52.工作の曲~偽りも貫けば真となる~
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「ちょっと佐鳥、もう少し周囲の目を気にしなさいよ?……その子に嫌われたくないでしょ?」
『!!(パッ)く、くま先輩っ!?(ダキッ…ギュッ)』
「大丈夫よ、…あたしが居るから安心しなさい(ナデナデ)」
いつの間にか側に来ていた熊谷が、佐鳥に向かって苦言を告げる。その瞬間佐鳥から離れて思わず熊谷に抱き着く柚紀を優しく受入れ、女子三人を軽く睨み付ける。……今の現状では"全ての女子が好き"と豪語する佐鳥に負担になるのは柚紀でも分かるからだ。それ以外にも"色々"あるが、兎に角…佐鳥から離れたかったのだった。理由は分からないが本能的に
「悪いけど貴女達、…この子を傷つけた自覚あるかしら?確かに佐鳥や嵐山さん達もちょっとした有名人よ?だけど…一般人に女友達が居たとしても、別に不思議じゃないわ。それなのに……身勝手な嫉妬をこの子に向けないでもらえない?」
「っ!?な、なら貴女はどうなの?……その子はギリギリ佐鳥くんと同じ年に見えなくもないけど、…貴女はどう見ても年上じゃない!?」
「お、落ち着いてお姉さんっ!こちらの先輩は…「あんたは黙ってな佐鳥、…ややこしくなる」………了解です」
柚紀を慰めながら女子三人に喧嘩腰の口調で意見する熊谷。それが癇に障ったらしく、一人が反論してきたのだ。佐鳥が慌てて仲裁しようとするが、熊谷が厳しい口調と睨みで黙らせてしまう。……女の戦いに、男は乱入すべきではないのだ。キーキー文句を言う女子を尻目に溜め息を漏らせば、最後に柚紀の頭を一撫でして少しだけ離れると、おもむろにトリガーホルダーを取り出し、その場にてトリオン体に換装して見せた
「「「!!?」」」
「…あたしも佐鳥と同じボーダー隊員で、この子は共通の知り合いよ。それと、今現在"とある任務中"だから、これ以上邪魔しないで。……因みにこの子は"任務協力者"だから、変な言いがかり付けるんじゃないわよ?((とりあえず、アンタ達がトリオン体のままだから任務中って事にしたけど…問題ないわよね?))」
「そ、そうなんですよね~。…市からの依頼なんて珍しいからお姉さん達に言っていいのかが分からなくて」
「……普通に考えたら駄目に決まっているでしょ?あくまでも"任務"……"仕事"なんだから」
「あ!や、やっぱりですよね~。……(パンッ!)お願いです!!佐鳥が話したこと内緒にして下さい!!じゃないと(チラッ)…嵐山さんやとっきーに怒られちゃうからっ!?(パン)お願いですお姉様方!!?((大丈夫です!!…先輩が言った通り、【トリオン体の佐鳥達がある任務中で柚紀ちゃんはその協力者】…それがおつるちゃんに指定された"設定"です))」
熊谷は言実からの策は聞いてないが、今の現状で"有り得そうな嘘"を女子相手に付く。それに便乗して女子を納得させようとする佐鳥、互いに情報交換はしてないが共通点は"柚紀を守るための嘘"、これがあるお陰で違和感なく話を合わせられている状態だ
さて、年下の佐鳥による懸命な"お願いコール"に気を良くした三人の意識が柚紀から外れた、そのタイミングでフリーとなった時枝が柚紀の身柄を確保し少しだけ佐鳥達と距離を置く。極端に離れれば目立つのもだが、熊谷と距離を開き過ぎると少し不安定になった柚紀には良くないと考えたからだ。因みに嵐山は、やはり隊長だけあって二人よりも人気で、尚且つ人付き合いも良いのでファンの子相手に丁寧な対応をして周囲の目を引き付けている
「(ナデ)…もう大丈夫だから落ち着いて鶴ヶ峰さん。……佐鳥から任務の事は聞いた?」
