60.迷訂の曲
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すると店長と話をした後、奥に下がっていたあの女性店員が戻ってくると「奥の席を整理してきました。一先ず移動を、…タオル類も用意してありますので」と声を掛けてきた。それを聞いて佐鳥も時枝も"この人は大丈夫"と感じて素直に従うことに。一先ずは……
「(スクッ)…佐鳥、先に彼女を連れていってくれ。左側なら破片も落ちてないから足元を気にする必要はない。ただ、飲み物が掛かった影響で目が開かないみたいだから慎重にね。それと、…色んなお酒の臭いが混ざっているから、……極力嗅がない方が、良い。お前まで酔う、よ?」
「了解了解っと!…だからとっきーも動けなかった訳か。この手の場合なら、……必ず動くもんねお前なら。…はい、柚紀ちゃん隣失礼するよ~。………で、この後どうするのさ?」
「(チラッ)……おれは一先ず諏訪さんの話し合いが終わるまで此処に残るよ。元々、とある用事があって部屋を出てきたからね。それに……あの人も鶴ヶ峰さんには甘いから、キレないとも限らない。…ストッパーは必要だ(彼女の世話は佐鳥の方が適材だ、…おれはおれの出来ることをするだけだ)」
「あ~、成る程確かにそうだね。じゃあとっきー、"後始末"ヨロシク!……っ!…柚紀ちゃん、服の上からでも分かるけど身体……かなり冷えてない?」
「!!」
ゆっくりと柚紀を立ち上がらせた時枝は注意点を伝えながら佐鳥に身柄を託し、諏訪の方を様子を見る。慎重に柚紀を支えながら了承する佐鳥だが、明らかに身体が冷たいのを感じると眉間に皺を寄せる。…時枝も柚紀が身震いを起こして居たのは気づいていたが、それは他人の視線に無防備な状態で晒されているせいだと予想していた。だが、……確かにそちらの可能性もあるのを失念していたのだった
そして柚紀本人は、話せる状態でないらしく小さく頷くに留まり女性店員が「案内しましたら直ぐに暖かいものもお持ちしますね」と優しく声を掛けて二人を連れて奥へと下がっていった
それを見送った時枝は、諏訪の近くへ行けば丁度店長と話がついた様子だ。そしてその近くには例の学生の青年と女子大学生の二人、更には三人より年上らしい男性が一人増えており、何やら三人に何かを話し掛けていた。そして諏訪が時枝に気づくと話し合い結果を口にする
「……どっちかと言えば店側が悪いが…アイツがそれを是とする訳がねぇから"両成敗"って形にした。………一先ず俺は替えの服を見繕ってくる、金は店とウチで折半にするで話はついている。で、だ。……(クイ)あっちの奴等は任せるぜ?…保護者枠な俺よりお前の方が適正だろ?……この店長が側に居るから問題にはならねぇだろう。ま、…頑張れよ~(ヒラヒラ)」
と、言いたいことだけ言って早々に店を出ていった諏訪。それを引き留めようとも言い分に反論するつもりも時枝には無かった。……多分、今が"行動しなくちゃいけない"その時だと思ったからだ。見るからに自分より年上な相手に申し立てするのは些か気が引けるが、…柚紀や佐鳥なら必要だと思えば迷わず言動を起こせるのを今日だけで何度も見聞きしたのだ
「(二人みたいに上手く出来ないかも知れないけど、……思ったままの事を言えば恐らく)……お三方も反省されているみたいなので、おれからは何も言うつもりはありません。ですが、…彼女は勿論ですが、あの二人だって"その気になれば"このお店や貴方達個人を訴える事は出来ます。原因が何であれ【未成年の少女が酔っ払い介抱をしてもらっている状態】ですからね。おれ達は二人以外残りが未成年ですから、"客側"が故意に"彼女だけ"お酒を飲ませた可能性は極めて低いし、……そう成らないように座っています。…分かりますよね?」
「!!…入り口近くに座っているのはあの大人の方か、……生真面目な少年でしたね。あの部屋は」
「なので、そちらが変な言い掛かりを言ってこない限りはこちらも事を荒たげる気はありません。但し、迷惑を掛けられたのは事実ですから、……何を以て償うか、…それを考え実行するのかは各自で決めてください。誠意を持って誠意を示す、……他者を思いやる心遣いが彼女にとっては一番の贈り物、ですからきっと。……………では、おれも彼女達が気になりますので、…コレで失礼します」
言いたいことだけ言って時枝は、足早に佐鳥達が居るであろう奥へと消えていった。それから沈黙が続いた後、飲み物を柚紀に掛けてしまった男子が店長に向かって口を開いた
「店長、俺……あのお客様のお連れの方に謝罪と説明しに行きます。ただ、……あれだけの人数の所に一人はその………」
「(ポン)…私も行こう。店員の失態は責任者が背負うモノだ。何、お叱りは受けなれている。……お前達はどうする?」
「……さっきの人が戻ってきたら、トイレの一室を、他のお客様が使わないように封鎖します。後、ハンドタオルとお湯が入ったバケツにドライヤー……処分が必要か分からないけど何かを入れる袋、…この位は用意したいなと」
「…………私は、役に立つか分からないけど、…気になる事があるので、確かめてから動きます。店員全員がアタフタしたら、お客様が不安がりますから…普通通りに……します」
