50.身支度の曲~忍び寄る暗雲~
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「ん?……鶴ヶ峰の頼みは分かるぞ、今食材関係一切ねぇからな。で、………つる姐の"まだ時間がある"だが、…この後何をするつもりだ?」
『……そう言えば諏訪にはきちんと話をしておらんかったな。…お前達には今日を含めて色々世話になっているからな、晩御飯を皆で食べに行こうかと思っておる。………勿論、金は私が出す。年長者故にその位はせねばな、……柚紀も問題無かろう?』
『えっ?……まぁ、そうですね。…言実さんも諏訪さんも居るし、このメンバーなら大丈夫です。……でも、お店は?後、茜ちゃん達に何をお願いしたのですか?』
全員二人の言い分に異義を申し立てはしないが、言実の意図が分からない諏訪が一人口を開く。それに対して解答した言実は念のため柚紀にも同意を求め、こちらは全員友好な関係な相手ばかりなのですんなり了承した。だが、気になる事もあった柚紀はそれを言実に確認する
『店は堤に頼んで探してもらい予約済みだ、今から大体一時間後には出発する。二人に頼んだのは、……まぁ百聞は一見に如かずだ、…頼んだぞ二人とも』
「了解です先生!!…さぁ柚紀先輩、私達と一緒に部屋に行きましょう!!!荷物はもう置いてますから!?」
『え?茜ちゃん?!あの、くま先輩何を…「大丈夫、怖がる必要はないわよ。あたし達に任せておきなさい」…だから、何をするつもりか教えて下さいよ~。……あ、堤さんコレ!!ざっくりとですが買いたいもの書いてますので?!ただ、お米や調味料はあまり多くないモノで、お金の封筒はリュックに入ってますから~~!!』
‐ バタン ‐
十分な説明もないまま二人に連行されて行く柚紀だが、通り道に居た堤にメモを渡したり、注意点やお金関係をきちんと告げる辺りは流石である。因みに柚紀の私室はリビングに繋がっているドア先の部屋で、必ずリビングを経由しないと行けない様にしている。なので、リビングにさえ居れば柚紀に会うのは容易で、……言実に内緒で行動するのが難しくなるのだ
学校が始まれば生活リズムが違う柚紀と言実が一日合わない日が出るかも知れないのだ、……それでは互いの変化に気付けない。特に柚紀の変化を見逃せば大変な事になるので、短時間でも簡単に接する事が出来る場所や空間が必要なのだ。逆に言実の私室が玄関から直ぐな理由は、夜遅くに帰ってきた際に柚紀を起こさない様に配慮した結果だ。……それはさておき、部屋から賑やかな声が聞こえる中、堤が柚紀頼まれた買い出しの為にメモを見ながら諏訪の側に移動する
「鶴ヶ峰は"ざっくりと"と言ってましたが、食料品以外にもかなり書き込まれてますね。…車がありますしコレらも俺達で買いますか?諏訪さん」
「………いや、あくまでも鶴ヶ峰が頼んだもんだけで良いだろう。女子は色々こだわるからな、洗剤一つとってもやっぱり実際に使う奴が選ぶべきだ。……そんじゃあつる姐、俺らは買い出しに行ってくるが、何か欲しいもんあるか?」
『…………酒を適当に買ってきてくれ、何でも構わん』
「へいへい、……あんた本当に酒が好きだよな。何でも飲むし、かなり飲むわりには酔い潰れる事も滅多にない、…アンタのペースに合わせて飲めば此方が潰れるから止めとけって、おっさん達から忠告受ける位だぞ?全く。………そう言う訳だから太刀川、留守番頼むぞ?」
「あ、あぁ。…………って、二人ともちょっと待ってくれっ!!…俺一人だけ留守番なのかよ?!?」
リュックから封筒を取り出した諏訪が中身を確認しながら、言実にもリクエストを聞く。PCで作業をしながら当然と言った口調で頼み事をし、内容を聞いた諏訪は予想通りの品で驚きはしなかった。だが、その品…お酒に関する武勇伝的なのを知っており、尚且つその凄さの餌食になった者の経験談を話す諏訪の表情はうんざりしていた。…でも断らない辺りが諏訪らしいとも言える。言実は作業中なので、一人残される太刀川に一言告げて出ようとした諏訪達だったが……この状況がどんな事が理解した太刀川が慌てて止めに入る