いことでもあるけど……時には辛い思いを噛み締める必要もある。そうでなければ心は強くなれない、…彼女には俺以上の過酷な道のりが待っている。だから………俺は"最後の砦"でなければならない、柚紀ちゃんを心身共に護る為にも】
【気をつけろ嵐山、……彼女は月桂樹の一枚の若葉。普通なら自然と若葉が落ちる事は有り得ない。だが、"ナニモノ"かのせいで若葉は誤って切り取られ漂ってしまっている状態だ。風や水の流れに乗ってしまえば、何れ見失ってしまう。……種でない葉が花を咲かせるのは無理だか、ハーブとしての役目を十分に果たせるだけの香りは健在だ。でも本人は……別の用途での使用を望んでいるから、見つかるまで大切に保管しなくてはならない。例え一枚でも月桂樹は古来から勝利や栄光のシンボルだかね】
この様な内容だった。前のは個室での体験があるから理解出来る、だが新たなメール内容はかなり抽象的な例えを使っている。意味合いは理解できる言実は考えた、……恐らく迅"達"は理解していないのだ。何故"今のタイミング"で若葉が風に水に流される事態になったのかを、…元々今日だけで面影が時折出ていたのだ、ならば
『(決定打があったからあの子は漂ってしまった。風や水、……空は柚紀にとって身近にあった"数少ない友"だったからな)……済まないが嵐山、このまま電話させて貰う。それと移動しながらになる故に、少しの間警戒を頼む。……手短に済ませる、…"間に合わなくならない"為にも』
「!!…分かりました。なら、(スッ)…貴女の手を引いて俺が先導します。夜道は色々危ないですから」
『(…ガシッ)……任せたぞ嵐山』
長くその場に留まれば人目に付くので移動をしながら対策を講じる事にした言実は、行きのアクシデントを考慮して嵐山にサポートを頼むことに。その内容に些か抵抗があったが、多少ならと割り切り相手の手を掴み歩き出すのと同時に電話を掛ける。相手は勿論
『……この馬鹿迅がっ!?………スピーカーにしろ、…居るだろ"まだ一緒に"な。……全く、暗躍の趣味・隠密戦闘のプロが聞いて呆れるぞ?……あの子は"目に見えぬナニか"を察知するのに優れているのだ。中途半端な距離に居れば、気取られて当然な事を頭に叩きつけ以後気を付ける事だな。……………理由?………戯けが!…柚紀がいきなり一人で"お前達の気配を察知して会いに行ったから"に決まっているからだろうが!…一先ず親鳥共が探しに行ってるがアレは好奇心旺盛で自衛の出来ぬ雛鳥た。……その持ち前の眼と耳であの迷子を見つけ出せ、もし傷つけたり泣かせたら………承知せんぞ?』
~~~
少し遡り、柚紀達が店から出てきた頃、向かいの建物の屋根上から集団を見つめる物影。……風間隊の三人がカメレオンを起動させて居るので影はないが、兎に角様子を窺っていたのだ。その理由は………
「ハァー、……何で僕達は外でもこんな事する必要あるのさ?…そりゃあ城戸司令から"鶴ヶ峰の監視"を言い渡されているけど、……だからってカメレオン使う必要…あるんですか?……風間さん……」
「まぁまぁ、落ち着きなよ菊地原。……初日、会議室に風間さんがカメレオン使った状態で待機していたのに言実さんは気づかれている。………新たな指令が下った事を勘付かれたら鶴ヶ峰の側に居るのも容易じゃなくなる。…今回起きてしまった広場での"後始末"の功績があれば、さほど警戒をされない。……ですよね、…迅さん」
((信じるかはお前達次第だよ歌川・菊地原、それとあまりソコに長居をすべきじゃない。……珍しく風間さんが"柚紀ちゃんの様子を見に行きたい"と行ったから止めませんでしたが、ね?……言ったじゃないですか?大丈夫だって。俺のサイドエフェクト…信用してない訳じゃないですよね?))
「…今までの実績があるから信用信頼はしている、が……【鶴ヶ峰に限って言えばサイドエフェクトを過信すべきじゃない】……そう俺達に言ったのはお前だろ?……一先ず気取られる前にこの場から離れるぞ………迅の"報酬内容"も気になるしな、…逃げるなよ?」
「「り、了解!?」」
((大丈夫ですよ、逃げたりなんてしませんから。……まだ大樹が目印の例の店前に居ますが、早く来ないと合流タイミング…逃がしますよ?))
