43.疑念の曲~勘違いと辛酸なる一端~
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~少し時間を遡り~
「…こいつを説明するのが色々あって面倒なんだが、とりあえずつる姐さんの姪って事だけ分かれば問題ないか?」
「ふ~ん、この子が例の…成る程ね~……初めまして、姪っ子ちゃん。俺は犬飼澄晴、当真と…後ろに居る荒船達の同級生で、ボーダー隊員だよ。良ければ仲良くしてね~?(つまりは【A級お気にいり】の子でもある訳だよね?………噂が流れた理由分からなくもないけど、…そんなに"大事な子"なのかな?)」
『ど、どうも……です』
柚紀について最低限知識である言実との関係性だけ当真は説明し、それだけでも十分に興味を持った犬飼に顔を覗き込むような行動を取りつつ話しかけられ、怖がりながらも何とか返事だけ返す柚紀。勿論、その様子が犬飼が気付かない訳もなく、当真に訊ねる
「……ねぇ当真。この子何でこんなに俺を怖がってるのさー?別に何もしてないよ?」
「所謂"人見知り"って奴だ、慣れれば俺ほどじゃなくても、普通に接する事も話す事も可能だ。ま、気長に根気よく接してやれ」
「了解、了解!じゃあ……お近づきの印に握手とかどうかな?(スッ)大丈夫、怖くないよ~……君に何かあればタダじゃ済まないのは俺でも分かるからね(…何にしても仲良くなるのが得策だね、"あの人"の関係者なら必ず役立つ筈だ。……今は意味がなくても、ね)」
この辺りのやり取りは、他の人と初めて会った時とさほど変わらない。それに犬飼はコミュニケーション能力が高いから、柚紀も直ぐに仲良くなる……そうなる筈だった
『っっ!?!い、いやあぁっっ!!!?(ペタン)』
‐ ガタガタガタガタ ‐
「「へっ??/あれ??」」
「「先輩っ?!?/鶴ヶ峰っ??!」」((ダッ!))
「「「!!!」」」
「荒船、おい、これは……」
「…チッ。まさかだとは思ったが、やっぱりかよ!?」
柚紀の拒絶するような悲痛な声と共に逃げ場かないので、その場に座り込み体を震わせている。予想外な行動に腑抜けた声を出す二人に対して、日浦と笹森は理由は理解できてないが反射的に柚紀の側に駆け寄る。女子三人も理解出来てない中、穂刈は違和感に気付いてはいたが理由が分からず。対して荒船は、…今までの見知った情報や言実・諏訪の動き、そして柚紀本人の反応や行動を見て既に"ある可能性"が頭に浮かんでいた。そして今の柚紀の状況が決定打となり、それが当たってしまった事を理解した。理解は出来た、問題は此処からだ、それ故に焦り苛立ちを覚えていた
「(どうしろってんだよ!!今日初対面の俺が対処して平気なのか?だが、……この様子じゃ、気付いてないだろ全員!あの子がっ…)(~♪♪~~)!!…電話?このタイミングで、……まさかっ!!?(バッ)」
対応に躊躇していたまさにその時、荒船の携帯に一本の電話が掛かってきた。この忙しい時に…と内心思ったが、ふと一つ良い意味の可能性が今度は浮かんだ。……"あの人"ならこのタイミングで、…このタイミングだからこそ電話をしてきたのでは、と。そう考え直すと、手早く携帯を取り出せば相手が誰か確認もせず、通話ボタンを押す
「(p!)…はい、荒船です」
《…すまんが説明する暇がない!もし、今そっちが私の予想した通りの事態になっているなら、一刻の猶予もない!頼む!!今すぐにあの子を……"犬飼と…当真の馬鹿から柚紀を離せ!!!"方法は問わん!!…お前なら分かるだろうっ!!………荒船っ!!》
「状況は把握していますから、落ち着いてください。大丈夫です……(ミシ…ミシ)必ず彼女を救います」
電話先の相手が予想通りで、尚且つ普段は絶対に聞くことのない声音によりかなり切羽詰まっている状況なのが窺える。…何故電話の主がそこまで焦るかは一先ず置いとくとして、本来なら初対面である自分が手を出していい案件ではないのも理解しているが……保護者からの許可が出たの事もあり、荒船は迷うことなく通話状態のまま携帯を強く握り締め、前方で起きている事態収束のために行動を開始する。…状況を正確に理解していない同級生 から少女を助けるためにも
