34.解説の曲~少女の見解原理~
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「柚紀ちゃん……本当に大丈夫?ため息出てるよ?」
『……迅さんが変な事を言わないかの心配もあるけど、言実さんも何かを勘違いしている気がしてならない。普段ならあの人に限ってないだろうけど、……"解釈次第"で面倒な事になる。昨日の実験時のアクシデントもあるし…何より私には甘いからな~』
「おれ達が知らない事が多すぎて判断出来ない。…鶴ヶ峰さん、出来れば一つ一つ説明して欲しいのだけど、無理かな?」
佐鳥の心配する表情を一瞥しながら体勢を整えた柚紀は迅が最後に言った"父親の言葉"を頭の中で今一度繰り返した。そして父親の性格からして、そしてそれを迅に伝えた事が何を意味するかを考える最中、時枝からの頼み事をされると、一瞬躊躇したが直ぐに口を開く
『話すのは良いけど、……まだ全部は難しいかな?その、ね。……さっき迅さんに対して言った事、……全部じゃないけど…二人にも同じこと言えなくも………あ~、上手く話せない。…習慣って怖いな、無意識にやっちゃう』
「……習慣って?…もしかして佐鳥やとっきーがすぐ近くに居たのに気にしていなかった…アレの事だったりするの?柚紀ちゃんが歌を歌っている時なら……分かるけど…」
『(フルフル)アレは"癖"で、好きな事に没頭する感覚に似ているけど、…習慣をより効率よくやる手段、になるかな?……私が他の人より観察力や理解力とかが優れているのは知っているよね?……あれって小さい頃からの習慣の積み重ねなの。こう遊び感覚で最初はやっていて、ん~……よくスポーツ選手とかも"小さい頃からやってました"的な事を言ってるでしょ?あの感覚。…今まで養ったコレはやっていて良かったと私自身納得出来てるよ?でも、……だからこそ分かってしまう事も沢山あって…』
柚紀が何を言いたいか、二人とも何となく理解は出来ている。……今までの経験から他人を警戒…気にするあまりに、言いたいことが言えなかったり、他人に対しても話したい事があっても…どんな反応が帰ってくるかが分からない。だから、今みたいに歯切れが悪くなるのだと
「……鶴ヶ峰さんの場合は言実さんの存在が大きいのだろうね。あの人が側に居れば自然と観察力とか身に付きそだし、……癖とか習慣って意外と一度身に付いてしまうと扱いが難しいよね。……同じ事を何度も言うけど、話しづらい事は言わなくて良いよ?…頑張っておれ達に話そうとしているのは分かるからさ」
「佐鳥だって、誰かに話したくない事の一つや二つあります!……今は無理でも何時かは話してくれる?」
『うん、…何時になるかは分からないけど、ちゃんと話すよ。……とりあえず、今話せる範囲で言わないといけないのは、…昨日の件だね。諏訪隊の人に秘密にして欲しい件も含めて話すよ』
「了解、…だけどシートに座って話そうか。今度は互いの顔が見える様にして、…長話になるなら生身の鶴ヶ峰さんは立ったままだと辛くなるかも知れないからね」
一先ず時枝の提案に従い、敷いたままのシートに座り直す三人。先程は背中合わせだったが、今度は位置関係は変えないで表情が見えるように座る。ふと柚紀はヴァイオリンケースの横に迅が持っていたあのバックがあるのに気づく、…迅は"時枝の前"を通って言実の元に行く際に、然り気無く渡されたと時枝が説明した
『ま、置いていく訳にも行かないから私が持って帰るとして、……昨日の体調変化だけど、…所謂"病は気から"って奴です。……石の件が判明したのは数日前で、それ以降隊員の人に協力してもらってサイドエフェクトの実験をしたのが昨日が初めてで諏訪隊の方達が協力してくれたの。……何度も協力して頂いていたから、緊張はしなかったよ?……でも、…歌の間奏途中で不意に癖で握り締めて居た石の秘密が頭を横切った。…例え諏訪さんが相手でも石の秘密を話すわけには行かない、……そう考えている間に間奏が終わって私は続きを歌い始めた。…でも不安がある状態じゃあトリオン操作が覚束なくなり、……それでも歌い続けた結果、強い貧血症状を引き起こした訳』
