62.お色直しの曲~洋風?和風?~
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戻ってきた諏訪に柚紀の事を任せると、二人は先に個室へ戻ることに。別に着替えを待っていても良かったのだが、諏訪に「ま、見てからのお楽しみって奴だ。俺ばっかり"驚かされてばかり"ってのも癪だしな」と、何か企んでいる様子だが、…諏訪に限って柚紀に嫌な思いをさせたりはしないと考えに至り、渋々と言った感じだ。……実際コレで良かったと二人は内心安心していた
「(ま、諏訪さんにはおれが暴露してるし問題ないか…)……所で佐鳥、お前店の外に出てただろ?…何しに行ったんだ?頭を冷やすためだけじゃないでしょ、多分」
「お!流石はとっきー!!冴えてるね~。……柚紀ちゃんがオレのせいで落ち込んでる気がしたからさ、…元気になって貰うための調べものしてた。"それらしい事"をあの広場で話し掛けられた時に聞いたし……部屋で"それっぽい話題"も出たからアリかなって」
「広場……個室での会話………!…成る程ね。だけど佐鳥、……ソレお前一人で"誘導"出来そう?……必要なら手を貸すけど、(ピタッ……クルッ)どうする?」
階段の幅的に二人並んで上がるのは難しいので、先を歩いていた時枝が立ち止まり後ろを振り返る。その表情は何時もと変わらないが瞳は真剣さが窺えた。それを見て一瞬驚いた佐鳥だったが、直ぐに何時ものような明るい雰囲気になるが表情は何やら企み笑いを浮かべていた
「…そりゃあ勿論、協力してもらいますよ?その為の"約束"だろ?オレが先導するんでフォローヨロシク!!あ、後さ……(ポイ)コレ、見ておいてよ」
「(パシッ)ん?携帯なんか投げてどうかし………佐鳥お前、まさか…」
「…とっきーだって一度は考えた事くらいならあるんじゃない?それを"実行に移すか"は置いておいてさ。でも、……多分必要になるよ?柚紀ちゃんの今までの事を振り替えれば、さ。で、佐鳥一人だけじゃ目立つだろ?だから悪いけどとっきーを巻き込みます!!……別に笹森でも良いけど、彼奴だとちょっと…"不安要素"あるし……って、待てよとっきー!!返事は???」
何やら"更なる企み"を企画している佐鳥は、ソレに時枝を巻き込もうとしている。投げられた携帯に表示されているのを見て内容を察した時枝を見て、佐鳥は"柚紀の為"と熱弁し始めたが時枝はそのまま階段を上がりきってしまう。それに遅れつつ上りきった佐鳥に携帯を投げ返し、チャッチしたのを見届けた時枝はこう答えた
「………ハァー、…別に協力しなくもないけど、…おれは"この手"の事、苦手だからね?……上手くいく保証、ないよ?」
「いいのいいの!!失敗したって彼女なら…柚紀ちゃんなら笑わないよ絶対。"やる事に意味があるんだから"……オレだって成功出来るって確信ないし、(バン!)そこはお互い様だよ!?やる前から自信無くしたら、出来ることも出来なくなるよ?ま、気楽に気楽に!…広報の仕事でも"ぶっつけ本番"の経験あるし、何とかなるって!!(バンバン)(とっきーはやる時はやる奴だってオレは知ってるよ?…特に彼女に関する事なら、ね)」
「……お気楽者だよな佐鳥は、ってか背中叩く力少しは抑えてよ痛いから(ま、その明るさに鶴ヶ峰さんは救われているのだろうな。……おれも、たまにあるし)」
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そんな二人の計画を知らない柚紀は、諏訪が買ってきてくれた服をお手洗いの一室にて着替えていた。中にはお湯入りのバケツにフェイスタオル、防水加工された袋にドライヤーまで置かれていた。それを有り難く使わせて貰いつつ身支度を整える柚紀は、時折諏訪に話し掛けていた。……先程まで二人が一緒だったので一人は少し心細いからだ
『諏訪さ~ん、幾つか聞いても良いですか?』
「ん?何だ?」
『……コレを選んだ理由は?』
「それは個室に戻れば分かるから今は黙秘」
『ふむ、……後ですね~………何でサイズ知ってるのですか?軽く引きますよコレは』
「あ~……(ガシガシ)俺の名誉の為に正直に答えるが、おサノ経由で"とある筋"から聞いた。…安心しろ、誰にも言わねぇから」
『言ったら流石に諏訪さんでも、怒りますからね私は』
「へいへい、分かってますよ歌姫様よ(…怒るで済む話しかコレ?つる姐なら多分飲み代奢りやら機能チェックの実験台とか……無茶ぶりしてくるレベルだぞ?)」
そんな事を諏訪が考えていると、"ガチャリ"とドアの開く音がしてそちらに視線を向けると少しイメージと違った姿で出てきた柚紀を見て、流石に諏訪も意図が掴めない様子だ
「鶴ヶ峰お前、髪の毛濡れたままじゃねぇか?ドライヤーあったろ?それと、そのパーカーって確か…時枝のだよな?……羽織るのもあっただろ?何でそっちを着ねぇんだ?」
『あ、えっと……髪の毛乾かすのが苦手で時間が掛かりそうだからなのと、…折角の新品な服を濡らしてしまうのが申し訳ないのと……腕の丈、此方の方が長いですしその…………何か、落ち着くと言いますか、"前にも同じ事があった"…気がして……うん』
「……ま、お前がそれで良いなら別に構わねぇさ俺は(ナデナデ)(前って確か…隊服のジャケットか?でもあの時の記憶はコイツにない筈だぜ?それが無くとも……この姿を見たら日佐人の奴、どんな反応するやら)ハァー」
『???(コテン……シュン)』
「………(ナデナデ)」
服はちゃんと着ているが、時枝のパーカーの上にタオルを肩に掛けたままで、緩くだがお団子に結び直した髪から水が滴り落ちている状態な柚紀を見て指摘するが、理由を話す姿を見て色々思った諏訪は小さく溜め息を無意識に漏らす。それが聞こえた柚紀は最初は分からなかったが何となく"自分のせい"だと思い落ち込んでしまう。それに目敏く気づいた諏訪が"お前のせいじゃねぇ"と意味を籠めて頭を撫でてやれば戻るために歩くのを促したのだった