38.紫苑の曲~大切な人の為に~
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「これも今は無理だろうけど、俺の勝手な理想の為には柚紀にもちゃんと"つる姐離れ"してもらわなきゃいけねぇ~からよ。で、一番手っ取り早いのがお前が誰かと恋仲になれば良い訳だ。……ボーダーには野郎が沢山居るから、一人位見つかるだろう…俺があの人を想うように、柚紀の事を想ってくれる奴が」
『え?…え?………そ、そんな事……あり得ますかね?……私の事を…想ってくれる人が…現れるとか………………でも、…もし………それが…現実になるなら…………私は…』
‐ 彼に……彼らみたいな人に想われたいな ‐
太刀川は個人的な願望を語るが柚紀にも幸せになって欲しいので、ならば互いを想い合える"大切な人"を見つければ良いと考えた。その言葉を聞いて最初は否定的だったが、次第に"そうなったら…"と無意識に考えると"誰かは分からないが"ぼんやりと理想の相手を思い浮かべて想いを馳せる。顔をうっすら赤くして覗かせるその表情は"恋する乙女"そのものだった
「(お!……こりゃいるな、誰かは知らねーが既に"なりたいと願う相手"が)(ニヤニヤ)」
「(……現状からして笹森じゃないだろうな。そうなると相手は、…候補は居るが"一人に絞り込めない"ぞ?)」
「(楽しくなってきたな~。…そうだ!!関わりのある隊のオペレーター全員で"柚紀ちゃんを愛でつつ見守り隊"的なのを結成しよう!!!えっと今の段階だと……)」
と、そんな柚紀を見て各自で思考を巡らせる。そんな暖かい眼差しを受けていた柚紀だが、太刀川の企み笑いが何故か気に食わなく感じて思わずこう切り出した
『ま、前途多難なのは間違えないので頑張ってくださいね太刀川さん。……予測範囲であるお父さんを越える事よりもっと大変な現実的な事案がありますからね~』
「ん?それはどういう意味だ?」
『だって言実さん、現段階で太刀川さんをちゃんと"異性として"認識してるかすら怪しいですからね。………何せ、夜中に何度もラボに訪ねてきた太刀川さんを何も警戒せずに中に招き入れる人ですよ?…流石に恋愛感情が解らなくても"男の下心"位は理解出来る筈です』
「(ブーーーー!!!)なっ!…ゲホッゲホッ!?…ゲホッゲホッ……ゴホッゴホッ」
「えっ!?ち、ちょっと待ってください!!?太刀川さん、姐さんに対して何しているんですか一体っ!!!?ってか柚紀ちゃんが此処での生活して一ヶ月も経過してないのに、…一体どんだけの頻度で訪問してたんだよアンタ!?」
「お~~夜這いとか度胸ありますね~…効果ないみたいだけど」
再び柚紀から放たれた爆弾発言に、太刀川が見事に被弾。今度は飲んでいたお茶を噴き出してしまい反論しようとしたが噎せてしまった。その流れ弾に当たった出水が顔を赤くして太刀川に詰め寄り詳細説明を求める一方で、女子二人は平然としており両方とも些か辛辣的な発言がチラホラ。暫くして何とか落ち着いた太刀川がまた顔を赤くして、歯切れ悪い口振りで訊ねた
「で、……何でお前がそれを知っている?」
『お忘れですか?今現在、私は言実さんのラボで寝泊まりしている事を。私は寝るとき奥にある仮眠室を使っていますから、分からないと思ったのかも知れませんが……何度もあれば流石に物音や話し声に気付きますよ。別に気付かなかったフリをして邪魔する事も考えましたが"気を利かせて""敢えて"止めました。そこは感謝してくださいね?』
「………マジかよ」
『あ、因みに夜中にラボを訪れたのは別に太刀川さんだけじゃないですよ?他にも複数の人が来てました。……ま、例の騒動後は大分静かになりましたよ?言実さんが十分な休息が獲れて私も嬉しいですし、太刀川さんと話す事も嫌じゃないみたいではありましたからね』
「……色んな情報提供感謝する」
『いえいえ、私は"本当の事しか"言ってませんから』
年相応な反応と言うべきかは定かではないが、出水と国近は柚紀と自隊の隊長と対等に話をしている姿を見て違和感を覚えなかった。そして太刀川本人も嫌な顔をしていない。本来なら生意気な子と判断されても可笑しくはないのだ、例え言実の姪なのは本当であっても……特に出水はボーダーに来て間もない柚紀にも遭遇しており、当時の他人を警戒していて常に緊張し、自信がなく何かに怯えている姿を見ているにも関わらず
……分かっているからだ、【これが柚紀の本来の姿】だと。本能的に、誰かに教えられた訳でもなく。そしてそう感じ取った自らの感覚を疑わない辺りが……この数多の隊員が在籍する組織・ボーダーのトップに君臨する部隊メンバーたる由縁であり、実力であり、経験であり…矜持なのかも知れない
