「まぁ気にはなりますが、とりあえず料理はひと口餃子を二皿分で。…今日の出来事で柚紀の携帯に慣れてない事が改めて浮き彫りになったけど、……本当に機械音痴なの？…次は茜よ」
「は～い！！私はフライドポテトが食べたいです！それと先輩、……やっぱり写真駄目ですか～？？？折角お洒落したのに勿体無いですよ～？！皆さんだって似合うって言われたんですから、自信もって下さい！！ね？ね？(ﾕｻﾕｻ)」
『お、落ち着いて茜ちゃんっ！？ってか、一部質問じゃなくて願望になっている気が………あ！さ、刺身の盛り合わせで！？…当真先輩、変な事言わないで下さいよ？』
「心配スンナって(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ)ってか、最初の太刀川さんが色々悪いから……よし柚紀、あの人に今までの恨みを晴らす意味で何が難しい要求でも投げてやれ！！あ、食い物は限定メニューのゴーヤの奴で。次は、佐鳥だな」
「佐鳥がオオトリじゃないのは残念です？！で、注文は串の盛り合わせで味はタレと塩を一皿ずつで！！それと質問じゃないですが、柚紀ちゃんやおつるちゃん、皆さんに聞きたいことがありますので、それに答えてほしいかと思います？！…では、最後に堤さん！」
「最後だからってあまり期待しないでくれよ？両方在り来たりな内容だから、…料理は漬け物の盛り合わせで。…これで注文は全部ですね、お願いします」

残りも順番に発言していき、堤がメニューの注文を済ませ確認した後に店員が下がったのを確認すると、質問内容を告げるために口を開く

「後確認なんですが言実さん、……風間隊は何故参加不可になったのですか？冬島さんは仕事、出水くんと米屋くんは宿題に追われていて、国近はゲーム、東隊と那須隊二人は急すぎて都合が付かず……これらは分かりますが、風間隊は直前に急に無理と連絡があったのですよね？…理由はご存じですか？」
「あ！！だからつづみん、先に店員さんを下げさせた訳か。…荒船先輩の質問で空気が微妙な感じになったよね～」
「……配慮不足だったのは反省している、俺とした事が忘れていた。……此処の店員に俺達が"ボーダーの人間"だとはっきり伝えていない事を、…その分警戒を強める様にします」
「気を張り詰め過ぎるなよ荒船。だが、あの質問はかなりのグレーゾーンだな。…ま、広場の騒動を知った上でのあの対応や鶴ヶ峰の要望を嫌な顔せず聞き入れた辺りからして、…此処の店員の教育は行き渡っているから問題ねぇだろ。な？つる姐？」

狙ったわけではないが、比較的時間がかかる料理を多く頼んだので直ぐには店員が来ないとは思うが念のため警戒する入り口付近の二人。内容が内容だけに"壁に耳あり、障子に目あり"な訳だ。勿論、言実も気づいている

『……最悪ボーダーの名を出すしかあるまいが、可能なら避けたいな。なにせ…………っと、済まないな。……して、柚紀。答えれそうか？』
『………私への質問内容は他人に聞かれても大丈夫だとは思うよ？そこまで特別な内容じゃないから。それより……言実さんの言い欠けた言葉も気になったけど、気のせいじゃなければ……広場の時、…佐鳥くんを抜かしますが皆さん私と言実さんの名前、…呼ばないようにしていたのは偶然ですか？それとも………』

話の途中でお酒と漬け物が先ず運ばれてきて、一時中断したが、問題ないと返す柚紀だが、ふと似た感覚をあの広場で感じた気がしたので何となく口にしてみると、差はあるが何人かは反応を示した。その中でも名を伏せたのに自覚がある嵐山から答え始めた

「そうだね、少なくとも柚紀ちゃんは正式にはボーダー所属とは言い難い事になっている。勿論、俺達は君の事を大切な仲間だと思っているさ。だけど、一般人の方に"証明しろ"と言われても正直に言って無理なのが現状だ」
「鶴ヶ峰さんは現時点でトリガーホルダーを…トリオン体を持っていないからね。それ以外での証明となると………」
「！！あ、広報サイトに名前が乗るけど…確かアレって正隊員だから今の柚紀ちゃんには無理だね。……言実さん、その辺りはどうするつもりですか？少なくとも、くまの質問内容に被りますがパソコンがまともに使えない状態じゃあ、私達みたいなオペレーターも難しいですよ？」

先程の広場で分かったが、やはり柚紀が一般人の分類のままでは他の人から"やっかみ"を受けてしまう、かと言ってトリオン兵と戦わせても大丈夫かもメンバーは判断つかない状況だ。それは柚紀本人も理解しており、…それとは別に会話内容に"自ら危惧する事"が含まれる事に気づき、表情に陰りが出てしまう。それにいち早く気づいた隣に座る当真は、頭を撫でながらこう宣言した