56.宴会の曲・二番
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『……柚紀、臭いが移っても構わぬならおいで。………この子の両親の写真や画像があれば一番分かりやすいのだが、…(ナデナデ)生憎私もあまり写真を撮らぬし、アルバムとなれば通常ならかなりの大きさだ。だが……』
「今日の引っ越し時にラボにあった鶴ヶ峰荷物を全て運んだが……恐らくアルバムらしいのは無かった筈だ。ってか、…鶴ヶ峰は三門市に住む予定が元々無かったんだ。なら写真が無いのも無理ネェさ。それに………携帯を此処に来る前まで未所持だし、家電以外の機械には慣れていない点からしても…カメラが身近に無かった可能性だって…………………………おいつる姐、まさかだとは思うがコイツ………」
『……………………ナニを察したかは知らぬが、……確信が無ければ口にするな諏訪(ナデナデ)……お前は理解している筈だ、…不用意に疑惑を口にすれば……この子が必ず傷付く事を。それが当たっても……外れても、な(ナデナデ)…………あ、済まないがカルーアミルク一つ、それとアイスティーにオレンジジュースも追加で』
何とも言えない雰囲気の中、あらかじめ呼んでいた店員に追加で飲み物を頼んで直ぐに下がらせる。……穂刈の質問があった時点で柚紀が必ず"揺らぐ"事を言実には分かっていたからだ。そして"鶴ヶ峰静樹"の存在を知る嵐山隊と太刀川の四人も、度合いは兎も角柚紀若しくは言実に変化が現れるのは察していた。………二人とも自分達以外の"家族"・"血縁者"の事を 一切口にしないからだ
そんな中、言実の肩に顔を埋めていた柚紀がゆっくりと顔を上げると、恐る恐る全員の方に顔を向ける。その表情は泣いてはいないが、凄く申し訳なさそうなものだった
『ぁ、あの………ご、…ごめん……なさい、皆さん。その…お、…お見苦しい所を…お見せして………しまって…空気………悪く…して』
「……(ナデナデ)君が謝る必要はないよ柚紀ちゃん。…誰にだって言いたくない事はあるさ、それに……言実さんの存在があったとは言え、君が一度も家族について語らなかった時点で気付くべきだった。知っていた…いや、俺は気付いていた筈だから。……君と、迅は似ている事を。だから……(ナデ)…ごめん」
『(犬飼先輩と同じ…)……嵐山さんが謝る必要も、穂刈先輩が…責任を感じる必要もない……ですからね?(ギュッ)事実、だもん。この髪が地毛でお母さんから受け継いだのも、わざと……話さなかった事も、…分かっていた、から。何時かは、…聞かれる事をそれで……皆さんに…嫌な思いをさせてしまうのも………私にだって』
‐ 話したくても話せない事が…あるから ‐
言実が柚紀を呼び寄せた時点で"かなり危うい"と察した諏訪は、堤そして嵐山に目配りして席を交換させていた。"不安のサイン"が出ているのが何よりもの証拠だ。……此処に迅が居れば彼一択だが残念ながら参加はしていない。なら適任は嵐山しか居ないと判断したのだ。そして……
「(日佐人は勿論だが、…まだ佐鳥や時枝にも"この役目"は無理だろうな。あ、"ポジション"が違うか?……とりあえず、は)……なぁつる姐、アンタってカクテル系飲めるのか?何時もならビールや日本酒、…ワインか後は?少なくともさっき頼んだ、女子らしい甘ったるいのは飲んだの見たことないぞ?」
『(ピクリ……スゥッ)』
『……こんな場で初見の酒に手を出す程、私とて馬鹿ではない。酒は一通り制覇しているが…まぁ、甘いのは進んでは飲まぬな』
「なのに頼むとかどう言う風の吹きまわ…『諏訪さん割り込み失礼します、……言実さん』…ど、どうした鶴ヶ峰お前……いや、…何でもねぇ…(あ~、…やっぱり血縁者だなこの二人は)」
『なんだ?……お前も、とりあえずアイスティーでも飲まないか?』
その場の雰囲気を変える為にと話題を切り換える事を模索した諏訪は、とりあえず"言実が注目"されて未成年には"理解できない内容"を使う事に。そして狙い通りになった…かに思えたが、まさかの柚紀が介入してきて驚いた諏訪が、彼女の表情を見て顔を引き攣らせる。それに気づかず言実は、運ばれてきたグラスを一つスライドさせ、頼んだ酒の入ったグラスに口をつけようとしたのを
‐ ガシッ!! ‐
『………何のつもりだ?…柚紀』
『言実さんがお酒がお好きなのは重々承知してますよ?ですが、……この場で何時もは手を出さない系のを飲む理由、お聞かせ願いませんか?貴女が理由もなく珍しい事をする時は大抵、後々面倒な事になるのは経験上知ってますからね私は。なので、………納得できる様な説明がない限りコレを飲ませる訳にはいきません。……万が一になった際に、後始末する私の身にもなって下さいよ?それによる周囲への被害は天災級に大変なんですから!?』
