54.下準備の曲
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広場での一件が片付いたので、全員で堤が予約してくれたお店に向かう事に。どうやら居酒屋チェーン店ではないがアットホームな雰囲気で、家族連れにも人気があるらしく評判も悪くない様だ
「まぁ、良い店なんだろうな。……いきなりこの大人数の予約を受け入れた事や、アクシデントに遭遇したとは言え、予約時間に遅れても快く受け入れてくれたら点とかを考えたら……因みに堤さん、ボーダーの名は…」
「出していないけど、感付かれているかも知れないね。もしそうだとしても客のプライバシーを守らない従業員はいないと思いたいな、でないと……(チラッ)」
「「ん?…あっ!?」」
荒船が店に関する実直な感想と疑問を口にすれば、堤も返答しつつ何か不安があるのか"前方"に目を向ける。その意図をオペレーター二人が直ぐに理解した。前方にナニがあるかと言うと……
「ご飯も楽しみだけど、佐鳥はやっぱり柚紀ちゃんと買い物に行きたかったな~。当真さん達だけズルい!!」
「もう佐鳥は、……過ぎた事を何時までもグダグダ言わない。…鶴ヶ峰さんが困るだろ?」
『大丈夫だよ時枝くん、…嵐山隊の皆さんと買い物に行ってみたいなと、私も思ったりもしたし。ただ……目立ちそうだなとも流石に思ったのが素直な感想かな…うん』
「ま、嵐山達はボーダー内外問わず有名人だからな~。こう言う時は"人気者"は辛いな、色々制限が掛かるしよ~」
「俺は自分に納得した上で、ボーダー入隊は勿論ですが広報の仕事をしていますから平気です。だけど……この夏で、少し考えさせられましたね」
『(パタパタ)……何か気になる点があれば必ず相談しろ。お前は何かと頑張り過ぎる故にな、…少しは頼れ嵐山。隊員や子どもをフォローするのが私達大人の……裏方や上層部の役目だ』
「……お気遣い有り難う御座います、言実さん」
嵐山達の三人に太刀川そして、柚紀と言実が話ながら歩いているのであった。因みに先頭は年上三人で嵐山・言実・太刀川と並んでおり、その後ろを時枝・柚紀・佐鳥と中学生トリオが続いている状態だ。因みに他は少しだけ距離を取り適当に並んで歩いている状況だ。所謂野次馬的な感じで
「……目立つな、確実に、嵐山隊は、人気だからな、何処でも、更に言うなら…」
「あ~、……鶴ヶ峰もだけど言実さんも世間的には"美人なお姉さん"ですからね。…絶対に注目が集まるよ。あの扇子を使う動作一つだって……様になると言うか、絵になる的な感じで違和感がないし」
「つーか、つる姐あんな扇子持ってたか?俺は知らねぇが……若しかして今日買ったモンか?」
つまりはそう言う事である。柚紀本人は気にしており尚且つ対人関係に難有りであの容姿……等は、この数時間で全員が理解している。そして慣れているせいで、常識的で当たり前な感覚だから忘れがちなのは、嵐山隊の人気は勿論だが…言実の存在感の大きさだ。あまり外では一緒に居た事のない笹森含めたメンバーは改めてその目を引く容姿に、更に慣れている筈の当真ですら"オプション付き"には戸惑っている様子だ。そのオプション内容に反応したのは
「正解です当真先輩!!先生が使っているあの扇子ですが、何と柚紀先輩がご自分で選ばれた物です!!服のコーディネイトにも自信ないと言ってましたが、私はそうでもない気がします。…ね?くま先輩」
「そうよね、……今着ている服だってあの子の意見を参考にあたし達が見立てただけだし、薄くしている化粧も柚紀の私物を使ったに過ぎないわ。…それ以上に、あたし達のリップやチークの色はあの子に決めてもらった位ですよ?後、先生に扇子をプレゼントした理由は【先生は暑がりだから手軽に持ち運び出来て、涼を取るのに使えそうなのが良いかなと。…ずっとトリオン体なのも多分それが原因かな?】だそうです。……逆に柚紀は寒がりだから夏でもあまり薄着はしないと本人が言ってました(…それ以外にも理由があるけど、言うべきじゃないわね"アレ"は)」
と、この中で比較的事情を知る日浦と熊谷が柚紀について語る。その事に各自が反応している最中、偶然知った"ある事"が熊谷の頭の中を横切るが、…"トラウマ関係"に直結すると判断し口を閉ざす。表面に出さないようにしているので誰も気づいていないだろう…恐らくは。因みに生身の言実の服装はと言うと彼女らしいもので仕上がっている。グレーに黒字の意味不明な英文が書かれたノースリーブスTシャツに黒総レースでスリット入りのロングスカート、更に黒のピンヒールのシンプルながら大人らしいミュール、ショルダーバックはトリオン体の時から持っていたし腕時計はデザインが違うが両方で使用しており、後違うのは眼鏡以外だと耳に付けている一対のシルバーピアス位だろう
その中、……色んな意味で慣れているのとこの中で二人の鶴ヶ峰を誰よりも理解・把握している諏訪は、冷静に何時もの感覚で更に話始めた