『(コクン)で、でも……ちゃんと、出来る…かな?じ、……自信がちょっと…ないよっ。……時枝くん』
「(…あの女子からの"悪意ある視線を受けた"せいで、恐らく嫌な思い出が甦った?だから出会った頃の彼女に戻ってしまっている。どうすれば…どうすれば彼女を最近の調子に……)(キョロキョロ……!)(ナデナデ…ポン)何も君一人に任せるつもりはないよ?…主に諏訪さんや、荒船先輩、当真さんもかな?勿論言実さんも……皆で警戒しているから、そこまで気負う必要ない。…"ただ何時ものように周囲を観察するだけ"だから、失敗なんてしないでしょ?」
『!!……え?(キョロキョロ)…………あ!』
自信消失のネガティブモード一歩手前な状況の柚紀を何とかしようと周囲に視線を配る時枝は、ある事に気づきそれを指摘する。それを聞いた柚紀は"ボーダー隊員達"を見て気づいたのだ。……確かに全員"何かを警戒し"若しくは"何かを探している様子"が見受けられた。そして、時枝が名を上げた四人に関しては柚紀の視線にもちゃんと反応し、軽く頷いたり軽く手を振ったりと行動を示してくれた。それを見て時枝の言葉が本当だと確信した柚紀は、ゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせる
『(大丈夫。私は一人じゃない、皆がいる、……守ってくれているから…失敗を恐れず、自分の役目を全うするのみ!)(スッ)……周囲に気になる人がいないか、探してみます』
「!!…お願いします。…近くはおれ達が警戒するよ」
『分かった、なら私は…少し遠くの人ごみを中心に見てみるね。……多分、私の方が見つけれると思うから』
柚紀の纏う雰囲気が変化する。所謂"見定める"例の状態となりバレない様にと派手に立ち回らず、"然り気無く"自分の視力で見える範囲を注意深く観察を始める。その変化に一瞬だけ驚きを露にする時枝だが、直ぐに元に戻りこちらも警戒を強めた
『!!(パッ)く、くま先輩っ!?(ダキッ…ギュッ)』
「大丈夫よ、…あたしが居るから安心しなさい(ナデナデ)」
いつの間にか側に来ていた熊谷が、佐鳥に向かって苦言を告げる。その瞬間佐鳥から離れて思わず熊谷に抱き着く柚紀を優しく受入れ、女子三人を軽く睨み付ける。……今の現状では"全ての女子が好き"と豪語する佐鳥に負担になるのは柚紀でも分かるからだ。それ以外にも"色々"あるが、兎に角…佐鳥から離れたかったのだった。理由は分からないが本能的に
「悪いけど貴女達、…この子を傷つけた自覚あるかしら?確かに佐鳥や嵐山さん達もちょっとした有名人よ?だけど…一般人に女友達が居たとしても、別に不思議じゃないわ。それなのに……身勝手な嫉妬をこの子に向けないでもらえない?」
「っ!?な、なら貴女はどうなの?……その子はギリギリ佐鳥くんと同じ年に見えなくもないけど、…貴女はどう見ても年上じゃない!?」
「お、落ち着いてお姉さんっ!こちらの先輩は…「あんたは黙ってな佐鳥、…ややこしくなる」………了解です」
柚紀を慰めながら女子三人に喧嘩腰の口調で意見する熊谷。それが癇に障ったらしく、一人が反論してきたのだ。佐鳥が慌てて仲裁しようとするが、熊谷が厳しい口調と睨みで黙らせてしまう。……女の戦いに、男は乱入すべきではないのだ。キーキー文句を言う女子を尻目に溜め息を漏らせば、最後に柚紀の頭を一撫でして少しだけ離れると、おもむろにトリガーホルダーを取り出し、その場にてトリオン体に換装して見せた
「「「!!?」」」
