50.身支度の曲~忍び寄る暗雲~
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『全く、…お前は子どもか?と、言いたい所ではあるが……そうやって己の考えの元に行動を自ら起こせるのは私から見ても…少し羨ましく感じたりもする。………お前はそのまま前だけを向き、己の心に従っておれば良い。…それを支えるのが出水を初めとした周囲の者の役目だ』
「それ、……俺じゃなくても同じ事言いますか?例えば…二宮とか……」
『?……何故二宮の名が出てくるかは不明だが、彼奴は心配無用だろう。自己管理はしつかりしておる故にな。………柚紀を抜かせば太刀川位だぞ?私が手を貸さねば成らぬ程の問題児はな、…忍田さんを過労死させるつもりか?それといい加減離せ、…座れぬであろうが』
言実と付き合いが浅い者には見分けづらいが、うっすらと慈悲深い眼差しで太刀川に自分の考えを話すが、自分勝手な我が儘を言っていると自覚がある太刀川は言実の方を見れず、更に一部を除き誰にでも同じ態度を取るのを知っているので、同じ位信頼関係を築いているであろう二宮を比較に出す。それに対して言実は呆れた口調で完全否定し、拘束されているのが嫌らしく解放を要求。太刀川は渋々手を離す事に
「(パッ)…………まぁ、確かに忍田さんが倒れたら一大事ですからね。…でも、つる姐は誰かに頼まれたから面倒を見る人じゃない……と、俺は思っていますが…違いますか?」
『………(ストン)…太刀川から見れば私は何でも己の好き勝手に動いている様に見えるやも知れぬが、…そうでもないぞ?大人になれば、人付き合いや仕事場での人間関係等を、嫌でもより一層気にせねばならぬ。表だってそれが見えぬだけで、それなりに苦労はしておるさ、私もな。だが、お前が言う事も強ち間違えでもない。……これでも親しくする相手に対して"順位"とはまた違うが"段階的"な線引きはしておる』
「線引き?…具体的には何が違ったりするんだ??(あ、何か普通に話せてる?…場所が違うだけで変に気負う必要もないか。ただ、……つる姐の話を聞けるだけでも十分だし)」
太刀川が手を離した後、PC操作に戻らずに買い出し前に堤が座っていた一人用の椅子に腰掛ければ、そのまま会話を継続させる。その心遣いや言実自身の話が聞けて内心嬉しく感じた太刀川も話を続ける
『そこまで特殊な行動はしておらぬぞ?そうだな、……開発部門属内の人間だと、最低限の挨拶はするが"一緒に仕事をしない"…これが一番底辺な奴に対する対応だ。後は、"携帯の連絡先を交換しない"や"仕事に関する事のみ対応する"…先程の蕎麦屋での"非番でも連絡があれば対応する"と言う感じか?ま、一部を除けば基本的にプライベートには一切関わらせない様にしておる』
「ふ~ん、……その割りには冬島さんや諏訪さんみたいにガッツリプライベートまで関わっている人も居ますよね?…その違いは?」
『…………冬島さんは些か例外だが、戦闘員達に対しては何かと対処が異なるだけだ。…私は少なくともボーダーの土台となる支えはお前達戦闘員だと考えており。そしてその大半が未成年者……ひいては私より年下の所謂"子ども達"だ。ならばその土台を安定させるのが"大人"にして"裏方"である私の役目だと自負して………なぁ、太刀川。…面白いか?私の話を聞いて』
問われたから答えては居る言実だが、よく考えれば普段は話を聞く事ばかりで、自らの考えを長々と語る事が少ない。それに語るとしてもほぼ全てが仕事関連、若者達が興味を持つ話題など持ち合わせていない言実は、嫌そうな顔をせず聞いている太刀川に思わず訊ねてしまう。それに対して
「ん?別に俺は嫌じゃないですよ?つる姐の話なんて滅多に聞けませんから。…何時も俺ばっかり話すか、数日前みたいな説教食らう的な会話ばかりですからね。……だから、つまらなくもないですし、寧ろ楽しいですよ俺は。…アンタさえ嫌じゃ無ければもっと色んな話を聞かせてよ?」
『…………………(クスッ)…物好きな奴だな、私の様な女の話を聞いても何の得にも成らぬと言うのに。でもまぁそうだな、…聞きたいのなら話してやらなくもないぞ?……酒が入ればもう少し口も気持ちも緩くなるのだが、普段はどうも…な。………聞かれなければ、自ら語らない。…昔からの長年の癖は簡単には直らぬものだ』
「っ!?じ、じゃあつる姐!!…俺の質問に答えてよ?今話題のとか、流行りの会話じゃなくてコレなら……アンタも俺も困らないだろ?」
