54.下準備の曲
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その後、忙しくなってきたのか案内してくれた店員を呼びに別の人が来たのを見て、"小さな個人経営のお店っぽいから、人手が不足している"と思い二人して大丈夫と伝えて仕事に戻させた。かなり申し訳なさそうにしつつ、振ってある個室の番号を伝えて「何かありましたらボタンを押して下さい」と声を掛けて去って要ったのであった
そこから直ぐに個室の番号を見る事もなく目的地に到着した。何故かと言うと
「あれ?皆さん部屋にも入らずどうしたんですか?ってか、……何か険悪な雰囲気なのは佐鳥の気のせいですか?」
「!あ、二人も来ちゃったっ!?……もう、諏訪さんか荒船先輩かどちらか折れて下さいよ~。別に誰が何処に座ったって変わらないじゃないですか~?」
「おサノの言う通りだが、悪いがちゃんと此方に座る理由が俺達にはある。……年上の言う事を尊重しろ荒船」
「お二人が年上だからこそ、です。…何故理由を話してくれないのですか?言実さんがご自分の事を語られないのは何時もの事ですが、諏訪さんが話さないのは珍しいかと」
何やら諏訪と言実、荒船と他数人と言った感じで座る場所で揉めている様子だ。因みに他数名側には加賀美・穂刈・堤・熊谷がおり、残りは"言い争う理由が分からない"若しくは"片方・両者の言い分を理解しているが解決策が見つからない"そんな感じに別れていた。その所謂中立派に居た当真が、柚紀を見てこう切り出した
「ったく……なら柚紀に両成敗して貰うのはどうだ?それなら文句は両方とも無いだろ?………状況把握しているか?」
『まぁ、何となくですが。……皆さんが納得出来れば良いんですよね?ならとりあえず…(スッ)……個室を見ても構いませんか?今のままじゃ判断材料や情報不足です。それに……ずっとこのままではお店の方に迷惑が掛かりますから、お二方の言い分は要りません。理由なら大体察してますので』
「お、おぅ。荒船も文句はないよな?」
「……はい、鶴ヶ峰ならまぁ、…不思議と何とかしてくれそうな気が俺もします」
二人の反応など尻目に、些か怒った口調でそう断言すれば個室の入り口や奥を一瞥してから靴を脱いで中に入る。室内は和室で掘炬燵式のテーブルとなっていた。それから床・壁・天井を見れば、何か解決策が見つかったのか柚紀は一つ頷いたが少し考える素振りを見せる
一方でそれを見守るメンバーの中で、日浦がある事に気づき思わず口にする
「何か見たことあると思ったら、(パン)柚紀先輩が今やっている事がアレに似ているからだ!!えっと、…丁度今の時間帯で、着物着た人がお題に対して答える的なあの番組の!!」
「今って事は日曜日の夕方……あ~、あの長寿番組のか。…確かにそう見えなくもないが、鶴ヶ峰は観客じゃなくて先輩方や諏訪さんを納得させられるか?アレとは主旨が違う気が………それに諏訪さんと堤さんが意見別れるのも珍しいし」
先ずは"理由が分からない"筆頭の日浦の言葉に対して笹森が反応する。笹森の場合は何時もなら対立しない二人を見て些か困惑している様子だ。次に口を開いたのは"片方の言い分を理解している"小佐野だった
「まぁ荒船先輩筆頭に此方側の人は"しっかり者集団"って感じかな?なら、やっぱりと私は…思っちゃいますが、他の皆さんはどうですか?」
「ん?そうだな~…幹事は堤だけど、結局の所主催者と言うか金を払うのはつる姐だから、その意思を尊重するべきだろ?本人が言わない代わりに諏訪さんが主張している訳だし」
小佐野の言葉に反応したのは同じく"片方の言い分を理解している"太刀川だった。…理解していると言うより言実が諏訪を止めない事から、少なからず諏訪に同意している事を意味するからだ。…己の意思と違う事になりそうで、こだわりがあれば例え上層部相手でも必ず異議申し立てをするのが言実なのだから
さてさて、中立派で発言をしていないのは嵐山・当真、そして時枝と佐鳥のみとなった。佐鳥は今来たばかりなので対象除外でもあるが、……彼なら問題ないだろう
「何故そこまで座る場所に固執するか、佐鳥には分かりませんが……柚紀ちゃんに任せれば問題ないですね!!当真さんも、それが分かっていて話を振った訳ですか?」
「ま、そんな所だ?……実際、柚紀がどんな解決策を見出だすか俺には検討もつかないが、…アイツが期待を裏切った事なんて一度もねぇから大丈夫だろうさ」
所謂感覚派な二人が根拠のない自信を口にしたのを聞いて、理論派な時枝は二人に対して軽く軽蔑的な眼差しを向け、嵐山はかなり複雑な表情を浮かべていた
「そんな無責任な発言は控えて下さいよ。もし二人が期待していた通りの結果で無かったら、……彼女が傷付きますよ?…きっと」
「……充の言い分も分かるが、賢達の期待を寄せる気持ちも俺には分かるかな?…だが、きっと大丈夫だ!!柚紀ちゃんならきっと、"第三の答え"に辿り着けるさ!!?」