「な、長くて佐鳥の理解力が追い付かない。……でも一つ気になったんだけど、その…元から"女の子の日"な状態で精神負荷が原因で貧血症状を引き起こした、で大丈夫?」
昨日の症状発症原因を一から説明する柚紀だが、佐鳥は半分位しか理解できていない中で"体調の前提状態"を確認した。間違えでないと小さく頷いて更に話を続ける
『……倒れる程まで症状が強く出ることは流石に無かった。…時折重度の症状が出ても"腹部の傷み"で貧血行為は無いに等しかったから、咄嗟の反応も出来なかったの。ただ倒れかけた時に腹部にも強い傷みがあったから、それも立てなくなった原因でもあるかな?』
「だから"病は気から"って訳か、……おれの推測が当たったみたいだね。…鶴ヶ峰さんは"生身でトリオン操作が出来る特殊な体質"、だから三つの内一つでもバランスを崩せば必ず何処かに影響が出る。……でも、それじゃあ…」
『だからと言って"何もしない"って言う選択肢は私にはないよ?…大丈夫、諏訪さんには話せないけど……二人には話せたから。少なくともそれだけで心持ちは楽になれる、…歌が好きなのも、それを用いてサイドエフェクトを使うことも、……全員にはまだ無理だけど役に立ちたいと願うのも、全て私の正直な気持ちで…自分で決めた事。一度決めたら例え辛くなっても貫き通す……それが私だから』
「「………っ」」
柚紀の危うさを感じ取り、知った二人が不安そうに見つめてきたのを気づいた柚紀は、一瞬だけ辛そうな表情を浮かべたが直ぐにうっすら笑みを浮かべながら自分が決めた事を自分の気持ちをハッキリと宣言する。……今まで見たことのない一面に遭遇した二人は思わず、…見惚れてしまい言葉が出なかったのだった
『……迅さんが変な事を言わないかの心配もあるけど、言実さんも何かを勘違いしている気がしてならない。普段ならあの人に限ってないだろうけど、……"解釈次第"で面倒な事になる。昨日の実験時のアクシデントもあるし…何より私には甘いからな~』
「おれ達が知らない事が多すぎて判断出来ない。…鶴ヶ峰さん、出来れば一つ一つ説明して欲しいのだけど、無理かな?」
佐鳥の心配する表情を一瞥しながら体勢を整えた柚紀は迅が最後に言った"父親の言葉"を頭の中で今一度繰り返した。そして父親の性格からして、そしてそれを迅に伝えた事が何を意味するかを考える最中、時枝からの頼み事をされると、一瞬躊躇したが直ぐに口を開く
『話すのは良いけど、……まだ全部は難しいかな?その、ね。……さっき迅さんに対して言った事、……全部じゃないけど…二人にも同じこと言えなくも………あ~、上手く話せない。…習慣って怖いな、無意識にやっちゃう』
「……習慣って?…もしかして佐鳥やとっきーがすぐ近くに居たのに気にしていなかった…アレの事だったりするの?柚紀ちゃんが歌を歌っている時なら……分かるけど…」
『(フルフル)アレは"癖"で、好きな事に没頭する感覚に似ているけど、…習慣をより効率よくやる手段、になるかな?……私が他の人より観察力や理解力とかが優れているのは知っているよね?……あれって小さい頃からの習慣の積み重ねなの。こう遊び感覚で最初はやっていて、ん~……よくスポーツ選手とかも"小さい頃からやってました"的な事を言ってるでしょ?あの感覚。…今まで養ったコレはやっていて良かったと私自身納得出来てるよ?でも、……だからこそ分かってしまう事も沢山あって…』