逆に、柚紀も太刀川隊のメンバーを信じているから、……色んな意味で大丈夫だと本能的に感じているから自らを偽らず本来の姿を曝け出しているのだが、…他の隊員からすればこの状況は凄い事に本人たちは気付いていない
『え?…え?………そ、そんな事……あり得ますかね?……私の事を…想ってくれる人が…現れるとか………………でも、…もし………それが…現実になるなら…………私は…』
‐ 彼に……彼らみたいな人に想われたいな ‐
太刀川は個人的な願望を語るが柚紀にも幸せになって欲しいので、ならば互いを想い合える"大切な人"を見つければ良いと考えた。その言葉を聞いて最初は否定的だったが、次第に"そうなったら…"と無意識に考えると"誰かは分からないが"ぼんやりと理想の相手を思い浮かべて想いを馳せる。顔をうっすら赤くして覗かせるその表情は"恋する乙女"そのものだった
「(お!……こりゃいるな、誰かは知らねーが既に"なりたいと願う相手"が)(ニヤニヤ)」
「(……現状からして笹森じゃないだろうな。そうなると相手は、…候補は居るが"一人に絞り込めない"ぞ?)」
「(楽しくなってきたな~。…そうだ!!関わりのある隊のオペレーター全員で"柚紀ちゃんを愛でつつ見守り隊"的なのを結成しよう!!!えっと今の段階だと……)」
と、そんな柚紀を見て各自で思考を巡らせる。そんな暖かい眼差しを受けていた柚紀だが、太刀川の企み笑いが何故か気に食わなく感じて思わずこう切り出した
『ま、前途多難なのは間違えないので頑張ってくださいね太刀川さん。……予測範囲であるお父さんを越える事よりもっと大変な現実的な事案がありますからね~』
「ん?それはどういう意味だ?」
『だって言実さん、現段階で太刀川さんをちゃんと"異性として"認識してるかすら怪しいですからね。………何せ、夜中に何度もラボに訪ねてきた太刀川さんを何も警戒せずに中に招き入れる人ですよ?…流石に恋愛感情が解らなくても"男の下心"位は理解出来る筈です』
「(ブーーーー!!!)なっ!…ゲホッゲホッ!?…ゲホッゲホッ……ゴホッゴホッ」
「えっ!?ち、ちょっと待ってください!!?太刀川さん、姐さんに対して何しているんですか一体っ!!!?ってか柚紀ちゃんが此処での生活して一ヶ月も経過してないのに、…一体どんだけの頻度で訪問してたんだよアンタ!?」
「お~~夜這いとか度胸ありますね~…効果ないみたいだけど」
再び柚紀から放たれた爆弾発言に、太刀川が見事に被弾。今度は飲んでいたお茶を噴き出してしまい反論しようとしたが噎せてしまった。その流れ弾に当たった出水が顔を赤くして太刀川に詰め寄り詳細説明を求める一方で、女子二人は平然としており両方とも些か辛辣的な発言がチラホラ。暫くして何とか落ち着いた太刀川がまた顔を赤くして、歯切れ悪い口振りで訊ねた
「で、……何でお前がそれを知っている?」
『お忘れですか?今現在、私は言実さんのラボで寝泊まりしている事を。私は寝るとき奥にある仮眠室を使っていますから、分からないと思ったのかも知れませんが……何度もあれば流石に物音や話し声に気付きますよ。別に気付かなかったフリをして邪魔する事も考えましたが"気を利かせて""敢えて"止めました。そこは感謝してくださいね?』
「………マジかよ」
『あ、因みに夜中にラボを訪れたのは別に太刀川さんだけじゃないですよ?他にも複数の人が来てました。……ま、例の騒動後は大分静かになりましたよ?言実さんが十分な休息が獲れて私も嬉しいですし、太刀川さんと話す事も嫌じゃないみたいではありましたからね』
「……色んな情報提供感謝する」
『いえいえ、私は"本当の事しか"言ってませんから』
年相応な反応と言うべきかは定かではないが、出水と国近は柚紀と自隊の隊長と対等に話をしている姿を見て違和感を覚えなかった。そして太刀川本人も嫌な顔をしていない。本来なら生意気な子と判断されても可笑しくはないのだ、例え言実の姪なのは本当であっても……特に出水はボーダーに来て間もない柚紀にも遭遇しており、当時の他人を警戒していて常に緊張し、自信がなく何かに怯えている姿を見ているにも関わらず
……分かっているからだ、【これが柚紀の本来の姿】だと。本能的に、誰かに教えられた訳でもなく。そしてそう感じ取った自らの感覚を疑わない辺りが……この数多の隊員が在籍する組織・ボーダーのトップに君臨する部隊メンバーたる由縁であり、実力であり、経験であり…矜持なのかも知れない
逆に、柚紀も太刀川隊のメンバーを信じているから、……色んな意味で大丈夫だと本能的に感じているから自らを偽らず本来の姿を曝け出しているのだが、…他の隊員からすればこの状況は凄い事に本人たちは気付いていない