「…あたしも佐鳥と同じボーダー隊員で、この子は共通の知り合いよ。それと、今現在"とある任務中"だから、これ以上邪魔しないで。……因みにこの子は"任務協力者"だから、変な言いがかり付けるんじゃないわよ?((とりあえず、アンタ達がトリオン体のままだから任務中って事にしたけど…問題ないわよね?))」
「そ、そうなんですよね~。…市からの依頼なんて珍しいからお姉さん達に言っていいのかが分からなくて」
「……普通に考えたら駄目に決まっているでしょ?あくまでも"任務"……"仕事"なんだから」
「あ!や、やっぱりですよね~。……(パンッ!)お願いです!!佐鳥が話したこと内緒にして下さい!!じゃないと(チラッ)…嵐山さんやとっきーに怒られちゃうからっ!?(パン)お願いですお姉様方!!?((大丈夫です!!…先輩が言った通り、【トリオン体の佐鳥達がある任務中で柚紀ちゃんはその協力者】…それがおつるちゃんに指定された"設定"です))」
熊谷は言実からの策は聞いてないが、今の現状で"有り得そうな嘘"を女子相手に付く。それに便乗して女子を納得させようとする佐鳥、互いに情報交換はしてないが共通点は"柚紀を守るための嘘"、これがあるお陰で違和感なく話を合わせられている状態だ
さて、年下の佐鳥による懸命な"お願いコール"に気を良くした三人の意識が柚紀から外れた、そのタイミングでフリーとなった時枝が柚紀の身柄を確保し少しだけ佐鳥達と距離を置く。極端に離れれば目立つのもだが、熊谷と距離を開き過ぎると少し不安定になった柚紀には良くないと考えたからだ。因みに嵐山は、やはり隊長だけあって二人よりも人気で、尚且つ人付き合いも良いのでファンの子相手に丁寧な対応をして周囲の目を引き付けている
「(ナデ)…もう大丈夫だから落ち着いて鶴ヶ峰さん。……佐鳥から任務の事は聞いた?」
『(コクン)で、でも……ちゃんと、出来る…かな?じ、……自信がちょっと…ないよっ。……時枝くん』
「(…あの女子からの"悪意ある視線を受けた"せいで、恐らく嫌な思い出が甦った?だから出会った頃の彼女に戻ってしまっている。どうすれば…どうすれば彼女を最近の調子に……)(キョロキョロ……!)(ナデナデ…ポン)何も君一人に任せるつもりはないよ?…主に諏訪さんや、荒船先輩、当真さんもかな?勿論言実さんも……皆で警戒しているから、そこまで気負う必要ない。…"ただ何時ものように周囲を観察するだけ"だから、失敗なんてしないでしょ?」
『!!……え?(キョロキョロ)…………あ!』
自信消失のネガティブモード一歩手前な状況の柚紀を何とかしようと周囲に視線を配る時枝は、ある事に気づきそれを指摘する。それを聞いた柚紀は"ボーダー隊員達"を見て気づいたのだ。……確かに全員"何かを警戒し"若しくは"何かを探している様子"が見受けられた。そして、時枝が名を上げた四人に関しては柚紀の視線にもちゃんと反応し、軽く頷いたり軽く手を振ったりと行動を示してくれた。それを見て時枝の言葉が本当だと確信した柚紀は、ゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせる
『(大丈夫。私は一人じゃない、皆がいる、……守ってくれているから…失敗を恐れず、自分の役目を全うするのみ!)(スッ)……周囲に気になる人がいないか、探してみます』
「!!…お願いします。…近くはおれ達が警戒するよ」
『分かった、なら私は…少し遠くの人ごみを中心に見てみるね。……多分、私の方が見つけれると思うから』
柚紀の纏う雰囲気が変化する。所謂"見定める"例の状態となりバレない様にと派手に立ち回らず、"然り気無く"自分の視力で見える範囲を注意深く観察を始める。その変化に一瞬だけ驚きを露にする時枝だが、直ぐに元に戻りこちらも警戒を強めた