『………答えれる範囲のもので良いなら構わぬぞ?…して、何を聞くんだ??』
「ん?ん~そうだな~…………」
何やら互いにいい雰囲気になっている太刀川と言実は、そのまま暫く他愛のない会話を続けるのであった
「それ、……俺じゃなくても同じ事言いますか?例えば…二宮とか……」
『?……何故二宮の名が出てくるかは不明だが、彼奴は心配無用だろう。自己管理はしつかりしておる故にな。………柚紀を抜かせば太刀川位だぞ?私が手を貸さねば成らぬ程の問題児はな、…忍田さんを過労死させるつもりか?それといい加減離せ、…座れぬであろうが』
言実と付き合いが浅い者には見分けづらいが、うっすらと慈悲深い眼差しで太刀川に自分の考えを話すが、自分勝手な我が儘を言っていると自覚がある太刀川は言実の方を見れず、更に一部を除き誰にでも同じ態度を取るのを知っているので、同じ位信頼関係を築いているであろう二宮を比較に出す。それに対して言実は呆れた口調で完全否定し、拘束されているのが嫌らしく解放を要求。太刀川は渋々手を離す事に
「(パッ)…………まぁ、確かに忍田さんが倒れたら一大事ですからね。…でも、つる姐は誰かに頼まれたから面倒を見る人じゃない……と、俺は思っていますが…違いますか?」
『………(ストン)…太刀川から見れば私は何でも己の好き勝手に動いている様に見えるやも知れぬが、…そうでもないぞ?大人になれば、人付き合いや仕事場での人間関係等を、嫌でもより一層気にせねばならぬ。表だってそれが見えぬだけで、それなりに苦労はしておるさ、私もな。だが、お前が言う事も強ち間違えでもない。……これでも親しくする相手に対して"順位"とはまた違うが"段階的"な線引きはしておる』
「線引き?…具体的には何が違ったりするんだ??(あ、何か普通に話せてる?…場所が違うだけで変に気負う必要もないか。ただ、……つる姐の話を聞けるだけでも十分だし)」
太刀川が手を離した後、PC操作に戻らずに買い出し前に堤が座っていた一人用の椅子に腰掛ければ、そのまま会話を継続させる。その心遣いや言実自身の話が聞けて内心嬉しく感じた太刀川も話を続ける
『そこまで特殊な行動はしておらぬぞ?そうだな、……開発部門属内の人間だと、最低限の挨拶はするが"一緒に仕事をしない"…これが一番底辺な奴に対する対応だ。後は、"携帯の連絡先を交換しない"や"仕事に関する事のみ対応する"…先程の蕎麦屋での"非番でも連絡があれば対応する"と言う感じか?ま、一部を除けば基本的にプライベートには一切関わらせない様にしておる』
「ふ~ん、……その割りには冬島さんや諏訪さんみたいにガッツリプライベートまで関わっている人も居ますよね?…その違いは?」
『…………冬島さんは些か例外だが、戦闘員達に対しては何かと対処が異なるだけだ。…私は少なくともボーダーの土台となる支えはお前達戦闘員だと考えており。そしてその大半が未成年者……ひいては私より年下の所謂"子ども達"だ。ならばその土台を安定させるのが"大人"にして"裏方"である私の役目だと自負して………なぁ、太刀川。…面白いか?私の話を聞いて』
問われたから答えては居る言実だが、よく考えれば普段は話を聞く事ばかりで、自らの考えを長々と語る事が少ない。それに語るとしてもほぼ全てが仕事関連、若者達が興味を持つ話題など持ち合わせていない言実は、嫌そうな顔をせず聞いている太刀川に思わず訊ねてしまう。それに対して
「ん?別に俺は嫌じゃないですよ?つる姐の話なんて滅多に聞けませんから。…何時も俺ばっかり話すか、数日前みたいな説教食らう的な会話ばかりですからね。……だから、つまらなくもないですし、寧ろ楽しいですよ俺は。…アンタさえ嫌じゃ無ければもっと色んな話を聞かせてよ?」
『…………………(クスッ)…物好きな奴だな、私の様な女の話を聞いても何の得にも成らぬと言うのに。でもまぁそうだな、…聞きたいのなら話してやらなくもないぞ?……酒が入ればもう少し口も気持ちも緩くなるのだが、普段はどうも…な。………聞かれなければ、自ら語らない。…昔からの長年の癖は簡単には直らぬものだ』
「っ!?じ、じゃあつる姐!!…俺の質問に答えてよ?今話題のとか、流行りの会話じゃなくてコレなら……アンタも俺も困らないだろ?」
『………答えれる範囲のもので良いなら構わぬぞ?…して、何を聞くんだ??』
「ん?ん~そうだな~…………」
何やら互いにいい雰囲気になっている太刀川と言実は、そのまま暫く他愛のない会話を続けるのであった