45.交流の曲・一番
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「……小佐野、それと当真。お前等、アレはわざとだろ?何であんな事した?」
客が沢山居る表に出るより、人が比較的少ないバックヤードから最寄りの従業員出入り口まで移動した方が断然楽なので、近くに待機していた警備の人に道のりを聞いて移動中、荒船がそう切り出した。それに対して隠すつもりもない小佐野は素直にこう返す
「アレは私の意思ではありませんよ荒船先輩、……柚紀ちゃんに頼まれただけです、"あの話し合いを止めて欲しい"って。因みに話内容はこちらには一切聞こえていませんから、私も理由は分かりませんが…」
「えっ!!…じゃあ何で柚紀ちゃんは、わざわざ瑠衣にお願いしてまで話を中断させたの?聞こえていたならまだ分かるけど」
「そんな事が出来たら、超能力…サイドエフェクト持ちみたいな子だね~姪っ子ちゃん。……有り得ないだろうけど」
「(ギクリ!)」
「………」
各々が反応する中で犬飼が偶然漏らした"重要キーワード"に小佐野が無意識に反応したのを、荒船が目敏く気付き目を細める。それを見た当真が小さくため息をついて、疑問に対しての答えを口にする
「(こりゃバレたな…)そんな難しい理由じゃないぜ、単に"くまの表情が辛そうに見えたから"……この程度の事だろうな。…柚紀が話を止めた理由はな」
「……そんな単純な理由で?いや、別に当真さんを疑う訳じゃないですよ?ただ、…柚紀ちゃんて"色々考えて居る印象"がありますから、私には」
「そうかしら?私には瑠衣みたいに"勢いで行動をしちゃう子"ってイメージの方が強いわよ。数時間しか一緒に居ないから説得力ないかも知れないけど」
オペレーター職を担う二人の意見が別れてしまい、互いに首を傾げており、荒船・犬飼も口には出さないが同じ様に柚紀の事を考えて居る様子。そんな四人を見て当真は以前柚紀の事について冬島に訊ねた時に聞いた言葉を思い出す
「(成る程な、隊長が言っていたのはこう言う意味か。こりゃあ大変だ)……両方間違っちゃいねぇよ、ただ……隊長曰く柚紀を理解するにはちと、ある"心構えが必要"なんだとよ」
「心構え?…一体なんだ?」
「……"常識を重んじる非常識な存在"、"表裏一体の言葉を具現化した子"、他にも色々言ってたがアイツはその"存在自体が特殊そのもの"なんだとさ、あーあれだ"高性能ハイブリット"的な?」
「ハイブリットって事は、二つの事柄を上手く取り込んでいるって訳になるだけど……そんなに凄い子なの?「……何なんだよあの子はっ!?」…わぁー、荒船大丈夫?凄い顔になってるけど……」
今度は男子が中心に話している中で、荒船は眉間に皺を寄せ頭を抱えながら物凄く複雑もとい面倒な表情をしていた。…理解してしまったのだ、柚紀を取り巻く状況の凄さを…その危うさを
「"言実さんの姪"ってだけでも驚きなのに、"トラウマ持ち"にして"サイドエフェクト持ち"…確かに冬島さんが言うように"本人の存在自体が特殊"何だろうが、……有り得ないだろう、普通こんなの!!?」
「って考えるよな~?…だが、実際に柚紀が存在しちまっている。後、【有り得ない】……この言葉はアイツに対してあまり使うなよ。アイツの存在を全否定する事になると俺は思うから、勝手に【禁句】と位置付けしてる。…つる姐はどう考えてるかは知らねぇが……下手すると"警告3"食らうぞ?」
「「「………」」」
「(ふ~ん、当真は本当に姪っ子ちゃんが大切なんだね。だけどさ、……"否定すべき事"を聞き逃してないかな?若しくは…、そして恐らくだけど、あの子は……)」
荒船の言葉を肯定してしまう一方で、当真が忠告をする。話し方はいつも通りなのだが、表情が真剣で最後の方は声すら脅し混じりのものになっていた。当真の本気度が分かってしまい、犬飼も茶々入れれる状態で無くなっていた。が、こちらも当真と似たり寄ったりの性格なので、……何かを勘づいた様子