何時もなら絶対にお目にかかれない程の真剣な表情で、些か怒気や飽きれが入り交じった声音で話ながらグラスを持つ言実の手首を掴み動きを止める柚紀がそこに居たのだった
「今日の引っ越し時にラボにあった鶴ヶ峰荷物を全て運んだが……恐らくアルバムらしいのは無かった筈だ。ってか、…鶴ヶ峰は三門市に住む予定が元々無かったんだ。なら写真が無いのも無理ネェさ。それに………携帯を此処に来る前まで未所持だし、家電以外の機械には慣れていない点からしても…カメラが身近に無かった可能性だって…………………………おいつる姐、まさかだとは思うがコイツ………」
『……………………ナニを察したかは知らぬが、……確信が無ければ口にするな諏訪(ナデナデ)……お前は理解している筈だ、…不用意に疑惑を口にすれば……この子が必ず傷付く事を。それが当たっても……外れても、な(ナデナデ)…………あ、済まないがカルーアミルク一つ、それとアイスティーにオレンジジュースも追加で』
何とも言えない雰囲気の中、あらかじめ呼んでいた店員に追加で飲み物を頼んで直ぐに下がらせる。……穂刈の質問があった時点で柚紀が必ず"揺らぐ"事を言実には分かっていたからだ。そして"鶴ヶ峰静樹"の存在を知る嵐山隊と太刀川の四人も、度合いは兎も角柚紀若しくは言実に変化が現れるのは察していた。………二人とも自分達以外の"家族"・"血縁者"の事を 一切口にしないからだ
そんな中、言実の肩に顔を埋めていた柚紀がゆっくりと顔を上げると、恐る恐る全員の方に顔を向ける。その表情は泣いてはいないが、凄く申し訳なさそうなものだった
『ぁ、あの………ご、…ごめん……なさい、皆さん。その…お、…お見苦しい所を…お見せして………しまって…空気………悪く…して』
「……(ナデナデ)君が謝る必要はないよ柚紀ちゃん。…誰にだって言いたくない事はあるさ、それに……言実さんの存在があったとは言え、君が一度も家族について語らなかった時点で気付くべきだった。知っていた…いや、俺は気付いていた筈だから。……君と、迅は似ている事を。だから……(ナデ)…ごめん」
『(犬飼先輩と同じ…)……嵐山さんが謝る必要も、穂刈先輩が…責任を感じる必要もない……ですからね?(ギュッ)事実、だもん。この髪が地毛でお母さんから受け継いだのも、わざと……話さなかった事も、…分かっていた、から。何時かは、…聞かれる事をそれで……皆さんに…嫌な思いをさせてしまうのも………私にだって』
‐ 話したくても話せない事が…あるから ‐
言実が柚紀を呼び寄せた時点で"かなり危うい"と察した諏訪は、堤そして嵐山に目配りして席を交換させていた。"不安のサイン"が出ているのが何よりもの証拠だ。……此処に迅が居れば彼一択だが残念ながら参加はしていない。なら適任は嵐山しか居ないと判断したのだ。そして……
「(日佐人は勿論だが、…まだ佐鳥や時枝にも"この役目"は無理だろうな。あ、"ポジション"が違うか?……とりあえず、は)……なぁつる姐、アンタってカクテル系飲めるのか?何時もならビールや日本酒、…ワインか後は?少なくともさっき頼んだ、女子らしい甘ったるいのは飲んだの見たことないぞ?」
『(ピクリ……スゥッ)』
『……こんな場で初見の酒に手を出す程、私とて馬鹿ではない。酒は一通り制覇しているが…まぁ、甘いのは進んでは飲まぬな』
「なのに頼むとかどう言う風の吹きまわ…『諏訪さん割り込み失礼します、……言実さん』…ど、どうした鶴ヶ峰お前……いや、…何でもねぇ…(あ~、…やっぱり血縁者だなこの二人は)」
『なんだ?……お前も、とりあえずアイスティーでも飲まないか?』
その場の雰囲気を変える為にと話題を切り換える事を模索した諏訪は、とりあえず"言実が注目"されて未成年には"理解できない内容"を使う事に。そして狙い通りになった…かに思えたが、まさかの柚紀が介入してきて驚いた諏訪が、彼女の表情を見て顔を引き攣らせる。それに気づかず言実は、運ばれてきたグラスを一つスライドさせ、頼んだ酒の入ったグラスに口をつけようとしたのを
‐ ガシッ!! ‐
『………何のつもりだ?…柚紀』
『言実さんがお酒がお好きなのは重々承知してますよ?ですが、……この場で何時もは手を出さない系のを飲む理由、お聞かせ願いませんか?貴女が理由もなく珍しい事をする時は大抵、後々面倒な事になるのは経験上知ってますからね私は。なので、………納得できる様な説明がない限りコレを飲ませる訳にはいきません。……万が一になった際に、後始末する私の身にもなって下さいよ?それによる周囲への被害は天災級に大変なんですから!?』
何時もなら絶対にお目にかかれない程の真剣な表情で、些か怒気や飽きれが入り交じった声音で話ながらグラスを持つ言実の手首を掴み動きを止める柚紀がそこに居たのだった