それぞれ決めると、各自動き始めた。そしてその場に残った青年がポツリと一言
「………流石はボーダー隊員、か?諏訪もあ~見れば風間並みに頼りになる奴だよな~。…ま、俺が言える立場じゃないか?」
「(スクッ)…佐鳥、先に彼女を連れていってくれ。左側なら破片も落ちてないから足元を気にする必要はない。ただ、飲み物が掛かった影響で目が開かないみたいだから慎重にね。それと、…色んなお酒の臭いが混ざっているから、……極力嗅がない方が、良い。お前まで酔う、よ?」
「了解了解っと!…だからとっきーも動けなかった訳か。この手の場合なら、……必ず動くもんねお前なら。…はい、柚紀ちゃん隣失礼するよ~。………で、この後どうするのさ?」
「(チラッ)……おれは一先ず諏訪さんの話し合いが終わるまで此処に残るよ。元々、とある用事があって部屋を出てきたからね。それに……あの人も鶴ヶ峰さんには甘いから、キレないとも限らない。…ストッパーは必要だ(彼女の世話は佐鳥の方が適材だ、…おれはおれの出来ることをするだけだ)」
「あ~、成る程確かにそうだね。じゃあとっきー、"後始末"ヨロシク!……っ!…柚紀ちゃん、服の上からでも分かるけど身体……かなり冷えてない?」
「!!」
ゆっくりと柚紀を立ち上がらせた時枝は注意点を伝えながら佐鳥に身柄を託し、諏訪の方を様子を見る。慎重に柚紀を支えながら了承する佐鳥だが、明らかに身体が冷たいのを感じると眉間に皺を寄せる。…時枝も柚紀が身震いを起こして居たのは気づいていたが、それは他人の視線に無防備な状態で晒されているせいだと予想していた。だが、……確かにそちらの可能性もあるのを失念していたのだった
そして柚紀本人は、話せる状態でないらしく小さく頷くに留まり女性店員が「案内しましたら直ぐに暖かいものもお持ちしますね」と優しく声を掛けて二人を連れて奥へと下がっていった
それを見送った時枝は、諏訪の近くへ行けば丁度店長と話がついた様子だ。そしてその近くには例の学生の青年と女子大学生の二人、更には三人より年上らしい男性が一人増えており、何やら三人に何かを話し掛けていた。そして諏訪が時枝に気づくと話し合い結果を口にする
「……どっちかと言えば店側が悪いが…アイツがそれを是とする訳がねぇから"両成敗"って形にした。………一先ず俺は替えの服を見繕ってくる、金は店とウチで折半にするで話はついている。で、だ。……(クイ)あっちの奴等は任せるぜ?…保護者枠な俺よりお前の方が適正だろ?……この店長が側に居るから問題にはならねぇだろう。ま、…頑張れよ~(ヒラヒラ)」
と、言いたいことだけ言って早々に店を出ていった諏訪。それを引き留めようとも言い分に反論するつもりも時枝には無かった。……多分、今が"行動しなくちゃいけない"その時だと思ったからだ。見るからに自分より年上な相手に申し立てするのは些か気が引けるが、…柚紀や佐鳥なら必要だと思えば迷わず言動を起こせるのを今日だけで何度も見聞きしたのだ
「(二人みたいに上手く出来ないかも知れないけど、……思ったままの事を言えば恐らく)……お三方も反省されているみたいなので、おれからは何も言うつもりはありません。ですが、…彼女は勿論ですが、あの二人だって"その気になれば"このお店や貴方達個人を訴える事は出来ます。原因が何であれ【未成年の少女が酔っ払い介抱をしてもらっている状態】ですからね。おれ達は二人以外残りが未成年ですから、"客側"が故意に"彼女だけ"お酒を飲ませた可能性は極めて低いし、……そう成らないように座っています。…分かりますよね?」
「!!…入り口近くに座っているのはあの大人の方か、……生真面目な少年でしたね。あの部屋は」
「なので、そちらが変な言い掛かりを言ってこない限りはこちらも事を荒たげる気はありません。但し、迷惑を掛けられたのは事実ですから、……何を以て償うか、…それを考え実行するのかは各自で決めてください。誠意を持って誠意を示す、……他者を思いやる心遣いが彼女にとっては一番の贈り物、ですからきっと。……………では、おれも彼女達が気になりますので、…コレで失礼します」
言いたいことだけ言って時枝は、足早に佐鳥達が居るであろう奥へと消えていった。それから沈黙が続いた後、飲み物を柚紀に掛けてしまった男子が店長に向かって口を開いた
「店長、俺……あのお客様のお連れの方に謝罪と説明しに行きます。ただ、……あれだけの人数の所に一人はその………」
「(ポン)…私も行こう。店員の失態は責任者が背負うモノだ。何、お叱りは受けなれている。……お前達はどうする?」
「……さっきの人が戻ってきたら、トイレの一室を、他のお客様が使わないように封鎖します。後、ハンドタオルとお湯が入ったバケツにドライヤー……処分が必要か分からないけど何かを入れる袋、…この位は用意したいなと」
「…………私は、役に立つか分からないけど、…気になる事があるので、確かめてから動きます。店員全員がアタフタしたら、お客様が不安がりますから…普通通りに……します」
それぞれ決めると、各自動き始めた。そしてその場に残った青年がポツリと一言
「………流石はボーダー隊員、か?諏訪もあ~見れば風間並みに頼りになる奴だよな~。…ま、俺が言える立場じゃないか?」