「…こいつを説明するのが色々あって面倒なんだが、とりあえずつる姐さんの姪って事だけ分かれば問題ないか?」
「ふ~ん、この子が例の…成る程ね~……初めまして、姪っ子ちゃん。俺は犬飼澄晴、当真と…後ろに居る荒船達の同級生で、ボーダー隊員だよ。良ければ仲良くしてね~?(つまりは【A級お気にいり】の子でもある訳だよね?………噂が流れた理由分からなくもないけど、…そんなに"大事な子"なのかな?)」
『ど、どうも……です』
柚紀について最低限知識である言実との関係性だけ当真は説明し、それだけでも十分に興味を持った犬飼に顔を覗き込むような行動を取りつつ話しかけられ、怖がりながらも何とか返事だけ返す柚紀。勿論、その様子が犬飼が気付かない訳もなく、当真に訊ねる
「……ねぇ当真。この子何でこんなに俺を怖がってるのさー?別に何もしてないよ?」
「所謂"人見知り"って奴だ、慣れれば俺ほどじゃなくても、普通に接する事も話す事も可能だ。ま、気長に根気よく接してやれ」
「了解、了解!じゃあ……お近づきの印に握手とかどうかな?(スッ)大丈夫、怖くないよ~……君に何かあればタダじゃ済まないのは俺でも分かるからね(…何にしても仲良くなるのが得策だね、"あの人"の関係者なら必ず役立つ筈だ。……今は意味がなくても、ね)」
この辺りのやり取りは、他の人と初めて会った時とさほど変わらない。それに犬飼はコミュニケーション能力が高いから、柚紀も直ぐに仲良くなる……そうなる筈だった
『っっ!?!い、いやあぁっっ!!!?(ペタン)』
‐ ガタガタガタガタ ‐
「「へっ??/あれ??」」
「「先輩っ?!?/鶴ヶ峰っ??!」」((ダッ!))
「「「!!!」」」
「荒船、おい、これは……」
「…チッ。まさかだとは思ったが、やっぱりかよ!?」
柚紀の拒絶するような悲痛な声と共に逃げ場かないので、その場に座り込み体を震わせている。予想外な行動に腑抜けた声を出す二人に対して、日浦と笹森は理由は理解できてないが反射的に柚紀の側に駆け寄る。女子三人も理解出来てない中、穂刈は違和感に気付いてはいたが理由が分からず。対して荒船は、…今までの見知った情報や言実・諏訪の動き、そして柚紀本人の反応や行動を見て既に"ある可能性"が頭に浮かんでいた。そして今の柚紀の状況が決定打となり、それが当たってしまった事を理解した。理解は出来た、問題は此処からだ、それ故に焦り苛立ちを覚えていた
「(どうしろってんだよ!!今日初対面の俺が対処して平気なのか?だが、……この様子じゃ、気付いてないだろ全員!あの子がっ…)(~♪♪~~)!!…電話?このタイミングで、……まさかっ!!?(バッ)」
対応に躊躇していたまさにその時、荒船の携帯に一本の電話が掛かってきた。この忙しい時に…と内心思ったが、ふと一つ良い意味の可能性が今度は浮かんだ。……"あの人"ならこのタイミングで、…このタイミングだからこそ電話をしてきたのでは、と。そう考え直すと、手早く携帯を取り出せば相手が誰か確認もせず、通話ボタンを押す
「(p!)…はい、荒船です」
《…すまんが説明する暇がない!もし、今そっちが私の予想した通りの事態になっているなら、一刻の猶予もない!頼む!!今すぐにあの子を……"犬飼と…当真の馬鹿から柚紀を離せ!!!"方法は問わん!!…お前なら分かるだろうっ!!………荒船っ!!》
「状況は把握していますから、落ち着いてください。大丈夫です……(ミシ…ミシ)必ず彼女を救います」
電話先の相手が予想通りで、尚且つ普段は絶対に聞くことのない声音によりかなり切羽詰まっている状況なのが窺える。…何故電話の主がそこまで焦るかは一先ず置いとくとして、本来なら初対面である自分が手を出していい案件ではないのも理解しているが……保護者からの許可が出たの事もあり、荒船は迷うことなく通話状態のまま携帯を強く握り締め、前方で起きている事態収束のために行動を開始する。…状況を正確に理解していない