「戻るぞ、…どうせ生身の状態なあいつ等が今の俺達に気づく事は…先ずないだろう(ダンッ!!)」
この様に風間隊と迅は裏で動いていたのだ。……言実の要請の元、ゲートの一件の様に【自分の目の届かない場所から柚紀に危害を加える者】がいないかを調べて貰う為に。因みに風間達はあの広場で言実が迅のメールを嵐山から見せて貰った辺りで合流できる距離まで居たのだが、……暗躍中の迅に捕まり"とある報酬"を条件に協力要請を受け、それを手伝うか考えている最中に言実からも要請が来たことにより、事の重大さを理解し手を貸した。………これが、堤が気にしていた"風間隊ドタキャン"の真実だ
『いや、……あの部屋に居たときに広場での騒動後に迅からのメールが来たとお前が言っていたであろう?…それと今来た内容を見比べているに過ぎぬ』
「???……何か意味があるのですか?」
言実の言い分が分からず不思議そうにしている嵐山を尻目に、"柚紀の行動理由"の推測をする為のヒントを求めて内容を確認する。因みに届いたメール内容はと言うと
【広場での一件、ご苦労様。俺も参加したいのは山々だけど、それじゃあ彼女の為にはならない。甘やかすのは良いことでもあるけど……時には辛い思いを噛み締める必要もある。そうでなければ心は強くなれない、…彼女には俺以上の過酷な道のりが待っている。だから………俺は"最後の砦"でなければならない、柚紀ちゃんを心身共に護る為にも】
【気をつけろ嵐山、……彼女は月桂樹の一枚の若葉。普通なら自然と若葉が落ちる事は有り得ない。だが、"ナニモノ"かのせいで若葉は誤って切り取られ漂ってしまっている状態だ。風や水の流れに乗ってしまえば、何れ見失ってしまう。……種でない葉が花を咲かせるのは無理だか、ハーブとしての役目を十分に果たせるだけの香りは健在だ。でも本人は……別の用途での使用を望んでいるから、見つかるまで大切に保管しなくてはならない。例え一枚でも月桂樹は古来から勝利や栄光のシンボルだかね】
この様な内容だった。前のは個室での体験があるから理解出来る、だが新たなメール内容はかなり抽象的な例えを使っている。意味合いは理解できる言実は考えた、……恐らく迅"達"は理解していないのだ。何故"今のタイミング"で若葉が風に水に流される事態になったのかを、…元々今日だけで面影が時折出ていたのだ、ならば
『(決定打があったからあの子は漂ってしまった。風や水、……空は柚紀にとって身近にあった"数少ない友"だったからな)……済まないが嵐山、このまま電話させて貰う。それと移動しながらになる故に、少しの間警戒を頼む。……手短に済ませる、…"間に合わなくならない"為にも』
「!!…分かりました。なら、(スッ)…貴女の手を引いて俺が先導します。夜道は色々危ないですから」
『(…ガシッ)……任せたぞ嵐山』
長くその場に留まれば人目に付くので移動をしながら対策を講じる事にした言実は、行きのアクシデントを考慮して嵐山にサポートを頼むことに。その内容に些か抵抗があったが、多少ならと割り切り相手の手を掴み歩き出すのと同時に電話を掛ける。相手は勿論
『……この馬鹿迅がっ!?………スピーカーにしろ、…居るだろ"まだ一緒に"な。……全く、暗躍の趣味・隠密戦闘のプロが聞いて呆れるぞ?……あの子は"目に見えぬナニか"を察知するのに優れているのだ。中途半端な距離に居れば、気取られて当然な事を頭に叩きつけ以後気を付ける事だな。……………理由?………戯けが!…柚紀がいきなり一人で"お前達の気配を察知して会いに行ったから"に決まっているからだろうが!…一先ず親鳥共が探しに行ってるがアレは好奇心旺盛で自衛の出来ぬ雛鳥た。……その持ち前の眼と耳であの迷子を見つけ出せ、もし傷つけたり泣かせたら………承知せんぞ?』
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少し遡り、柚紀達が店から出てきた頃、向かいの建物の屋根上から集団を見つめる物影。……風間隊の三人がカメレオンを起動させて居るので影はないが、兎に角様子を窺っていたのだ。その理由は………
「ハァー、……何で僕達は外でもこんな事する必要あるのさ?…そりゃあ城戸司令から"鶴ヶ峰の監視"を言い渡されているけど、……だからってカメレオン使う必要…あるんですか?……風間さん……」
「まぁまぁ、落ち着きなよ菊地原。……初日、会議室に風間さんがカメレオン使った状態で待機していたのに言実さんは気づかれている。………新たな指令が下った事を勘付かれたら鶴ヶ峰の側に居るのも容易じゃなくなる。…今回起きてしまった広場での"後始末"の功績があれば、さほど警戒をされない。……ですよね、…迅さん」
((信じるかはお前達次第だよ歌川・菊地原、それとあまりソコに長居をすべきじゃない。……珍しく風間さんが"柚紀ちゃんの様子を見に行きたい"と行ったから止めませんでしたが、ね?……言ったじゃないですか?大丈夫だって。俺のサイドエフェクト…信用してない訳じゃないですよね?))
「…今までの実績があるから信用信頼はしている、が……【鶴ヶ峰に限って言えばサイドエフェクトを過信すべきじゃない】……そう俺達に言ったのはお前だろ?……一先ず気取られる前にこの場から離れるぞ………迅の"報酬内容"も気になるしな、…逃げるなよ?」
「「り、了解!?」」
((大丈夫ですよ、逃げたりなんてしませんから。……まだ大樹が目印の例の店前に居ますが、早く来ないと合流タイミング…逃がしますよ?))
「戻るぞ、…どうせ生身の状態なあいつ等が今の俺達に気づく事は…先ずないだろう(ダンッ!!)」
この様に風間隊と迅は裏で動いていたのだ。……言実の要請の元、ゲートの一件の様に【自分の目の届かない場所から柚紀に危害を加える者】がいないかを調べて貰う為に。因みに風間達はあの広場で言実が迅のメールを嵐山から見せて貰った辺りで合流できる距離まで居たのだが、……暗躍中の迅に捕まり"とある報酬"を条件に協力要請を受け、それを手伝うか考えている最中に言実からも要請が来たことにより、事の重大さを理解し手を貸した。………これが、堤が気にしていた"風間隊ドタキャン"の真実だ