柚紀が何を言いたいか、二人とも何となく理解は出来ている。……今までの経験から他人を警戒…気にするあまりに、言いたいことが言えなかったり、他人に対しても話したい事があっても…どんな反応が帰ってくるかが分からない。だから、今みたいに歯切れが悪くなるのだと
「……鶴ヶ峰さんの場合は言実さんの存在が大きいのだろうね。あの人が側に居れば自然と観察力とか身に付きそだし、……癖とか習慣って意外と一度身に付いてしまうと扱いが難しいよね。……同じ事を何度も言うけど、話しづらい事は言わなくて良いよ?…頑張っておれ達に話そうとしているのは分かるからさ」
「佐鳥だって、誰かに話したくない事の一つや二つあります!……今は無理でも何時かは話してくれる?」
『うん、…何時になるかは分からないけど、ちゃんと話すよ。……とりあえず、今話せる範囲で言わないといけないのは、…昨日の件だね。諏訪隊の人に秘密にして欲しい件も含めて話すよ』
「了解、…だけどシートに座って話そうか。今度は互いの顔が見える様にして、…長話になるなら生身の鶴ヶ峰さんは立ったままだと辛くなるかも知れないからね」
一先ず時枝の提案に従い、敷いたままのシートに座り直す三人。先程は背中合わせだったが、今度は位置関係は変えないで表情が見えるように座る。ふと柚紀はヴァイオリンケースの横に迅が持っていたあのバックがあるのに気づく、…迅は"時枝の前"を通って言実の元に行く際に、然り気無く渡されたと時枝が説明した
『ま、置いていく訳にも行かないから私が持って帰るとして、……昨日の体調変化だけど、…所謂"病は気から"って奴です。……石の件が判明したのは数日前で、それ以降隊員の人に協力してもらってサイドエフェクトの実験をしたのが昨日が初めてで諏訪隊の方達が協力してくれたの。……何度も協力して頂いていたから、緊張はしなかったよ?……でも、…歌の間奏途中で不意に癖で握り締めて居た石の秘密が頭を横切った。…例え諏訪さんが相手でも石の秘密を話すわけには行かない、……そう考えている間に間奏が終わって私は続きを歌い始めた。…でも不安がある状態じゃあトリオン操作が覚束なくなり、……それでも歌い続けた結果、強い貧血症状を引き起こした訳』
「な、長くて佐鳥の理解力が追い付かない。……でも一つ気になったんだけど、その…元から"女の子の日"な状態で精神負荷が原因で貧血症状を引き起こした、で大丈夫?」
昨日の症状発症原因を一から説明する柚紀だが、佐鳥は半分位しか理解できていない中で"体調の前提状態"を確認した。間違えでないと小さく頷いて更に話を続ける
『……倒れる程まで症状が強く出ることは流石に無かった。…時折重度の症状が出ても"腹部の傷み"で貧血行為は無いに等しかったから、咄嗟の反応も出来なかったの。ただ倒れかけた時に腹部にも強い傷みがあったから、それも立てなくなった原因でもあるかな?』
「だから"病は気から"って訳か、……おれの推測が当たったみたいだね。…鶴ヶ峰さんは"生身でトリオン操作が出来る特殊な体質"、だから三つの内一つでもバランスを崩せば必ず何処かに影響が出る。……でも、それじゃあ…」
『だからと言って"何もしない"って言う選択肢は私にはないよ?…大丈夫、諏訪さんには話せないけど……二人には話せたから。少なくともそれだけで心持ちは楽になれる、…歌が好きなのも、それを用いてサイドエフェクトを使うことも、……全員にはまだ無理だけど役に立ちたいと願うのも、全て私の正直な気持ちで…自分で決めた事。一度決めたら例え辛くなっても貫き通す……それが私だから』
「「………っ」」
柚紀の危うさを感じ取り、知った二人が不安そうに見つめてきたのを気づいた柚紀は、一瞬だけ辛そうな表情を浮かべたが直ぐにうっすら笑みを浮かべながら自分が決めた事を自分の気持ちをハッキリと宣言する。……今まで見たことのない一面に遭遇した二人は思わず、…見惚れてしまい言葉が出なかったのだった