59.命名の曲
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今度は三人とも驚きの表情をしたがやはり何が起こっているかが分からない。気になり比較的に近くに居た嵐山を初めに笹森、そして時枝が確認し、……笹森は明らかに驚いたが、残り二人は何やら納得もしているが複雑な表情をしている。結局どうなっているかか分からないので………
「悪いがコッチからじゃ全く状況が掴めねぇ、…笹森説明しろ。……鶴ヶ峰は二人にナニをしている」
「あ、あの………扇子を、当真さんの……喉元に当てていて、太刀川さんの方は……割り箸を胸元に(でも、殺生性のないもので、それも今トリオン体な太刀川さんには、"そっち側"は意味がないんじゃ…)」
「(だけど"あの位置"は……そしてそれ以上に)……お二人とも彼女をからかい過ぎましたね。…今それぞれ宛がわれた物が"武器"だったら、…それも言実さんの指示通り"寸止め"されていなかったら………どうなっていますか?」
「太刀川さんも、今はトリオン体だから"心臓"に宛がわれていても余裕かも知れませんが、……気がついてませんでしたよね?柚紀ちゃんの動きに、それと……よく考えれば彼女ならこの位、その気になれば造作もない筈だ。………(ポン)ね?柚紀ちゃん」
荒船の質問から始り、笹森が見たままの状況を説明し、次に時枝が何故柚紀がこの様な行動をしたかと当人が驚いた理由を話し、最後に嵐山が柚紀がこの様な事が可能な点と諏訪が驚きはしたが何処か納得している理由を仄めかし、一先ず柚紀を落ち着かせようと肩を叩く。それにより我に返り"やらかした"と言いたそうな顔をして、扇子と割り箸を嵐山に渡すと太刀川や当真に背を向け、荒船達の方に顔を向ければかなり複雑そうな、だが真剣な眼差しで語り始めました
『えっと、……いきなりヘンテコな挙動をしてしまい、すみません。だけど、……私は言実さんの姪です。昔から一緒に居れば、…例のゲート騒動に類似した経験だって、ありますよ。言実さんばかりに負担を掛けたくないと思うから、自分で出来ることは一通りやっているつもりです。…今のはちょっとした護身術、ですかね?私みたいな子どもでも頑張れば身に付けれます』
「……でも柚紀ちゃん、ならどうして知らない人相手にソレしなかったの?…出来るなら出来るって分からせないと、何度も嫌な目に……(遭うと言うべき?それとも)」
『(フルフル)……言実さんがソレを望まないから、私は進んで手を下すつもりはありません。………言実さんは私を"普通の女の子"らしく生活させようとしてくれる、でも同時に理解もしている。…私が如何に他者とは違うか、特殊な経験や立場を…強いられたかを。それに、………私だって怒りますし、こう…カッとなれば普段抑えている態度や行動を取ってしまいます。皆さんだって……ありますよね?私だけじゃ…ない、ですよね?』
謝罪の後に自らの行い理由を話す柚紀は何処か浮かない表情をしていた。そして加賀美から訊ねられた"己の実力を偽る"理由に関しては、これが普通なのかが分からず理解できず思わず問い返すが、"否定されたら"と不安に思ってしまい誰の目を見たくなく思わず俯いてしまう柚紀。…そんな中、行動を取ったのは
「(ナデ)柚紀、アンタのその感覚は間違ってなんかいないさ。……人は見た目で判断してしまう生き物、何時もは大人しくてあまり喋らない子が、いきなり俊敏な動きをしたり口調が変われば誰だって驚くわよ。だから、………(スッ)…この手のお店初めて、よね?少し見てきたらどう?どうせ気になっているでしょ?…一階に行けばカウンター席あって、そこから調理風景とかも見れるわよ?それと、…分かっているとは思うけど、お店から出ちゃダメよ?良いわね?」
『くま、先輩。……(ギュッ)…分かり、ました。下の階、気になっていたので……見てきます。そろそろお開きになりそう、ですからね。…"次が"あるとも限らないので、………言実さん、行ってきて大丈夫…ですか?』
『…………あぁ、…従業員の邪魔は、するなよ?』
柚紀の視界から荒船達を隠すかの様に移動をしてきた熊谷が言葉を掛けると、巾着型の鞄を差し出し、店内見物を勧める。…モールでの経験を元に一言念の為に付け加えて。熊谷の心遣い、そして柚紀自身も色んな理由が合わさり一度個室から離れるべきと判断し鞄を持って出ようとする。……言実に声を掛けたのは、誰かが行動阻止されるのを防ぐため…だったが
‐ ギュッ ‐
『!?…笹森くん?……どうして…』
「え?あっ!(パッ)ご、ごめん鶴ヶ峰っ!俺は、別にお前の邪魔をしたい訳じゃなくて、その…………今日一日の事を考えると、一人にしちゃ駄目な気がして…だから…その」
『………(フワッ)心配してくれて有り難う、でもごめんね。…今は……一人に、なりたいの。……(チラッ)
‐ キュッ ‐
っ!…ごめん、なさい(…貴方を悲しませたくないと思ってしまう、身勝手な私を…許して)』
‐ タタタタタタ ‐
腕を笹森に掴まれ、困惑した表情を浮かべる柚紀。それを見て"また"と自分の過ちに気付き直ぐに手を離すと、笹森は心配そうな表情をしてきちんと気持ちを素直に告げる。その気持ちが嬉しくてうっすらと笑みを浮かべるが……無意識に見てしまった"彼"の表情が、何処か辛そうで我慢している様に感じてしまった柚紀は、胸の締め付けを覚え足早に個室を後にした
