54.下準備の曲
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『後さ、…なら"写真に撮れば良い"って考えたんだけど、……何か矛盾を感じちゃって。私が写真…苦手なのにソレを使って大丈夫なのか?って変な事を…(ギュッ)………人と建物じゃ全然違うのに、ね?』
「「!!?」」
柚紀から発せられたまさかの言葉を聞いて流石の二人も顔色が変わる。…理屈は分からなくもないが、そこまで深く考える意味があるのだろうか?と。だが、柚紀の今まで経験したであろう事を考えれば勿論だが、今の曇った表情と"例のサイン"が出ている以上、何もしない訳にも行かない……放置をしても、彼女の心の負担が無くならない所か、逆になるのは今までの体験で知っているからだ。そんな中、ふと時枝がある事に気づく
「!(…そうか、もしかすると)……ねぇ鶴ヶ峰さんって、"一人の所をいきなり写真を撮られるのが駄目"なんじゃないかな?苦手って事はつまり"キライ"じゃない訳だから、それさえ気を付ければ大丈夫な筈、…違う?」
『……!!あ、た、確かにそう…かも知れない。…今日初めてプリクラ?だっけ?写真がシールになるアレ、……あの時は全然怖くもなかった。最初はちょっとおっかなびっくりだったけど、…一人じゃなかったし後は平気だったから』
「成る程成る程~、…なら柚紀ちゃん、物は試しにって訳で早速実践してみようか!!ハイこっち(クイッ)」
『え?さ、佐鳥くんっ?!!』
時枝の推測を聞いた柚紀は、今日含めた出来事を振り返りその通りだと告げる。それを聞いた佐鳥が、即行動を起こして携帯をカメラモードにすれば、時枝からのデコピンを食らった際に離れた柚紀との距離を縮めるかの様に腰に手を回して再び自分の方に引き寄せる。先程以上の密着性の高さに流石のコレには焦りと恥ずかしさがあったのか、複雑な表情を浮かべつつうっすら顔を赤くさせる柚紀を見て更に上機嫌になった佐鳥は満面の笑顔で「撮るよ~笑ってね~」と呼び掛ける。因みにシャッター音は最小で、二秒タイマーにセットしている辺りは佐鳥らしい配慮だ。そして
‐ ………スッ…カシャリ……スッ ‐
『え?え?と、時枝くんっ?!?な、な、な何でいきな…だって……あの…その………』
「あ、落ち着いて柚紀ちゃん。大丈夫だから(ナデ)……ってか、いきなり乱入とかお前にしては珍しいね、どうしたのさ?…とっきー」
「……何かおれだけ"蚊帳の外"なのが、ちょっと…ね。………そろそろお店に入るよ、皆さんをこれ以上待たせる訳にも行かないし」
撮る瞬間に柚紀に寄り添う感じに密着し、写真が撮られたら何事も無かったかの様に元の距離に落ち着く時枝。彼の予想外な動きに先程以上に驚き、顔を赤らめてパニクる柚紀を佐鳥が頑張って諌める。そしてその原因である時枝に行動理由を訊ねるが、曖昧な回答をした後に、一人先にお店へと入ってしまう。それを止めずに黙って見送った二人は、顔を見合わせると
「(クスッ)ねぇねぇ見た柚紀ちゃん。…とっきーのあの表情をさ!?いや~、佐鳥もほぼ見ない程の限定超レアだったよ~、……あんな余裕もなく恥ずかしがっている姿とか(更にとっきー"だけ"ってのが激レアだな、…オレと一緒になら何回もあるよね~?……主に彼女関係で)」
『(クスッ)確かに時枝くんも言実さんに負けず劣らずで、あまり表情が変わらない人だから、確かに珍しかったけど……あんな姿が見れて私は嬉しいかな?佐鳥くんも私に気を使ってくれる事が増えて嬉しいよ?…有り難う(ニコッ)(……いつの間にか当たり前感覚が強くなってきたけど、感謝の気持ちや礼儀は忘れない様にしないと。何事も基本が大事だもんね。でも、……時々二人と居ると鼓動が高鳴るのは何でだろう?前には無かったのに…嫌じゃないけど、何かモヤモヤムズムズする)』
笑いながら互いに時枝を他の人より見ているからこその反応を言い合い、更に柚紀は改めて佐鳥に笑顔付きで感謝の意を伝えれば、顔が赤くなるのを自覚しそれを隠すかの様に「じ、じゃあ佐鳥達も、お店に入ろうか。とっきーの言い分も一理あるし」と柚紀の手を引き先導する形で店内に入っていくのに大人しく従うのであった
中に入れば入り口に居た店員に笑顔で出迎えられ、そのまま個室に案内される。どうやら一階は家族連れや少人数のお客様向けで、今案内されている二階は予約客や団体様向けな構造の様だ。更に手洗いは両階に設置されている事を説明してくれた店員に、柚紀は
『色々ご説明して頂いて有り難う御座います。…階段上る時も手摺りの事を言ってくれましたし、……皆さんイイ人ばかりの良いお店で良かったです。あ、あの~……このお店って写真とか…駄目です?』
「!!…(ニコッ)こちらこそ、これが自分の仕事なのですが、お客様からお礼の言葉を頂けて…嬉しいです。写真に関しましては、店内も外見も料理も撮影可ですが、他のお客様のご迷惑にはならなければ、……人としてのマナーを守って頂ければ幸いかと」
