52.工作の曲~偽りも貫けば真となる~
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少し時間を遡り、……柚紀が拒絶反応を示し言実の号令が出された直後
「(スッ)鶴ヶ峰さん、辛い状況で言うのは忍びないが……腕を出して貰えないかな?計測する必要があるから」
『(……スッ)…ご、…ごめ………たぶ…すぅ…ちが、……すごぃ…こ………な…っ』
「……大丈夫、…どの位変動があるかある程度知っておかないと、今後の判断目安に困るから調べるだけ。………君を困らせるつもりはないから(p!p!)」
直ぐに時枝が柚紀の側に近づけば、刺激を与えないように優しく慣れた手付きで腕時計の操作を始める。それを見ていた熊谷は驚いた表情で時枝と柚紀を交互に見つめた
「時枝アンタ、…何でこの時計の機能を知っているのさ?コレを知るのはごく一部の人だけの筈よ?」
「……機能の試運転時に、居合わせたからです。迅さんから【彼女が泣きそうな姿が視えたから、様子を見てきてくれ】って嵐山さんに連絡が入って。…数値変動を確認する為には、彼女に対して何か"負荷をわざと掛ける"必要がありますから。……因みにその予知には、言実さんの姿が"偶然"見えていなかったみたいです」
「……ま、アンタ達なら知っていても不思議はないわよね(その試運転に居合わせなくても、恐らく本人から聞いたでしょうからね。それだけこの子にとってこの、"二人"は…)」
数値計測の間に情報交換……元より時枝の説明を聞く熊谷は、すんなり納得した。そこまで頻繁ではないが柚紀から色んな話を聞いていても、必ずと言って良いほど時枝・佐鳥の名が柚紀の口や文章に自然と出てくるのだ。違和感無くそれも話している時は、嬉しそうで安心した表情を見せる柚紀を見ていれば心情を察する事は造作もないのだ
少し待ち計測結果を見る二人。…やはり全ての項目が普段とは違う数値となっており、特に重要なのは
「(トリオン項目で【文字が点滅している時は"トリオンが一定以上体外に漏れている"状況】だってお二人は言っていた。…つまり、今の現状がかなりの負担になっている証拠。なら)……熊谷先輩、彼女を小佐野先輩達の元へ。…おれ達の側に居たら彼女は落ち着かないし、恐らく状況が悪化する可能性があります。時折様子を見に行きますが、暫くの間……露払いを」
「…了解。少なくとも先生か諏訪さん、……ギリギリ当真さんもかしら?この三人の内誰かが側に戻るまでは、あたしが責任を持ってこの子を護るわ」
「お願いします。…おれは、おれ達は自分の役目を全うするので」
熊谷に柚紀を託し、時枝は嵐山に合流する。…女子好きな佐鳥でない自分が"偽りの任務"と言う免罪符があるとは言えど、特定の女子ばかり構うと目立つのは分かっていたからだ。……"ボーダー内"でも気にしている事だ、"外"なら尚更配慮する必要があるのだから
さて、熊谷にお姫様抱っこされた状態で小佐野達に合流した柚紀は「センパ~イ!!」と日浦の泣きそうな声と抱擁に出迎えられた。それを受け入れつつバス停に設置されている、ベンチに二人で座り他三人は立ったまま後輩二人を見守りつつ、この状況がどう言う理由でなったのかを語り出す
「ねぇ、今の現状ってさ~……柚紀ちゃんの為に言実さんが中心となって動いた結果、何だよね?一体ナニがどうなっているの?」
「言実さんは任務とか言っていたけど、違う…わよね?私達は何も知らないし。私達はただ、言実さんの伝言に従っただけ。まぁ、茜ちゃんの換装は駄目な気がして止めたけど……くまは、分かる?」
オペレーター二人の各々の考えを聞き、尚且つ今居る女子の中でなら言実を一番理解できているであろう熊谷は口を開く。…因みに本来は柚紀が言実の事を一番理解しているが、これは自他共に認める"常識的な感覚"なのでスルー
「先生があそこまで大掛かりで派手な演出した理由はただ一つ、…【柚紀がトラウマ症状を発生させていたのを周囲から隠す為】よ。多くの人目を集める事はこの子に良くないし、……ナニがトラウマなのかは分からないけど、"あの場面"は確実にこの子が嫌がる状況だった。だって…"当真さんと犬飼先輩"、この二人に見せたあの反応をしたのだから」
「「!!」」
モール内での出来事を思い出した二人は然り気無く視線を柚紀に向ける。…確かに顔色は良くないし、熊谷がわざわざ横抱きに抱えて戻ってきたのだって、下手すれば"自分で歩けない状況下"だった可能性も示している。更に熊谷は説明を続ける
「嵐山隊が来るのは、柚紀や先生と親しくしていれば何となく予想は出来る。だけど"トリオン体のまま"来たのが不味かった、…この子や本人達は気にしないけど柚紀はあの容姿だし、嵐山隊はこの街では有名人なのは常識。……人目が集まるのは必然だけど放置は良くない。…だから先生は【嵐山隊がトリオン体で居る理由・一般人であろう柚紀と接触している理由】、コレを満たす"有り得そうな嘘"を"任務"と称してでっち上げたのよ。……でも、"本当"になったみたいね。諏訪隊と先生が"本物の不審者"を追い掛けて行っちゃったし、更に先生が追い掛けた相手こそ……柚紀のトラウマ発生の根源みたい」
