54.下準備の曲
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‐ ガシッ!!クイッ!……スッ ‐
「っとと、…柚紀ちゃん大丈夫?ってか君が危ない所を助けたのこれで何回目だろう?」
『……アハハハ、何回目だろう?かなりの回数になるかな?…時枝くんも流石に覚えてない、よね?』
やはり最初に動いたのは佐鳥だった。鞄を持っている柚紀の手を、そのまま掴むと自分の方に引き寄せて転倒を防止し、更に二次被害にならない様にと柚紀の背に軽く手を添えてバランスを崩さない様に気を付けつつ話しかける。まるで漫画や映画のワンシーンの様な体制のまま佐鳥の言葉を聞いて何も言えない柚紀は辛笑いをしながら話題を変えようと、時枝に話を降る。すると時枝は、小さく溜め息を漏らしながらとりあえず会話に加わる
「(ハァー)……流石に数えてないよ、些細な内容も含めればかなりの数だからね。特におれは"最初から"君の手助けしている感じだし、それに対して………(ピン)佐鳥は助けた回数より迷惑かけた回数の方がまだ多いんじゃないかな?」
「痛っ!(パッ)…何でいきなりデコピンしたのさ?とっきー!そりゃあまぁ、(サスサス)……最初の頃は何時もの感覚で接していたせいで柚紀ちゃんに迷惑かけたのは事実だよ?だけど、佐鳥だって学習します!!今じゃ柚紀ちゃんのペースに合わせられますから!!」
「……まぁ大分失敗は減ったよね。でも"佐鳥らしさ"が時々なくなっているとおれは思う。…落ち着きがあるのは悪いことじゃないけどさ」
「逆にとっきーは前よりは行動する様になったよね~。…さっきのデコピンとか良い例だよ、以前は口は出しても手を出すこと少なかったし」
柚紀を挟んで何やら言い合いを始めてしまう佐鳥と時枝。互いに言っている事は柚紀本人も其々に対して感じていた事なので、否定もせずただそれを止めることなく優しい眼差しで見守っている
一方でぶつかられた言実は、未だに強打した箇所を擦りながら三人のやり取りを見ていた
『………油断していた、分かっていたつもりだがやはり…生身とトリオン体では色々差が生じるものだな。今後の課題にも繋がるが、とりあえず生身の時間が増える故に今一度注意せねば』
「まぁ慣れは怖いって奴か?慣れと言えば……柚紀も大分無防備な状態になる事が増えた気がするのは…俺だけか?別に警戒をしていない訳じゃないにしても、外だぞ此処は?…エンブレム付きの服がないのに、危なっかしいぞ?」
「言実さんに関しましては再度気を付ければ良いとして、太刀川さんが指摘された事については……人生ナニがあるかは本来なら分からないものです。ですが先程みたいなアクシデントに見舞われても、…きっと大丈夫です。今はもう彼女は………一人じゃないですから、きっと乗り越えられます。……あの二人が、…皆が居ますからね」
言実個人の見解を述べた後、太刀川が今日改めて知った柚紀の現状を垣間見て今後の心配事を口にする。それに対して嵐山が、複雑な表情を浮かべたが直ぐに前向きな発言をして三人の方を見つめる。その先にはいつの間にか野次馬に囲まれるが如く、隊員達が三人に対して各々話しかけており、三人共に差はあるが……楽しそうにしていた
さて、お店の前で騒がしければ店員が気になるのは当たり前で、様子を見に数人お店から出てきたのだ。それに対して幹事である堤が応対し先ずは遅くなった事を謝罪をすれば、逆に「駅前広場の事を聞きましたので…皆様がご無事で何よりです」と、安堵した様子だった。それから中に案内されて行くメンバーだが、柚紀は外に居る旨を保護者組に話せば了承を貰い暫くお店の外見を眺めていた。……勿論一人な訳もなく
『ほぁ~~……多分、何処にでも在り来たりなお店なんだろうけど、…居酒屋なんて初めて来たよ。所で………二人が残ったのはやっぱり、…私が心配だから?』
「当たり前でしょ?!今の柚紀ちゃんを一人にさせたら、またナニがあるか分からないもんね!でもさ、…来た事は無くても見た事位はないの?」
「それに鶴ヶ峰さんは小さい頃から人が苦手、って訳じゃないよね?なら、外食の機会だって幾らでも有りそうだけど……話せる内容なら、教えてくれない?」
当然の様に佐鳥達もその場に留まっていた。そして珍しそうに眺めている理由が知りたい佐鳥と、外食経験があまりないのが気になった時枝がそれぞれ柚紀に訊ねる。すると、少しだけ考える素振りをした後に口を開く
『……実は私、生まれ育った場所がかなりの田舎でさ…デパートとかの大型施設も近くになかったし、コンビニは……流石にあったね。兎に角昔ながらの町に長く住んでいた訳なの。まぁ居酒屋さんもあったよ?でも子どもな私が"その手のお店"がある所に行く理由が無かったから。後はそうだな……人と接する機会は確かにあったけど、田舎って若い人少ないでしょ?だから、同年代や言実さん位の年齢の人はそこまで多くなかった。…今話せるのはコレ位かな?』
柚紀が辛そうな表情等をしていないので、恐らく嘘でないと信じる佐鳥と、話してくれたが"詳細"が何ヵ所か抜けているのに気づくが指摘しない時枝。……柚紀を困らせたくないから、少しの違和感は無視しても良いだろうと自分に言い聞かせて、納得しているから恐らく問題ないだろう
