49.新居の曲
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あの後犬飼は防衛任務の時間が迫ってきたので会議室にて別れ、残り九人で買い物をする事になった。…買い物と言っても服はもう要らないのでちょっとした雑貨や本、一応学生らしくとの事でゲーセンで遊んだりもした。何もかも初体験な柚紀は、たまに戸惑いながらも皆に助けられながら色々楽しんでいた。プリクラやクレーン、そして国近に勝つ程のリズムゲームの腕前を披露してハイスコアを叩き出したりしていた。……時折、何故か笹森と二人っきりにさせられたりもしたが、それでも柚紀は十分に満喫していた
楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、言実から"新居の片付けが終わりそうだから、そろそろ帰ってこい"との連絡が入ったので解散する事になった。最寄りのバス停付近で会話をしながらバスが来るまで時間を潰しているが、一部の者は柚紀と別れるのが名残惜しい様子だ
「あ~~、二人が羨ましいよ全く。…諏訪さんとつづみんが居るなら私だって柚紀ちゃん達が住むマンション行ったっていいじゃんか~。…ねぇ日佐人もそう思うでしょう?」
「エェェッ!!あ、いや、…知りたくないと言えば、………嘘になるけど……駄目、なんだよな?」
『…うん、……あまり知られない方が良いって言実さんが言うから…ごめんね』
防犯理由等があり、新居のマンションはボーダー隊員でもごく一部の人にしか教えない事にしている。言実も知られればラボの様に夜だろうとこちらの都合はお構い無しで、仕事場の人間が押し掛けられる事を懸念しているのだ。……一般人も普通に暮らしているマンションなので、それは宜しくないのだ
「(ポン)笹森、落ち込むな、違うだろ?これが最後では、会える、また、それに、あるだろ、携帯が」
「確かに学校が始まれば、夏休み程頻繁には会えないだろうな。高校とは違って住む場所で通う中学は変わる。……鶴ヶ峰が通うのは普通の市立だろ?」
『(コクコク)私立や進学校も選択肢にありましたが、……お金掛けてまで行く理由がありませんから。私は学力的には行けたらしいですが…』
「へぇ~、つまり柚紀ちゃんは成績優秀なんだね。此処の進学校もそれなりの学力が要求されるらしいから凄いね!」
諏訪隊と荒船隊のメンバーとそんな感じで話していると、「柚紀、バスが来たわよ」と熊谷に声を掛けられたので乗車の為に二人に合流する。熊谷達と話していた当真が柚紀が側に来ると、恒例行事となっている頭を撫でるのだ
「(ワシャワシャ)そんじゃあな柚紀、くま達が一緒だからって油断するなよ?(ワシャワシャ)まだまだ見知らぬ土地だから迷子になるぞ~?モール内やボーダー基地内でもそうだったろお前は(ワシャワシャ…ポン)」
『…………分かってますよそれ位の事は、…当真先輩こそ学校の課題終わってますか?直ぐに新学期始まりますよ?……幾ら私でも、高校の勉強は教えれませんからね?…多分。後、もしサボったら言実さんに密告しますよ?』
「や、止めろっ!!折角忘れていた事を思い出させやがって~~!!後……………(パン)頼むから、姐さんには黙っててくれっ?!あの人、大学生には甘いのに中学と高校の隊員には"学業優先"とか言って成績には厳しいんだよ~!!?」
そんな当真の嘆きの声を聞き、皆が笑っている所にバスが到着し三人は乗り込んで行く。最後に乗る柚紀は、後ろを振り返り見送るメンバーに笑顔でこう告げた
『今日は色々有り難う御座いました、特に荒船隊の方々には初対面なのにご迷惑をお掛けしてすみません。……本部で会ったら声を掛けて頂けたら嬉しいです。では、お先に失礼します。…………またね、笹森くん(ヒラヒラ)』
「!!?……あ、あぁ…またな、鶴ヶ峰(ヒラ…ヒラ)」
まさか柚紀から名出しで声を掛けられ+手を降られるとは思っていなかった笹森は、驚きで反応が鈍かったが何とか返事と手を振り返し、ドアが閉じてバスが発車してある程度遠くに行くまでそのまま全員が見送っていた