56.宴会の曲・二番
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「「すみませんでした姐さん!!?それだけは勘弁して下さい!?アンタの言葉は洒落にならないからっ!!!?(土下座)」」
「……わぁ~、一語一句全く同じで話す早さも同じ、更に土下座のタイミングまで一緒とか…凄いのを見ちゃった」
「つまり、それだけ二人にとって言実さんを怒らせたら駄目な人で、実際に言われたお仕置き内容を実行された事があるって事かしら?……怒ったら怖いのは知っているけど、ポジション別の個人第一位の二人がこの反応って…どれだけ怖くて強いの?……言実さんは」
綺麗なまでに揃って謝罪した太刀川と当真を見て、実際に言実の恐ろしさを経験した事のないオペレーター二人は実直的な感想と意見を述べる。……それに対して経験のある男子隊員の中で言実の視野に入っている者達の反応はと言うと
「ち、違うな、やはり、直接と、電話越しは、……迫力が、段違いだ」
「……だな、流石の俺もあれだけあからさまに怒りを露にされた言実さんを見たのは、…初めてだ("俺自身"が怒られた事はほぼないが、"見る機会"は他の奴等以上にあるからな。主に当真や……彼奴のせいで)」
近くに居た荒船と穂刈がその被害に遭い、冷や汗が止まらない状況だった。二人ともどちらかと言えばポジションや性格的な理由で"間接的"な経験ばかりだが、やはり恐怖に感じてしまう様だ。……次に言実の様子を見ている側な諏訪と堤だが
「……お前等本当に馬鹿だろ?自分がやった行いが鶴ヶ峰のひいてはつる姐の"地雷を踏み抜くか"の判断もつかねぇのかよ?(フー)……因みに堤の場合は鶴ヶ峰が心配だからこその失敗で、言い換えれば"余計なお節介"だから、つる姐はコイツには怒らねぇ訳だ。ま、後は性格や今までの言動からの判断って訳だ」
「な、成る程。そう言う事でしたか、だから俺は"厳重注意"に留まっている訳ですね。あ、あれ?………何だろう?言実さんの先程の言葉に、…違和感を感じる?」
諏訪による解説を聞いて納得した筈の堤だが、思い返した際に何か突っかかりを覚え首を傾げる。それを見た笹森も同意する
「あ~、堤さんもですか?……俺も何かこう"知っている筈なのに答えが出ない"そんな感じです。…佐鳥達は、ナニか分かるか?さっきの言実さんの言動でその、何時もと違うなって感じるナニかとか」
「ん~~?…おつるちゃんが柚紀ちゃんの事に関して誰に対しても容赦ないのは、何時もの事だろ?普段と違うのは……"トリガーホルダー"を持って脅している位かな?何時もは"トリオン体"で、今みたいな"生身じゃない"からね」
「"トリガー"……"トリオン体"………あ、分かった、違和感の正体が。…戦闘員の皆さんなら一度は見てますよね?言実さんの"正隊員同様のトリガーを用いたトリオン体"の姿が通常に当たる"白衣姿のトリオン体"とは別に存在する事を」
「あ!(ポン)そうか!!……さっきの"トリオン体は"白衣姿の方"で服装を弄ったモノを使用したものかと俺も思ったが、……以前迅から言実さんの使用トリガーについて聞いた際に…【バイパーをセットしているのは正隊員用のトリオン体のみ】と話してました。そして貴女は"実行可能"な事しか口にしない、例え脅し文句でも……つまりは、今手に持たれたソレは」
「佐鳥達と同じ正隊員用のトリガーっ?!?……あれ?でもでもおつるちゃんもあるよね?"隊服に該当するちゃんとした服装"。アレと、今日の服装…違わない?服装をコロコロ変えたりなんて……おつるちゃんはしないよね?ずっと本部では白衣のトリオン体で居るぐらいだし」
笹森に訊ねられて嵐山達による三者三様の考えを聞いて、ほぼ全員の視線が言実に集まる。その視線は嫌なものではないにしろ、居心地の悪さを感じて然り気無く柚紀に視線を向ける言実。未だに辛さの余韻と戦っている柚紀に変わって熊谷がその視線に気づき反応を示す
「……引っ越し組は知りませんが、買い物組は知ってますよ?嵐山さん達が話した内容…推測の域でですが、大体の事を柚紀から聞いていますから。先生の反応からして、……本当みたいですね」
「…観念して語れよつる姐、(フー)……別に知られちゃマズイ事じゃねぇだろ?アンタが使う"トリガーやトリオン体に改造が施されている"なんて、ボーダー隊員にとっては常識の知識……だぞ?」
熊谷と諏訪による追撃を受けて、流石に自分に部が悪いと判断した言実は自らを落ち着かせる為に、新しい煙草に火を着けて軽く一服した。……在り来たりな理由でこの場を離れる事も出来たが、柚紀が気掛りなのでその手を使う気にはならなかったのだ。そして、観念したらしく重い口を開いた