60.迷訂の曲
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「(予想以上に面倒な事になってやがるなコレ、とりあえず…)(コソッ)……俺はあの偉そうな奴から状況を聞く。…お前は鶴ヶ峰の状況確認と、聞けそうならあの学生にも話を聞け」
「(コソッ)分かりました」
二人を案内してきた店員(女性)が店長と会話をしている間に、諏訪と時枝も一先ずどう動くかの初動を決めれば諏訪が先陣を切る
「悪いがソイツ俺達の連れなんだが。……一先ず責任者と当事者以外は下がってくれ。それとだ、…(ギロッ)男は一定以上ソイツに近付くな、かなりの人見知りなんでな。恐らく今の状況だと知らねぇ奴だとまともに話が出来ねぇ筈だ。……任せたぞ、時枝」
「了解です諏訪さん。(スタスタ…パリン)!!(…意外と彼女の右側は破片、多分グラスのかな?散らばっているから無闇に彼女を動かすのは危険だな)……(スッ)…鶴ヶ峰さん大丈夫?…おれの声、聞こえてる?」
『!……時枝くん?(スッ)どうして此処に??それにさっき、諏訪さんの声も、聞こえた…けど……様子、見にわざわざ来たの?そう、だよね………"あの時も"…不用意に一人に、なったから…あんな事に……なったから、……諏訪さん達に、…会うきっかけに………なった訳…だし(笹森くんでさえ、"同じことの繰り返し"を危惧しているのだから、諏訪さんが気にしない訳が、ないか……)』
「(…つまり異性が絡むアクシデントがあって二人に助けられた訳か。詳細も気になるけど今現在の対応が先だね)……(ギュッ)あの女性店員がおれ達の元に来て、言実さんの指示で諏訪さんと俺が派遣された状態だよ。…目、もしかして開けないの?後……(チラッ)何が原因で此処までずぶ濡れになっちゃったの?」
諏訪が前に出て店長らしい男性に話し掛けながら、チラチラと柚紀を見ていた客含めた男達を睨み付けて牽制し、…敢えて時枝の名を出して"ボーダー関係者"だと仄めかす。時枝も名出しで返答を返せば足元を気にして柚紀に近づき、しゃがんで話し掛ける。が、やはり目を閉じたままで時枝の方を向き伸ばして来る柚紀の手を軽く握り締め、当事者であろう学生に目配りすればポツリポツリと状況を話し出した。……些か顔色を悪くさせながら
曰く、丁度今の時間は時間制のラストオーダーや客の入れ替わりが頻繁に起きる時間帯らしく、学生は一度に沢山の飲み物を運ぼうとしたらしい。だが、先輩に【配膳ミスや溢す危険があるから止めた方が…】と言われたがそれを無視して実行した結果、店を出ようとした酔っ払いにぶつかりそうになり、それを回避した先に柚紀が歩いていたのに気づかず、咄嗟に止まれて何とかぶつかるのを回避出来たが、大量に載ったトレイ上のグラスが制御不能となり……背の低い柚紀に中身が全て掛かってしまい、グラスも落ちたら衝撃で何個か割れて……現在の状況に至ったらしい
『…その人だけが、悪い訳じゃない、から。……私も疲れていた、みたい。……周囲をちゃんと…見ていなかったから、…回避出来なかった。……普通の状態なら、…危ないのは気がつけた筈、だから。後……掛かった飲み物に、ジュースがあったらしくて…睫毛と目蓋がくっついて…開けれないの目が。………それと時枝くんは、…臭い大丈夫?』
‐ フワッ……ツーン ‐
「つっ?!(…何の臭いだ?多分お酒だろうけど、それだけじゃない。すごく甘ったるい臭いと…果物かな?色んなのが混ざっている?)……鶴ヶ峰さん、もしかしてこの臭いのせいで動けないの?…おれも少し今嗅いだけど、かなりキツいね。……吐き気とか、ない?」
『吐き気はない、でも………グラスの中身が、半分以上……多分お酒、…でもって…焼酎やワイン………後、…ウィスキーかな?それに加えて…………さっき言実さんも飲んでたカルーアに、カクテル系………お酒の臭いで酔うことは今まで無かったけど、…流石にコレは、辛い(それに全部冷たい飲み物……身体が冷えて来た、みたい。………低体温症状、に陥らなきゃ、良いけど)』
‐ ガクガクブルブル ‐
柚紀に指摘されて漂ってきた香りを嗅いだ時枝は、予想以上の臭さに流石に顔を顰める。それも柚紀の分析では上がってきたお酒は度数の高いものが多く、幾ら飲んでいないとは言え…未成年の柚紀が臭いで酔うのも無理はない。更に目が閉じていて見えなくても常に話し声が聞こえるこの空間、……人の目が自分に集まっているのを察しているのか、身震いを起こして顔色が青ざめてきた柚紀をどうにかしたい時枝だが、自分も臭いに当てられて身動きが上手く取れない。そんな中………
「え?ナニコレ??柚紀ちゃんに、とっきー?一体何が起きてどうなってるの??外から戻ってきたら店員さんに"お連れさんが大変な事に"って言われたから様子見に来たけど……」
「!!…佐鳥、戻ってきたのか(説明したいが、今の状況を明確に話すのは彼女にも、……お店的にも良くない。どうする??)」