そして、人気がない空き部屋にお邪魔すると人が来ないのを確認し……静かに一人、柚紀は涙を流したのであった。…………"何が原因で"出てきた涙かを理解できぬまま
「悪いがコッチからじゃ全く状況が掴めねぇ、…笹森説明しろ。……鶴ヶ峰は二人にナニをしている」
「あ、あの………扇子を、当真さんの……喉元に当てていて、太刀川さんの方は……割り箸を胸元に(でも、殺生性のないもので、それも今トリオン体な太刀川さんには、"そっち側"は意味がないんじゃ…)」
「(だけど"あの位置"は……そしてそれ以上に)……お二人とも彼女をからかい過ぎましたね。…今それぞれ宛がわれた物が"武器"だったら、…それも言実さんの指示通り"寸止め"されていなかったら………どうなっていますか?」
「太刀川さんも、今はトリオン体だから"心臓"に宛がわれていても余裕かも知れませんが、……気がついてませんでしたよね?柚紀ちゃんの動きに、それと……よく考えれば彼女ならこの位、その気になれば造作もない筈だ。………(ポン)ね?柚紀ちゃん」
荒船の質問から始り、笹森が見たままの状況を説明し、次に時枝が何故柚紀がこの様な行動をしたかと当人が驚いた理由を話し、最後に嵐山が柚紀がこの様な事が可能な点と諏訪が驚きはしたが何処か納得している理由を仄めかし、一先ず柚紀を落ち着かせようと肩を叩く。それにより我に返り"やらかした"と言いたそうな顔をして、扇子と割り箸を嵐山に渡すと太刀川や当真に背を向け、荒船達の方に顔を向ければかなり複雑そうな、だが真剣な眼差しで語り始めました
『えっと、……いきなりヘンテコな挙動をしてしまい、すみません。だけど、……私は言実さんの姪です。昔から一緒に居れば、…例のゲート騒動に類似した経験だって、ありますよ。言実さんばかりに負担を掛けたくないと思うから、自分で出来ることは一通りやっているつもりです。…今のはちょっとした護身術、ですかね?私みたいな子どもでも頑張れば身に付けれます』
「……でも柚紀ちゃん、ならどうして知らない人相手にソレしなかったの?…出来るなら出来るって分からせないと、何度も嫌な目に……(遭うと言うべき?それとも)」
『(フルフル)……言実さんがソレを望まないから、私は進んで手を下すつもりはありません。………言実さんは私を"普通の女の子"らしく生活させようとしてくれる、でも同時に理解もしている。…私が如何に他者とは違うか、特殊な経験や立場を…強いられたかを。それに、………私だって怒りますし、こう…カッとなれば普段抑えている態度や行動を取ってしまいます。皆さんだって……ありますよね?私だけじゃ…ない、ですよね?』
謝罪の後に自らの行い理由を話す柚紀は何処か浮かない表情をしていた。そして加賀美から訊ねられた"己の実力を偽る"理由に関しては、これが普通なのかが分からず理解できず思わず問い返すが、"否定されたら"と不安に思ってしまい誰の目を見たくなく思わず俯いてしまう柚紀。…そんな中、行動を取ったのは
「(ナデ)柚紀、アンタのその感覚は間違ってなんかいないさ。……人は見た目で判断してしまう生き物、何時もは大人しくてあまり喋らない子が、いきなり俊敏な動きをしたり口調が変われば誰だって驚くわよ。だから、………(スッ)…この手のお店初めて、よね?少し見てきたらどう?どうせ気になっているでしょ?…一階に行けばカウンター席あって、そこから調理風景とかも見れるわよ?それと、…分かっているとは思うけど、お店から出ちゃダメよ?良いわね?」
『くま、先輩。……(ギュッ)…分かり、ました。下の階、気になっていたので……見てきます。そろそろお開きになりそう、ですからね。…"次が"あるとも限らないので、………言実さん、行ってきて大丈夫…ですか?』
『…………あぁ、…従業員の邪魔は、するなよ?』
柚紀の視界から荒船達を隠すかの様に移動をしてきた熊谷が言葉を掛けると、巾着型の鞄を差し出し、店内見物を勧める。…モールでの経験を元に一言念の為に付け加えて。熊谷の心遣い、そして柚紀自身も色んな理由が合わさり一度個室から離れるべきと判断し鞄を持って出ようとする。……言実に声を掛けたのは、誰かが行動阻止されるのを防ぐため…だったが
‐ ギュッ ‐
『!?…笹森くん?……どうして…』
「え?あっ!(パッ)ご、ごめん鶴ヶ峰っ!俺は、別にお前の邪魔をしたい訳じゃなくて、その…………今日一日の事を考えると、一人にしちゃ駄目な気がして…だから…その」
『………(フワッ)心配してくれて有り難う、でもごめんね。…今は……一人に、なりたいの。……(チラッ)
‐ キュッ ‐
っ!…ごめん、なさい(…貴方を悲しませたくないと思ってしまう、身勝手な私を…許して)』
‐ タタタタタタ ‐
腕を笹森に掴まれ、困惑した表情を浮かべる柚紀。それを見て"また"と自分の過ちに気付き直ぐに手を離すと、笹森は心配そうな表情をしてきちんと気持ちを素直に告げる。その気持ちが嬉しくてうっすらと笑みを浮かべるが……無意識に見てしまった"彼"の表情が、何処か辛そうで我慢している様に感じてしまった柚紀は、胸の締め付けを覚え足早に個室を後にした
そして、人気がない空き部屋にお邪魔すると人が来ないのを確認し……静かに一人、柚紀は涙を流したのであった。…………"何が原因で"出てきた涙かを理解できぬまま