58.宴会の曲・四番
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暫くして言実が戻ってきた。"予想外な着信"もあり思った以上に時間が取られてしまい、諏訪や嵐山達が居るとはいえ柚紀が大丈夫か心配となり足早に個室に戻ると
『戻ったが変わりな………説明しろ、…これはどう言う状況だ?何故……………………ほぼ全員の顔が赤くなっておる?間違えて酒でも飲んだ訳でもあるまい。とりあえず………アカネ、…一番平気そうなお前に頼むとしようか』
「お帰りなさい先生!!ハイ、ご説明します!!!実は………」
と、なっていた。何時も冷静な筈の荒船や時枝も赤くなっており、柚紀に関しては恥ずかしさのあまりに嵐山の背中に顔を埋めている始末だ。何故恥ずかしがっているか分かると言うと………耳や首筋まで真っ赤になっておりまるで茹でダコ状態だからである。それをこちらも少し赤い嵐山が落ち着かせていたのだった
さて、何故この様な事態になっているかと言うと。先ずは嵐山が言実の渾名の由来を思い出した所から始まり、全員が納得した所で小佐野が突然「ねぇねぇ柚紀ちゃん、一回だけで良いから名前で呼んで~!!…出来ればお姉ちゃん風に」と、訳の分からない注文を受けたがひとりっ子の柚紀は抵抗なく年上三人を各々呼んで…先ずは三人がダウン。次に当真が「うんじゃあ次は、お兄ちゃん呼びしてみろ?あ、名前呼びづらければ"くま"みたいにしてもいいぜ?」と調子に乗って頼めば、嵐山に「いいなソレ!!一度君にお兄ちゃん呼ばわりされてみたかった!?」と嵐山スマイルで頼まれてしまい、流石に断れなかった柚紀は、各々の合いそうな呼び方をして、三人がKOされ嵐山と堤は照れ臭そうにしていた。で、あの二人が無傷なのが気に食わない諏訪が「どうせだ、つる姐口調でコイツ等を懲らしめろ!」と指令が来たので、悪ノリして実行して二人が撃沈。そして
「私が最後に仲が良いので、試しに同学年の三人の名前呼びをお願いしたら…先輩があーなりました。因みにあちらの三人は先輩が恥ずかしがった理由を聞いてあの状態です!!報告は以上です!!」
『………………………馬鹿かお前等全員、安易に名で遊びおって全く。……(フー)…………柚紀に問う、"名"とは何だ?』
『(ピクッ)……名とは呪、です。後、言葉には言霊が宿ります。………ごめんなさい、言実さん。調子に、乗り過ぎました』
「ん?……何だか平安時代を題材にした小説に出てきそうなフレーズですが、…それも育った町に伝わる教えですか?」
事情を聞いて呆れた表情をしながら一服をする言実は試すかの様に柚紀に一つ、問い掛けをする。それを聞いて反応を示しゆっくりと嵐山の背中から顔を上げた表情には反省の色が見えているのを見て、とりあえずお咎めナシに決める言実。幾分症状が軽かった堤が流石に気になり訊ねると、おもむろに例の扇子を取り出し、そして
‐ パサッ!! ザザザザッ!? ‐
「い、いきなり何するんだよつる姐っ!!お陰で復帰出来た………って、待て待てっ!!?……"音"一つでアンタ、コレ出来るのかよっ!!?」
『…何を意味のわからぬ事を言っているのだ、お前は??(パタパタ)………"その者が普段行わぬ行為をすれば、反応し警戒する"…普通の事だろ?』
「!!(風間さんが柚紀に貰った戦術はコレが元な訳か。あ~、うん。……まだまだ理解を深めないと行けねぇ訳だわ)」
いきなり派手に扇子を広げた音がして、オペレーター二人と日浦以外のメンバーは無意識に戦闘体制に入ってしまう。因みに柚紀は嵐山に庇われており、きょとんとしていた。その中で代表として当真が文句を言いかけたが、自分そして柚紀ですら"見るだけ"で変化に気付かれてしまう荒業を、言実は顔色変えずに道具一つでやって見せた事により、実力差を思い知らされる。……太刀川は別の意味で、だが
『(パタパタ)ま、コレにお前達が反応するのは"戦闘員"である若しくは"男"だから、だろうな。……こんな現代社会でも反射的とも言えるが習慣とは根強いものだ。…さて、話題変えとしてだ。………柚紀、私が席を外した理由、…予想は付くか?』
『ん~……"忍田さんに明日の買い物同伴のお願い"位しか分からない。でも時間的に…別案件もだ…「……お前等マジでエスパーか?!何でそうポンポン凄い事をやりやがる!!?」え?す、諏訪さん???』
開いた扇子で仰ぎながら相変わらず無表情で淡々と話す言実は、"現在"の話に切り替える為に、柚紀へ即興推理ショーの題材を出す。それに対して差ほど考える素振りをせずに答えを告げるのには流石の諏訪がツッコミを入れざる負えなくなった。纏め役が困惑している状態で、話を進めるには"諏訪並みに二人を理解している者"が必要で、必然的に……