店の外に出ていたらしい佐鳥が現れて状況を把握できずに居た。その姿を見て無意識に安堵した時枝だが、状況は変わらない。……どうすれば彼女を、傷つけずに済むかが見えてこないのだ
「(コソッ)分かりました」
二人を案内してきた店員(女性)が店長と会話をしている間に、諏訪と時枝も一先ずどう動くかの初動を決めれば諏訪が先陣を切る
「悪いがソイツ俺達の連れなんだが。……一先ず責任者と当事者以外は下がってくれ。それとだ、…(ギロッ)男は一定以上ソイツに近付くな、かなりの人見知りなんでな。恐らく今の状況だと知らねぇ奴だとまともに話が出来ねぇ筈だ。……任せたぞ、時枝」
「了解です諏訪さん。(スタスタ…パリン)!!(…意外と彼女の右側は破片、多分グラスのかな?散らばっているから無闇に彼女を動かすのは危険だな)……(スッ)…鶴ヶ峰さん大丈夫?…おれの声、聞こえてる?」
『!……時枝くん?(スッ)どうして此処に??それにさっき、諏訪さんの声も、聞こえた…けど……様子、見にわざわざ来たの?そう、だよね………"あの時も"…不用意に一人に、なったから…あんな事に……なったから、……諏訪さん達に、…会うきっかけに………なった訳…だし(笹森くんでさえ、"同じことの繰り返し"を危惧しているのだから、諏訪さんが気にしない訳が、ないか……)』
「(…つまり異性が絡むアクシデントがあって二人に助けられた訳か。詳細も気になるけど今現在の対応が先だね)……(ギュッ)あの女性店員がおれ達の元に来て、言実さんの指示で諏訪さんと俺が派遣された状態だよ。…目、もしかして開けないの?後……(チラッ)何が原因で此処までずぶ濡れになっちゃったの?」
諏訪が前に出て店長らしい男性に話し掛けながら、チラチラと柚紀を見ていた客含めた男達を睨み付けて牽制し、…敢えて時枝の名を出して"ボーダー関係者"だと仄めかす。時枝も名出しで返答を返せば足元を気にして柚紀に近づき、しゃがんで話し掛ける。が、やはり目を閉じたままで時枝の方を向き伸ばして来る柚紀の手を軽く握り締め、当事者であろう学生に目配りすればポツリポツリと状況を話し出した。……些か顔色を悪くさせながら
曰く、丁度今の時間は時間制のラストオーダーや客の入れ替わりが頻繁に起きる時間帯らしく、学生は一度に沢山の飲み物を運ぼうとしたらしい。だが、先輩に【配膳ミスや溢す危険があるから止めた方が…】と言われたがそれを無視して実行した結果、店を出ようとした酔っ払いにぶつかりそうになり、それを回避した先に柚紀が歩いていたのに気づかず、咄嗟に止まれて何とかぶつかるのを回避出来たが、大量に載ったトレイ上のグラスが制御不能となり……背の低い柚紀に中身が全て掛かってしまい、グラスも落ちたら衝撃で何個か割れて……現在の状況に至ったらしい
『…その人だけが、悪い訳じゃない、から。……私も疲れていた、みたい。……周囲をちゃんと…見ていなかったから、…回避出来なかった。……普通の状態なら、…危ないのは気がつけた筈、だから。後……掛かった飲み物に、ジュースがあったらしくて…睫毛と目蓋がくっついて…開けれないの目が。………それと時枝くんは、…臭い大丈夫?』
‐ フワッ……ツーン ‐
「つっ?!(…何の臭いだ?多分お酒だろうけど、それだけじゃない。すごく甘ったるい臭いと…果物かな?色んなのが混ざっている?)……鶴ヶ峰さん、もしかしてこの臭いのせいで動けないの?…おれも少し今嗅いだけど、かなりキツいね。……吐き気とか、ない?」
『吐き気はない、でも………グラスの中身が、半分以上……多分お酒、…でもって…焼酎やワイン………後、…ウィスキーかな?それに加えて…………さっき言実さんも飲んでたカルーアに、カクテル系………お酒の臭いで酔うことは今まで無かったけど、…流石にコレは、辛い(それに全部冷たい飲み物……身体が冷えて来た、みたい。………低体温症状、に陥らなきゃ、良いけど)』
‐ ガクガクブルブル ‐
柚紀に指摘されて漂ってきた香りを嗅いだ時枝は、予想以上の臭さに流石に顔を顰める。それも柚紀の分析では上がってきたお酒は度数の高いものが多く、幾ら飲んでいないとは言え…未成年の柚紀が臭いで酔うのも無理はない。更に目が閉じていて見えなくても常に話し声が聞こえるこの空間、……人の目が自分に集まっているのを察しているのか、身震いを起こして顔色が青ざめてきた柚紀をどうにかしたい時枝だが、自分も臭いに当てられて身動きが上手く取れない。そんな中………
「え?ナニコレ??柚紀ちゃんに、とっきー?一体何が起きてどうなってるの??外から戻ってきたら店員さんに"お連れさんが大変な事に"って言われたから様子見に来たけど……」
「!!…佐鳥、戻ってきたのか(説明したいが、今の状況を明確に話すのは彼女にも、……お店的にも良くない。どうする??)」
店の外に出ていたらしい佐鳥が現れて状況を把握できずに居た。その姿を見て無意識に安堵した時枝だが、状況は変わらない。……どうすれば彼女を、傷つけずに済むかが見えてこないのだ