「っとと、…柚紀ちゃん大丈夫?ってか君が危ない所を助けたのこれで何回目だろう?」
『……アハハハ、何回目だろう?かなりの回数になるかな?…時枝くんも流石に覚えてない、よね?』
やはり最初に動いたのは佐鳥だった。鞄を持っている柚紀の手を、そのまま掴むと自分の方に引き寄せて転倒を防止し、更に二次被害にならない様にと柚紀の背に軽く手を添えてバランスを崩さない様に気を付けつつ話しかける。まるで漫画や映画のワンシーンの様な体制のまま佐鳥の言葉を聞いて何も言えない柚紀は辛笑いをしながら話題を変えようと、時枝に話を降る。すると時枝は、小さく溜め息を漏らしながらとりあえず会話に加わる
「(ハァー)……流石に数えてないよ、些細な内容も含めればかなりの数だからね。特におれは"最初から"君の手助けしている感じだし、それに対して………(ピン)佐鳥は助けた回数より迷惑かけた回数の方がまだ多いんじゃないかな?」
「痛っ!(パッ)…何でいきなりデコピンしたのさ?とっきー!そりゃあまぁ、(サスサス)……最初の頃は何時もの感覚で接していたせいで柚紀ちゃんに迷惑かけたのは事実だよ?だけど、佐鳥だって学習します!!今じゃ柚紀ちゃんのペースに合わせられますから!!」
「……まぁ大分失敗は減ったよね。でも"佐鳥らしさ"が時々なくなっているとおれは思う。…落ち着きがあるのは悪いことじゃないけどさ」
「逆にとっきーは前よりは行動する様になったよね~。…さっきのデコピンとか良い例だよ、以前は口は出しても手を出すこと少なかったし」
柚紀を挟んで何やら言い合いを始めてしまう佐鳥と時枝。互いに言っている事は柚紀本人も其々に対して感じていた事なので、否定もせずただそれを止めることなく優しい眼差しで見守っている
一方でぶつかられた言実は、未だに強打した箇所を擦りながら三人のやり取りを見ていた
『………油断していた、分かっていたつもりだがやはり…生身とトリオン体では色々差が生じるものだな。今後の課題にも繋がるが、とりあえず生身の時間が増える故に今一度注意せねば』
「まぁ慣れは怖いって奴か?慣れと言えば……柚紀も大分無防備な状態になる事が増えた気がするのは…俺だけか?別に警戒をしていない訳じゃないにしても、外だぞ此処は?…エンブレム付きの服がないのに、危なっかしいぞ?」
「言実さんに関しましては再度気を付ければ良いとして、太刀川さんが指摘された事については……人生ナニがあるかは本来なら分からないものです。ですが先程みたいなアクシデントに見舞われても、…きっと大丈夫です。今はもう彼女は………一人じゃないですから、きっと乗り越えられます。……あの二人が、…皆が居ますからね」
言実個人の見解を述べた後、太刀川が今日改めて知った柚紀の現状を垣間見て今後の心配事を口にする。それに対して嵐山が、複雑な表情を浮かべたが直ぐに前向きな発言をして三人の方を見つめる。その先にはいつの間にか野次馬に囲まれるが如く、隊員達が三人に対して各々話しかけており、三人共に差はあるが……楽しそうにしていた
さて、お店の前で騒がしければ店員が気になるのは当たり前で、様子を見に数人お店から出てきたのだ。それに対して幹事である堤が応対し先ずは遅くなった事を謝罪をすれば、逆に「駅前広場の事を聞きましたので…皆様がご無事で何よりです」と、安堵した様子だった。それから中に案内されて行くメンバーだが、柚紀は外に居る旨を保護者組に話せば了承を貰い暫くお店の外見を眺めていた。……勿論一人な訳もなく
『ほぁ~~……多分、何処にでも在り来たりなお店なんだろうけど、…居酒屋なんて初めて来たよ。所で………二人が残ったのはやっぱり、…私が心配だから?』
「当たり前でしょ?!今の柚紀ちゃんを一人にさせたら、またナニがあるか分からないもんね!でもさ、…来た事は無くても見た事位はないの?」
「それに鶴ヶ峰さんは小さい頃から人が苦手、って訳じゃないよね?なら、外食の機会だって幾らでも有りそうだけど……話せる内容なら、教えてくれない?」
当然の様に佐鳥達もその場に留まっていた。そして珍しそうに眺めている理由が知りたい佐鳥と、外食経験があまりないのが気になった時枝がそれぞれ柚紀に訊ねる。すると、少しだけ考える素振りをした後に口を開く
『……実は私、生まれ育った場所がかなりの田舎でさ…デパートとかの大型施設も近くになかったし、コンビニは……流石にあったね。兎に角昔ながらの町に長く住んでいた訳なの。まぁ居酒屋さんもあったよ?でも子どもな私が"その手のお店"がある所に行く理由が無かったから。後はそうだな……人と接する機会は確かにあったけど、田舎って若い人少ないでしょ?だから、同年代や言実さん位の年齢の人はそこまで多くなかった。…今話せるのはコレ位かな?』
柚紀が辛そうな表情等をしていないので、恐らく嘘でないと信じる佐鳥と、話してくれたが"詳細"が何ヵ所か抜けているのに気づくが指摘しない時枝。……柚紀を困らせたくないから、少しの違和感は無視しても良いだろうと自分に言い聞かせて、納得しているから恐らく問題ないだろう