34.解説の曲~少女の見解原理~
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「((……迅さんが何を言いたいかをおれは何とか理解出来そうですが、…"佐鳥が居る"のに改めて見る必要ありますか?))」
「((それも必要な事だけど、未来が複数あるように"物事の答えは一つじゃない"。…だからこそ見て損はない筈だ。但し"自分が求める立ち位置"と"俺の立ち位置"が違う事は忘れるなよ?))」
「((う~……オレには理解出来ませんが、とりあえず迅さん達の会話を黙って聞いてます!!…柚紀ちゃんの顔が見えないのが辛いけど……見たら駄目な気がするから、我慢します))」
「((……おれも見えない位置に座っているから、不公平じゃないよ佐鳥。…これで彼女の事が分かるなら協力します、迅さん))」
「((悪いな二人とも、それと時枝。あくまでも"参考程度"に考えろよ?……お前みたいな奴が"解釈を間違える"のが"一番厄介"だ。後、俺が推測する根拠には"鶴ヶ峰家の人達との交流経験"もある。……柚紀ちゃんが"該当する事とは限らない"、良いね?))」
「((?……分かりました))」
内部通信で話を付けた迅は小さく安堵の息を漏らした。"予防線"は張ったから"最悪の事態"にはならない……筈だが、どう感じ取るかは二人次第だ
「(……最初は"柚紀ちゃん個人のみ"かと思ったが、…"彼女が関係する事全て"みたいだな。……理由は恐らく)『あ、あの…迅さん?』おっとすまない、考え事をしていた。…もう話しても大丈夫そうだね(ナデナデ…ポン)」
佐鳥達と内部通信で話をしていて、それなりに時間が経過していた為、落ち着きを取り戻した柚紀が何も語らない迅に対して不安そうに声を掛けた。それを聞いて苦笑いを浮かべて謝罪後、喉の調子が戻った事に安堵した事を伝える迅。ちょっとだけ複雑そうな表情を浮かべたまま、とりあえず柚紀は話しかける
『えっと、なんの用事なのかも気になるけど……どうして迅さんは私が喉痛めているのを知っていたの?だって…サイドエフェクトじゃあ』
「確かにあくまでも未来が視えるだけで声は聞こえない、…だけど君が"泣きながら何かを話している姿"は視えた。柚紀ちゃんの性格から考えてもよっぽどの事がなければあの姿は視えない筈だ、……つまり声もかなり出していると俺は考えた訳。後は俺が来た時に"挨拶をしなかった事"、何時も誰かに会えば必ず柚紀ちゃんは挨拶をするのにしなかった。"忘れた"はない筈だ……礼儀正しい子なのを俺は知っているからね("一つの質問に対して必ず複数の可能性を考える"から解答する際も出来れば複数返した方が、納得する)」
「(……迅さんは"本音と建前"と言うか"否定と肯定"をセットにして必ず話している。…片方だけでは鶴ヶ峰さんに、"嘘や否定、言い訳をさせてしまう為"…かな?)」
時枝は迅の会話の流れを聞いて感じた事を元に推測を立てる。実際柚紀は未だに過小評価する傾向があるし、先程みたいに自らを蔑ろにする事もある。…自傷行為は一種の精神安定剤かも知れないが、それを時枝は聞きたくないと思っているから
さて、わざわざ喉を気遣い用意してくれたお茶は口にあった事もあり、とりあえず納得した柚紀は、この水筒が出てきたバックに目が行く。…明らかに"女子向け"のデザインなのが気になる様子だ
『所で、そのバック…なんでそんなのを持ってきたのですか?貴方らしくないですよ、それに飲み物以外にもマットまで、……こんな人目の無い所で休む理由、ありますか?』
「ん?…勿論柚紀ちゃんの為だよ?だってそのケースの中身は分からないけど多分楽器だよね?さっき倒れかけた時無意識に庇おうとしていたでしょ?それだけ大事な物なのは分かるけど、柚紀ちゃんは好きなのが歌位しか知らないけどどうかな?他にもあると思うけど、…誰かと会うきっかけの出来事って一番印象深いでしょ?他人に強い印象を残すってことは、それだけ本人も熱中している証じゃないかな?でも熱すぎると良くないから適度に冷やさないと?何事も………ね?その為のセットがコレ(質問によっては"決めつけは良くない"判断は相手に委ねる必要がある。……特に彼女の場合は…)」
「(ん~……柚紀ちゃんにしては皮肉めいた口調だけど、…多分罪悪感が原因だろうな~。…何だっけ?"愛情の裏返し"的な?)」
佐鳥は柚紀の方に違和感を覚えたが、気持ちを隠す為にわざとではないかと考えた。大分頼りにされては来たが、やはり気持ちを隠したり一人で抱え込むのが抜けないのだ。…出来ることならずっと笑顔でいて欲しいと、佐鳥は願っているから
迅は時枝・佐鳥が何やら各自掴んでいるのを確認し、更に……柚紀の表情が変化しているのを見て罪悪感を流石に抱いてしまう。例え必要だと分かっていても…
「(二人に分かって貰わないといけない、どうすれば彼女に取って"最善"な未来に繋がるかを)……辛そうな顔をしてるよ?(ナデナデ)大丈夫、じゃないよね?…俺を心配しているの?」
「「『!?!』」」
見えない二人に分かるようにわざと指摘する迅に、泣きそうな表情を浮かべながら柚紀は素直に気持ちを打ち明ける。……迅は言実と同じだと、…大丈夫だと分かっているから。だから柚紀は、周囲を警戒せず自らを偽る事をぼぼしない自然体のまま……"普通の女の子"の様に振る舞えるのだ