「(スッ)鶴ヶ峰さん、辛い状況で言うのは忍びないが……腕を出して貰えないかな?計測する必要があるから」
『(……スッ)…ご、…ごめ………たぶ…すぅ…ちが、……すごぃ…こ………な…っ』
「……大丈夫、…どの位変動があるかある程度知っておかないと、今後の判断目安に困るから調べるだけ。………君を困らせるつもりはないから(p!p!)」
直ぐに時枝が柚紀の側に近づけば、刺激を与えないように優しく慣れた手付きで腕時計の操作を始める。それを見ていた熊谷は驚いた表情で時枝と柚紀を交互に見つめた
「時枝アンタ、…何でこの時計の機能を知っているのさ?コレを知るのはごく一部の人だけの筈よ?」
「……機能の試運転時に、居合わせたからです。迅さんから【彼女が泣きそうな姿が視えたから、様子を見てきてくれ】って嵐山さんに連絡が入って。…数値変動を確認する為には、彼女に対して何か"負荷をわざと掛ける"必要がありますから。……因みにその予知には、言実さんの姿が"偶然"見えていなかったみたいです」
「……ま、アンタ達なら知っていても不思議はないわよね(その試運転に居合わせなくても、恐らく本人から聞いたでしょうからね。それだけこの子にとってこの、"二人"は…)」
数値計測の間に情報交換……元より時枝の説明を聞く熊谷は、すんなり納得した。そこまで頻繁ではないが柚紀から色んな話を聞いていても、必ずと言って良いほど時枝・佐鳥の名が柚紀の口や文章に自然と出てくるのだ。違和感無くそれも話している時は、嬉しそうで安心した表情を見せる柚紀を見ていれば心情を察する事は造作もないのだ
少し待ち計測結果を見る二人。…やはり全ての項目が普段とは違う数値となっており、特に重要なのは
「(トリオン項目で【文字が点滅している時は"トリオンが一定以上体外に漏れている"状況】だってお二人は言っていた。…つまり、今の現状がかなりの負担になっている証拠。なら)……熊谷先輩、彼女を小佐野先輩達の元へ。…おれ達の側に居たら彼女は落ち着かないし、恐らく状況が悪化する可能性があります。時折様子を見に行きますが、暫くの間……露払いを」
「…了解。少なくとも先生か諏訪さん、……ギリギリ当真さんもかしら?この三人の内誰かが側に戻るまでは、あたしが責任を持ってこの子を護るわ」
「お願いします。…おれは、おれ達は自分の役目を全うするので」
熊谷に柚紀を託し、時枝は嵐山に合流する。…女子好きな佐鳥でない自分が"偽りの任務"と言う免罪符があるとは言えど、特定の女子ばかり構うと目立つのは分かっていたからだ。……"ボーダー内"でも気にしている事だ、"外"なら尚更配慮する必要があるのだから
さて、熊谷にお姫様抱っこされた状態で小佐野達に合流した柚紀は「センパ~イ!!」と日浦の泣きそうな声と抱擁に出迎えられた。それを受け入れつつバス停に設置されている、ベンチに二人で座り他三人は立ったまま後輩二人を見守りつつ、この状況がどう言う理由でなったのかを語り出す
「ねぇ、今の現状ってさ~……柚紀ちゃんの為に言実さんが中心となって動いた結果、何だよね?一体ナニがどうなっているの?」
「言実さんは任務とか言っていたけど、違う…わよね?私達は何も知らないし。私達はただ、言実さんの伝言に従っただけ。まぁ、茜ちゃんの換装は駄目な気がして止めたけど……くまは、分かる?」
オペレーター二人の各々の考えを聞き、尚且つ今居る女子の中でなら言実を一番理解できているであろう熊谷は口を開く。…因みに本来は柚紀が言実の事を一番理解しているが、これは自他共に認める"常識的な感覚"なのでスルー
「先生があそこまで大掛かりで派手な演出した理由はただ一つ、…【柚紀がトラウマ症状を発生させていたのを周囲から隠す為】よ。多くの人目を集める事はこの子に良くないし、……ナニがトラウマなのかは分からないけど、"あの場面"は確実にこの子が嫌がる状況だった。だって…"当真さんと犬飼先輩"、この二人に見せたあの反応をしたのだから」
「「!!」」
モール内での出来事を思い出した二人は然り気無く視線を柚紀に向ける。…確かに顔色は良くないし、熊谷がわざわざ横抱きに抱えて戻ってきたのだって、下手すれば"自分で歩けない状況下"だった可能性も示している。更に熊谷は説明を続ける
「嵐山隊が来るのは、柚紀や先生と親しくしていれば何となく予想は出来る。だけど"トリオン体のまま"来たのが不味かった、…この子や本人達は気にしないけど柚紀はあの容姿だし、嵐山隊はこの街では有名人なのは常識。……人目が集まるのは必然だけど放置は良くない。…だから先生は【嵐山隊がトリオン体で居る理由・一般人であろう柚紀と接触している理由】、コレを満たす"有り得そうな嘘"を"任務"と称してでっち上げたのよ。……でも、"本当"になったみたいね。諏訪隊と先生が"本物の不審者"を追い掛けて行っちゃったし、更に先生が追い掛けた相手こそ……柚紀のトラウマ発生の根源みたい」