55.宴会の曲・一番
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ボタンを押して先程の店員を呼んだ柚紀は、"ある事"をお願いし更にちょっとしたお節介ともクレームとも取れる"アドバイス"を告げる。前者の方は" 人数的にも"との事で快諾され、後者に対しても嫌な顔されず逆に「参考になります!!今後に生かさせて頂きますよ!?」と、逆に喜ばれた位だった。ついでに席決め等でも軽いひと悶着があったが、柚紀を中心に解決させたのだった
そんなこんなで、最初の飲み物とお通しが届いた所で
「よし、うんじゃあ乾杯するか~。音頭は……佐鳥、お前に任せた」
「佐鳥了解です!!皆さん、お疲れ様でーす!!この後は楽しく盛り上がりましょう!?ではでは、……柚紀ちゃんのボーダー歓迎会を祝しましてカンパ~イ!!!!」
(全)「カンパ~イ」
『うええぇぇ~~~?!!わ、私の歓迎会とか、き、き、聞いてないですよ?え?え?言実さん、そのつもりで集めたのですか???』
『いや、そのつもりは無かったが、……ふむ、考え方次第ではそれもアリだな。…お前も此方に来てからこんな大人数にて飲み食いは無かった故にな、慣れぬ事で緊張するかとは思うが普通に好きなものをゆっくり食べれば良い。時間はソコソコあるからな』
諏訪の指名で音頭を取った佐鳥の予想外なアドリブに慌てふためく柚紀だが、今回は悪いことではないので佐鳥にお咎めはナシだった。逆に言実も納得しているのを見て取れるし、他のメンバーも同意している様子なのが見て取れるので、拒否や反論は無駄だと悟った柚紀は渋々受け入れると隣に座る日浦から「先輩は何を食べたいですか~?」とメニュー表を見せてきたので、とりあえず眺める事に。そんな様子を逆隣に座る当真がニヤニヤと上機嫌な表情で見ながら話しかけた
「しっかし、本当に両成敗しちまうとはな~。流石柚紀と言えばそれだけだが…良く分かったな、荒船達が座る場所をこだわった理由が」
『ん~?……幾つかのポイントがありましたからね。今回の事なら主に三つですかね?一つ、"諏訪さん達と対峙していたメンバーの性格"、二つ"上座下座的な概念"、三つ"利き手の違い"です。因みに三つ目は荒船隊の方と、……時枝くんが該当者になりますかね?』
「それらを考慮しての席順、だからね。普段なら大体の人は気にしない事なのに……本当に細かい所まで気を使うね鶴ヶ峰さんは」
当真の言葉にメニュー表から目を離して律儀にそちらを見ながら解説を始める柚紀の、丁度視線の先に座っているのと、名前を呼ばれたので反応を示す時枝も心なしな嬉しそうだった
此処でメンバーがどの様な席順にて座っているかと言うと、通路から離れた奥側の席右端から言実・堤・太刀川・佐鳥・当真・柚紀・日浦・熊谷となっており、通路側右端つまりは言実の向かいに座る諏訪から順番に嵐山・小佐野・笹森・時枝・加賀美・穂刈・荒船となっている。これ等の席順となった理由は……
『室内にただ座るにしても、実はちょっとしたマナーと言いますか座る場所にはそれなりに意味があります。特に目上の方が居るなら、それを考慮する必要も出てきます。だから荒船先輩を始めとした"真面目な人達"は気にしてしまった訳です』
「お二人なら気にされないかも知れないけど、やっぱりモール内でお世話になった事もあったからね。それにあたしは先生と呼んでいるから尚更かしら?」
『慕っている方が年上の相手ならそう考えても仕方ないですよ、くま先輩。……次に上座下座についてですが、"先程"みたいに出入り口が一つの場合は【入り口に一番近い方が下座】、【遠い場所が上座】となります。で、解決策が……』
「"もう一ヶ所出入り口を作る"って訳になったと。それにしても鶴ヶ峰、…よく気がついたな。【この個室が元は二つに別れていた】と」
柚紀の説明の合間に熊谷と荒船が、肯定や解決策を口にするその表情は称賛の意が籠っていた。それを感じ取った柚紀はちょっと照れ臭そうにしつつ荒船の質問に答える
『……此処に辿り着くまでの道のりの途中で、室内がどうなっているかが気になって数か所空き部屋を覗き込んで、本来の部屋の大きさは把握していました。…この部屋は"横の長さが丁度二倍"になっていますから、それで"一部の仕切りは可動式"ではないかなっと。因みにその仕切りは屏風みたいな蛇腹みたいなのを使用していて、レールは天井にしかないから気づきにくいですが、…お陰で諏訪さん達がこだわる理由に辿り着けましたから、……良しとします』
「あ!!確かに当真さんと佐鳥の間に丁度いい感じにレールがある!?それ以外の判断材料として、…出入り口の配置の規則性に気付ければ…って感じかな?どう、柚紀ちゃん違うかな?」
柚紀と一緒に居た佐鳥も一緒に室内を見ており、何となくだが"レールがない可動不可な壁"に気づき、その壁側に必ず出入り口があるのを見抜いて指摘すれば、小さな笑い声と共に『佐鳥くん正解、流石だね』と素直に褒め称えた