46.交流の曲・二番
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言実達は部屋にあった家具類をリサイクルショップに引き取ってもらい、幾つかの段ボールは引越し業者に新しいマンションに運んでもらう為に預ける等をした後、こちらも昼食を取る事にした。引越し業者には先にマンションに到着時刻を告げると同時に『此方の都合で申し訳ない、コレで貴方達もきちんと昼食を食べてくれ』と、チップとは別に食事代も言実は渡していた。一般的な人からすると、美人に該当する言実からの心遣いに業者達は鼻の下を伸ばしかけたが、……側に太刀川を始め野郎が居るのを認識すれば、変な気を起こす事はなかった
部屋の中が空っぽになったので、最後に掃除をしようとしたが業者の方から「ご依頼主様から掃除も頼まれましたので、気にしないでください」と言われたので素直に従い部屋を後にすれば、諏訪の車に乗って移動。…着いた先は蕎麦屋だった
「あの、つる姐。…何故蕎麦何ですか?」
『ん?お前等が特に食べたいのがないと言うから私が気分で決めたが?……先に断っておくが、"引越し蕎麦"の事は関係ないぞ?あれは今と昔では意味合いが違う故にな』
「まぁ良いじゃないですか。言実さんに奢って頂くのですから、意見を尊重しても」
「兎に角入るぞ。……すんません、四人大丈夫ですか?」
そこまで混んでいなかったので、すんなり店内に入り、注文を済ませて待っている間、相変わらず言実と諏訪はモールにいる隊員と連絡を取り合いしている。そんな二人に口を出さずに見てるだけの二人だったが、ふと堤がある事を思い出す
「所で言実さん、諏訪さんの言葉が本当ならあの業者さんも誰かに手配して貰ったのですか?」
『そうだ、やはり慣れない事をするのは難しいな。…頭では何をするか分かっていても、いざ実行しようとすれば何から手を出せば良いか分からなくなる。……そんな時に、ちょっとしたきっかけで"奴"と接触する機会があってな、…物は試しに頼んだら快く了承してくれた。……近いうちに礼をしなくてはな』
「ふ~ん、……誰なんですかソイツ。ボーダー隊員…ですよね?」
言実に頼られた誰かが羨ましい太刀川が、不貞腐れた雰囲気を全開にしそのまま相手を特定しようとする。それを堤は苦笑いしているが自分も気になるので止める気はなく、諏訪は真剣に文章を打ち込みしていて話を聞いていない様子。…言実はと言うと、太刀川を一瞥して特に嫌そうな表情もせず、簡単に答えた
「来馬…と言ってお前達は…分かるか。確かアイツと同じ歳だろ?最近開設した鈴鳴支部の人間だが……」
「「えっ??あ、あの来馬(ぁ!?/くんっ?!?)」」
「ん?来馬と言えば確か、鈴鳴支部のビル一つボーダーに寄越してくれたって言う良い所の坊っちゃんで、アイツ自身もボーダーに所属してたよな?……ソイツがどうした?」
携帯を仕舞い聞こえてきた人名に関する事を話す諏訪に、こちらは一度携帯から手を離してテーブルに置き言実が理由を語る。…再び二人は蚊帳の外状態に
『お前が言った内容だ、…私に手を貸してくれたのが来馬だと答えたに過ぎん。だが諏訪、お前は何故………、アイツ経由か?』
「ご名答。俺もそれなりの情報を知る術があるんでね、…つる姐が隠す気ねぇならある程度は知れるって訳だ。別に知られたくない様な事じゃないだろ?コレ」
『まぁ、知られた所で何も問題ないな(~♪♪)ん?……悪いが少し席を外す、仕事の電話だ。先に食べていて構わん。…………………(p!)……全く、今日は非番だと言うのに……一体、何の用だ?…(スタスタ…)』
また二人のトークが続くかと思った矢先、言実から携帯から着信メロディが流れてきた。今まで隊員からの時はバイブ音のみのお知らせ時とは違い、一瞬躊躇ったが表示された番号を見て仕方ないといった雰囲気で対応する言実。…盗聴防止の為、諏訪達に一言断ってから席を離れていく。そんな言実と入れ違いに注文の品が届くと
「休みなんだから無視すりゃ良いのに……つる姐も大概甘い所があるよなー、まぁそれでも"線引き"が一応出来てるってのが、あの人らしいけど……おい、なに呆然としてる?食べ……「「ち、ちょっと待ったぁー!!?」」…ったく、だから何だよ?!」
何事もなかったかの様に食べようとする諏訪を、二人が止めたのだった