嵐山の言葉こそ、この場にいるメンバー全ての願いなのだ。…可能なら皆が納得出来る状況にしたい、無駄な我が儘を言っているつもりもないがコレは譲れない、……そう思っているであろうと柚紀は察し、それらを叶える為にと、……状況を打破するに必要な事と判断しテーブルに置かれている呼び出しボタンを迷うことなく押したのであった
そこから直ぐに個室の番号を見る事もなく目的地に到着した。何故かと言うと
「あれ?皆さん部屋にも入らずどうしたんですか?ってか、……何か険悪な雰囲気なのは佐鳥の気のせいですか?」
「!あ、二人も来ちゃったっ!?……もう、諏訪さんか荒船先輩かどちらか折れて下さいよ~。別に誰が何処に座ったって変わらないじゃないですか~?」
「おサノの言う通りだが、悪いがちゃんと此方に座る理由が俺達にはある。……年上の言う事を尊重しろ荒船」
「お二人が年上だからこそ、です。…何故理由を話してくれないのですか?言実さんがご自分の事を語られないのは何時もの事ですが、諏訪さんが話さないのは珍しいかと」
何やら諏訪と言実、荒船と他数人と言った感じで座る場所で揉めている様子だ。因みに他数名側には加賀美・穂刈・堤・熊谷がおり、残りは"言い争う理由が分からない"若しくは"片方・両者の言い分を理解しているが解決策が見つからない"そんな感じに別れていた。その所謂中立派に居た当真が、柚紀を見てこう切り出した
「ったく……なら柚紀に両成敗して貰うのはどうだ?それなら文句は両方とも無いだろ?………状況把握しているか?」
『まぁ、何となくですが。……皆さんが納得出来れば良いんですよね?ならとりあえず…(スッ)……個室を見ても構いませんか?今のままじゃ判断材料や情報不足です。それに……ずっとこのままではお店の方に迷惑が掛かりますから、お二方の言い分は要りません。理由なら大体察してますので』
「お、おぅ。荒船も文句はないよな?」
「……はい、鶴ヶ峰ならまぁ、…不思議と何とかしてくれそうな気が俺もします」
二人の反応など尻目に、些か怒った口調でそう断言すれば個室の入り口や奥を一瞥してから靴を脱いで中に入る。室内は和室で掘炬燵式のテーブルとなっていた。それから床・壁・天井を見れば、何か解決策が見つかったのか柚紀は一つ頷いたが少し考える素振りを見せる
一方でそれを見守るメンバーの中で、日浦がある事に気づき思わず口にする
「何か見たことあると思ったら、(パン)柚紀先輩が今やっている事がアレに似ているからだ!!えっと、…丁度今の時間帯で、着物着た人がお題に対して答える的なあの番組の!!」
「今って事は日曜日の夕方……あ~、あの長寿番組のか。…確かにそう見えなくもないが、鶴ヶ峰は観客じゃなくて先輩方や諏訪さんを納得させられるか?アレとは主旨が違う気が………それに諏訪さんと堤さんが意見別れるのも珍しいし」
先ずは"理由が分からない"筆頭の日浦の言葉に対して笹森が反応する。笹森の場合は何時もなら対立しない二人を見て些か困惑している様子だ。次に口を開いたのは"片方の言い分を理解している"小佐野だった
「まぁ荒船先輩筆頭に此方側の人は"しっかり者集団"って感じかな?なら、やっぱりと私は…思っちゃいますが、他の皆さんはどうですか?」
「ん?そうだな~…幹事は堤だけど、結局の所主催者と言うか金を払うのはつる姐だから、その意思を尊重するべきだろ?本人が言わない代わりに諏訪さんが主張している訳だし」
小佐野の言葉に反応したのは同じく"片方の言い分を理解している"太刀川だった。…理解していると言うより言実が諏訪を止めない事から、少なからず諏訪に同意している事を意味するからだ。…己の意思と違う事になりそうで、こだわりがあれば例え上層部相手でも必ず異議申し立てをするのが言実なのだから
さてさて、中立派で発言をしていないのは嵐山・当真、そして時枝と佐鳥のみとなった。佐鳥は今来たばかりなので対象除外でもあるが、……彼なら問題ないだろう
「何故そこまで座る場所に固執するか、佐鳥には分かりませんが……柚紀ちゃんに任せれば問題ないですね!!当真さんも、それが分かっていて話を振った訳ですか?」
「ま、そんな所だ?……実際、柚紀がどんな解決策を見出だすか俺には検討もつかないが、…アイツが期待を裏切った事なんて一度もねぇから大丈夫だろうさ」
所謂感覚派な二人が根拠のない自信を口にしたのを聞いて、理論派な時枝は二人に対して軽く軽蔑的な眼差しを向け、嵐山はかなり複雑な表情を浮かべていた
「そんな無責任な発言は控えて下さいよ。もし二人が期待していた通りの結果で無かったら、……彼女が傷付きますよ?…きっと」
「……充の言い分も分かるが、賢達の期待を寄せる気持ちも俺には分かるかな?…だが、きっと大丈夫だ!!柚紀ちゃんならきっと、"第三の答え"に辿り着けるさ!!?」
嵐山の言葉こそ、この場にいるメンバー全ての願いなのだ。…可能なら皆が納得出来る状況にしたい、無駄な我が儘を言っているつもりもないがコレは譲れない、……そう思っているであろうと柚紀は察し、それらを叶える為にと、……状況を打破するに必要な事と判断しテーブルに置かれている呼び出しボタンを迷うことなく押したのであった