43.疑念の曲~勘違いと辛酸なる一端~
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『……時に諏訪。…荒船と当真をあのショッピングモールに陽動したのはお前か?女子達から一緒に居ると連絡が届いたぞ?』
「まぁな。つる姐とは別の意図で荒船達に鶴ヶ峰の事を紹介する理由が俺にはあったし、当真は……"保険"的な意味が強かったな、性格からして"本命"に据えるのはリスクあったしな。…少なくとも荒船達を動かして正解だな結果としては。…お陰で"未遂"で事が済んだみたいだ、後で日佐人を労ってやるか~活躍したみたいだしな」
太刀川と時々堤からの質問攻めがある程度済ませた言実が、連絡内容の根源たる諏訪に一応確認。諏訪はそれをすんなり肯定し、更にこちらも連絡が着ており、ある程度向こうで起きた…起きかけた騒動も把握している様子で、いい仕事をしたと満足そうに喫煙中
話内容がかなり曖昧だが、先ほど諏訪と話をしていた内容を思い出した二人は、何を話しているか今度は理解する
「ハハハハ、…いや~まさか予想していた事が現実になりかけたって、…流石柚紀だ。アイツと居ると飽きないわ~本当に」
「笑い事じゃないですよ、太刀川さんっ!!俺は一層鶴ヶ峰が心配になりましたよ。…今回は何もなかったですが、次はどうなるか分かりませんからね?」
太刀川は何時も自分が予想も出来ない事をやり遂げる柚紀が一段と気に入り高笑いをしたのに対して、堤は素直に柚紀が心配な事を口にした。考え方や感じ方は人それぞれなので間違いではないだろう。……恐らく
そんな二人の反応を見聞きしていた言実と諏訪だが、ほぼ同時に届いた最新情報を見た瞬間、状況が一変した
『……おい待て諏訪、何でいきなり犬飼の名が出てくるんだ?幾らお前でも、当真に同伴の許可を出してはおらんだろ?』
「流石に出さねぇし、俺だって今知った内容だぞ?!!これは明らかに当真の独断だ!!…あの馬鹿!!何でつる姐がこれだけ慎重に鶴ヶ峰に接触する相手を吟味してるか理解していねぇんだよ??!頭が悪くてもある程度アイツを見てたら分かるは……まさか、"あの人見知り的な行動を取るの理由や意味"を"履き違えてる"のかっ!!?」
いきなりの豹変ぶりに困惑する堤と太刀川。諏訪の怒りっぽい所は兎も角として、言実が傍目から見て簡単に分かる程の驚愕した表情に、只事でないのは理解出来るが理由が分からないのだ
「え?え?どうされたんですか?言実さんも、諏訪さんも」
「つる姐は犬飼の名前が出てきて焦ってる風に見えるし、諏訪さんは…当真に対して怒ってるのか?意味が分かんないぞ?何でそんな反応をするんだよ?」
「チッ!……お前らも理解出来てねぇのかよ!?特に太刀川っ!!お前は何で"鶴ヶ峰とお前が他の奴等より仲良くなるのに時間を要した"か…その"正確な理由"を掴んでないのかよ?!!」
「「えっ?!/はぁ?!俺っ!!?」」
換気扇下から居間に戻ってきた諏訪は、二人の様子を見て悪態を吐き、特に太刀川に対してはキツメな口調で叱りつける。それでも分かってない二人に説明を言実は放棄し、対処に乗り出す
『説明は後だ!!…この状態なら、……文章じゃマズイな、直接電話するしか……そうなると…相手は、…………彼奴しか適役が、…頼むから………気づいていてくれっ!』
向こうで起きているであろう状況を予測し、更に誰を動かせば効果的か、…誰でないと事態を収束出来ないかを言実は瞬時に間違えなく判断をすれば、その相手に電話を掛ける。……相手が柚紀の異変に気付いている事を願いつつ
『…………すまんが説明する暇がない!もし、今そっちが私の予想した通りの事態になっているなら、一刻の猶予もない!頼む!!今すぐにあの子を……"犬飼と…当真の馬鹿から柚紀を離せ!!!"方法は問わん!!…お前なら分かるだろうっ!!………ーーっ!!』