57.宴会の曲・三番
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『………私は何時、お前に迷惑を掛けた?…覚えては居ないが?』
『当たり前ですよ、その時の記憶は綺麗サッパリ忘れているんですから。……それも原因がお酒で酔い潰れて、です!?あれの二の舞いになるのはご免ですからね?!』
『………此処で万が一酔い潰れたとしてもだ、お前が被害を受ける事はないだろ?』
『私なら良いんです!!逆に皆さんに迷惑を掛けたくないから止めている訳ですから!!……で、何でそれ(カルーアミルク)を飲む理由があるんですか?ストレス発散が理由なら、まだ太刀川さんや当真先輩を生け贄にしますよ私は。…そっちの方が平和的だし』
流石のこの状況に誰もが唖然としていた。……確かに柚紀は必要だと判断すれば、目上の人相手にも自らの考えを話すのは何度も見てきたが、言実相手にそれも何時もの姪と叔母の関係が逆転しているかの様にも見える。そして個人差はあれどメンバーには些か見覚えのある光景だったりもする。そう
‐ 当真や太刀川と同じじゃないか? ‐
‐ 犬飼相手にもこんな感じだったよね? ‐
‐ 迅さん相手でも似た感じな気が…… ‐
少し前までのゲーム感覚がまだ残っている影響で、法則性やら共通点を無意識に探してしまうが、……"全員"が当てはまる答えが見つからない。と、佐鳥や時枝ですら戸惑っている中で発言したのは…………
「おい柚紀っ!?聞き捨てならないぞ!!太刀川さんは兎も角、何で俺まで犠牲にならなきゃならねぇんだよ!?!流石の俺様でも正隊員用のトリオン体のつる姐には勝てっこないから!!!」
『でも"二ヶ月前"に何かの理由で戦ってますよね?何かの試験だろうと、ストレス発散だろうと言実さんなら"実力や目的に見合った"人を必ず選びます。一方的にボコボコにするなんて大人げない事は"基本"しませんからね。因みに………太刀川さんも同じ時期に相手してませんか?本気モードの言実さんを』
「へ?……確かに戦ったが、…………ちょっと待て!!今なら分かるが、二ヶ月前はお前まだボーダーに居ないだろ??!何で分かる?!」
何故か生け贄扱いされた当真と太刀川だった。そして昼間の会議室にて自ら語った時に聞いた情報から、更に推測や言実の性格や行動理念を加えて説明し、太刀川の言い分には……"うんざり"と言っている様な表情を露にして律儀にきちんと返事をする柚紀
『…太刀川さんって、本当に馬鹿ですね?言実さんの付き合いの長さは、この中で私が一番長いですよ?身内であっても常に一緒ではなく別々に暮らしてましたが、互いの祝い事があれば都合が悪くさえなければ会うのは普通ですし、それが無くても"気晴らし"と称して会いに来てくれましたし、電話だってしてました。……ボーダーに入られてからは頻度は減りましたが。ってか、言実さんが学生の時は一時期一緒にも住んでましたね。……他にも理由は様々ありますが、私がボーダーを知らない時期の事でも、ある程度の情報さえあれば推測は可能です。………まだお疑いなら、即興推理ショーやりますよ?太刀川さんを題材で』
「や、や、や、止めろっ!!!?あの日任務の後で滅茶苦茶大変な目に遭ったんだぞ?!?年下の筈の出水から生身の状態で正座させられて説教を食らうわ、国近からなんて格闘ゲームに飽きるまで付き合う羽目になったんだぞ?!あんなの二度と御免だ!!!」
ちょっと揚げ足を取ったつもりの太刀川に、何倍にもなった反論を繰り出す柚紀。内容もだが、最後の言葉が一番効果的だったらしく見事に返り討ちを喰らう。それを自業自得だと思う諏訪だったが、ふと言実に視線を流し……その姿を見て、物凄く言いづらそうにしながら口を開く
「あ~、お取り込み中の所悪ィが鶴ヶ峰、……酒に関してはつる姐相手でもマジで細心の注意を払え。じゃねぇ~と……(クイ)こうなる」
『え?……あ~~~!!!飲んじゃってるよこの人~~!!!?理由聞いてないのに~~!!!』
『……本気で防ぎたければグラスを取り上げるべきだったな…まだまだだな、柚紀』
『もう~~~!!!……いいよ、もう。どうなっても知りませんからねっ!!?………う~~(ギュッ)』
一瞬の隙で、ほぼお酒を飲み干していた言実を見てショックを受けるが表面に出さない様にして、拗ねて不機嫌丸出しな状態の柚紀は距離を置き落ち着こうとするが……やっぱり気持ちの切り替えが出来ず、熊谷に思わず抱きつきながら落ち込んでしまう。そんな温度差激しい態度を取った柚紀を見て、流石の嵐山が言実に対して苦言を申し開く