『成る程、…分かりました』
と、店員相手にも比較的落ち着いた様子でやり取りをしているのを佐鳥は黙って見守っていた。……因みに未だ手を握ったままなのはナイショで
「「!!?」」
柚紀から発せられたまさかの言葉を聞いて流石の二人も顔色が変わる。…理屈は分からなくもないが、そこまで深く考える意味があるのだろうか?と。だが、柚紀の今まで経験したであろう事を考えれば勿論だが、今の曇った表情と"例のサイン"が出ている以上、何もしない訳にも行かない……放置をしても、彼女の心の負担が無くならない所か、逆になるのは今までの体験で知っているからだ。そんな中、ふと時枝がある事に気づく
「!(…そうか、もしかすると)……ねぇ鶴ヶ峰さんって、"一人の所をいきなり写真を撮られるのが駄目"なんじゃないかな?苦手って事はつまり"キライ"じゃない訳だから、それさえ気を付ければ大丈夫な筈、…違う?」
『……!!あ、た、確かにそう…かも知れない。…今日初めてプリクラ?だっけ?写真がシールになるアレ、……あの時は全然怖くもなかった。最初はちょっとおっかなびっくりだったけど、…一人じゃなかったし後は平気だったから』
「成る程成る程~、…なら柚紀ちゃん、物は試しにって訳で早速実践してみようか!!ハイこっち(クイッ)」
『え?さ、佐鳥くんっ?!!』
時枝の推測を聞いた柚紀は、今日含めた出来事を振り返りその通りだと告げる。それを聞いた佐鳥が、即行動を起こして携帯をカメラモードにすれば、時枝からのデコピンを食らった際に離れた柚紀との距離を縮めるかの様に腰に手を回して再び自分の方に引き寄せる。先程以上の密着性の高さに流石のコレには焦りと恥ずかしさがあったのか、複雑な表情を浮かべつつうっすら顔を赤くさせる柚紀を見て更に上機嫌になった佐鳥は満面の笑顔で「撮るよ~笑ってね~」と呼び掛ける。因みにシャッター音は最小で、二秒タイマーにセットしている辺りは佐鳥らしい配慮だ。そして
‐ ………スッ…カシャリ……スッ ‐
『え?え?と、時枝くんっ?!?な、な、な何でいきな…だって……あの…その………』
「あ、落ち着いて柚紀ちゃん。大丈夫だから(ナデ)……ってか、いきなり乱入とかお前にしては珍しいね、どうしたのさ?…とっきー」
「……何かおれだけ"蚊帳の外"なのが、ちょっと…ね。………そろそろお店に入るよ、皆さんをこれ以上待たせる訳にも行かないし」
撮る瞬間に柚紀に寄り添う感じに密着し、写真が撮られたら何事も無かったかの様に元の距離に落ち着く時枝。彼の予想外な動きに先程以上に驚き、顔を赤らめてパニクる柚紀を佐鳥が頑張って諌める。そしてその原因である時枝に行動理由を訊ねるが、曖昧な回答をした後に、一人先にお店へと入ってしまう。それを止めずに黙って見送った二人は、顔を見合わせると
「(クスッ)ねぇねぇ見た柚紀ちゃん。…とっきーのあの表情をさ!?いや~、佐鳥もほぼ見ない程の限定超レアだったよ~、……あんな余裕もなく恥ずかしがっている姿とか(更にとっきー"だけ"ってのが激レアだな、…オレと一緒になら何回もあるよね~?……主に彼女関係で)」
『(クスッ)確かに時枝くんも言実さんに負けず劣らずで、あまり表情が変わらない人だから、確かに珍しかったけど……あんな姿が見れて私は嬉しいかな?佐鳥くんも私に気を使ってくれる事が増えて嬉しいよ?…有り難う(ニコッ)(……いつの間にか当たり前感覚が強くなってきたけど、感謝の気持ちや礼儀は忘れない様にしないと。何事も基本が大事だもんね。でも、……時々二人と居ると鼓動が高鳴るのは何でだろう?前には無かったのに…嫌じゃないけど、何かモヤモヤムズムズする)』
笑いながら互いに時枝を他の人より見ているからこその反応を言い合い、更に柚紀は改めて佐鳥に笑顔付きで感謝の意を伝えれば、顔が赤くなるのを自覚しそれを隠すかの様に「じ、じゃあ佐鳥達も、お店に入ろうか。とっきーの言い分も一理あるし」と柚紀の手を引き先導する形で店内に入っていくのに大人しく従うのであった
中に入れば入り口に居た店員に笑顔で出迎えられ、そのまま個室に案内される。どうやら一階は家族連れや少人数のお客様向けで、今案内されている二階は予約客や団体様向けな構造の様だ。更に手洗いは両階に設置されている事を説明してくれた店員に、柚紀は
『色々ご説明して頂いて有り難う御座います。…階段上る時も手摺りの事を言ってくれましたし、……皆さんイイ人ばかりの良いお店で良かったです。あ、あの~……このお店って写真とか…駄目です?』
「!!…(ニコッ)こちらこそ、これが自分の仕事なのですが、お客様からお礼の言葉を頂けて…嬉しいです。写真に関しましては、店内も外見も料理も撮影可ですが、他のお客様のご迷惑にはならなければ、……人としてのマナーを守って頂ければ幸いかと」
『成る程、…分かりました』
と、店員相手にも比較的落ち着いた様子でやり取りをしているのを佐鳥は黙って見守っていた。……因みに未だ手を握ったままなのはナイショで