38.紫苑の曲~大切な人の為に~
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「わ~、まさかのお兄さんが出てくるとは予想外だったな~。えっと詳しく聞いても大丈夫かな?その…柚紀ちゃんのお父さんについて」
『……お父さんは優秀な医学者にして研究者でした。そんな父に憧れて言実さんもまた同じ様な道を選んで現在に至ります。ボーダーに関してですが、…皆さんは現ボーダーが設立するより前の事はご存じですか?』
「現ボーダーより前?…確か公に姿を表す前から活動をしていたのは知っているが、俺はそこまで詳しく知らない。入隊したのはあくまでも今のボーダーが出来てからで、この中では俺が一番古参になる。多分二人も多少の差はあれど同じ様な認識の筈だ」
「「(コクコク)」」
国近に促されてポツリポツリと父について語り出す柚紀。ボーダーに関しては会議室での一件もあるが、歴史にも興味をもった柚紀が言実の協力の元、一通り調べたので自分は知っているが、太刀川を起点に三人の認知度合いを確認した上で、言葉を選び説明する
『お父さんは旧ボーダー時代…いえ、創設初期メンバーの一人で研究員として働いていた…筈です。調べたらかなり古い資料にも鶴ヶ峰の名が多数ありましたから。でも、現ボーダー設立よりかなり前に…ちゃんとした原因は私も知らないけど、多分………ネイバーに殺されてしまいました。だから、もうこの世には居ません。なのでボーダー関係者で、生前のお父さんを知っている人は一部の上層部の人と迅さん位しか居ない…筈です。……因みは言実さんがボーダーに入ったのは現ボーダー設立より前ですが、理由は死んでしまったお父さんの後釜として…的な遺言を残したらからでもあり、自らの意思でもあります』
「成る程な、だから迅に対しては他の隊員と少し違う態度をつる姐が取る訳か。で、柚紀が"父親以外はあり得ない"って豪語する理由は?」
何故三人が知らないのかを含めた父親の説明と、言実がボーダー所属の理由を語る柚紀の表情は少し寂しそうだった。それを国近が宥めているのを見守りつつ、初恋の相手が父親と思う理由を太刀川は訊ねる
『恋に落ちる理由は多岐に渡りますが、主に"見た目"や"ちょっとしたきっかけ"、"一目惚れ"が多いと思いますが、中には"憧れから恋心が芽生える"パターンもあります。…言実さんは多分コレですね。…兄妹でなくても年下が年上に勝つのは難しいのは当たり前ではありますが、……皆さんがご存じの通り言実さんは"天才"に分類される程の博識な方ですから勝てる可能性は十分にありました。でも……鶴ヶ峰の人間は自分の得意分野に置いて才能が特化する特色がありまして、お父さんも言実さんも似たような何かを研究や発明・発見する分野で、……実際に勝負したかは知りませんが、言実さんが悔しがる姿を何度も見た事があって…私も小さい頃から簡単な遊びからちょっとした討論会とかを、お父さんに挑戦したけど勝てないことないから、もしかしたら言実さんもかなと。もしそうなら言実さんって得意分野においてはこだわりとかあります。根っからの研究員タイプの方ですからね、……好きな事で負ければムキになりやすくて…軽い依存的なのも混在していたのかも知れませんね。………太刀川さん、こんなお父さんに………勝つことが出来ますか?』
「勝つって……どういう意味だ?」
『勝つと言うより"越える"ですかね?言実さんの中でお父さんよりも存在感が大きくならないと、…きっと"恋愛対象"とは見られない。そしてお父さんは既に故人。よく言うじゃないですか、"亡くなった人には勝てない"って。……その恋が叶うのは絶望的です。それでも、……想い続けれますか?言実さんの事を』
屋上で二人に話した鶴ヶ峰家の特色を説明に織り交ぜつつ説明を終えると、太刀川を試すような問い掛けをする柚紀
別に太刀川の恋路を邪魔するつもりは柚紀にはない。だが、言実との恋を成就させるのは至難の技だ。更に"もう居ない人"を目標にしないといけないのはかなり辛いはずだ。それでも、もし………太刀川が諦めずにいるなら
『……お父さんは優秀な医学者にして研究者でした。そんな父に憧れて言実さんもまた同じ様な道を選んで現在に至ります。ボーダーに関してですが、…皆さんは現ボーダーが設立するより前の事はご存じですか?』
「現ボーダーより前?…確か公に姿を表す前から活動をしていたのは知っているが、俺はそこまで詳しく知らない。入隊したのはあくまでも今のボーダーが出来てからで、この中では俺が一番古参になる。多分二人も多少の差はあれど同じ様な認識の筈だ」
「「(コクコク)」」
国近に促されてポツリポツリと父について語り出す柚紀。ボーダーに関しては会議室での一件もあるが、歴史にも興味をもった柚紀が言実の協力の元、一通り調べたので自分は知っているが、太刀川を起点に三人の認知度合いを確認した上で、言葉を選び説明する
『お父さんは旧ボーダー時代…いえ、創設初期メンバーの一人で研究員として働いていた…筈です。調べたらかなり古い資料にも鶴ヶ峰の名が多数ありましたから。でも、現ボーダー設立よりかなり前に…ちゃんとした原因は私も知らないけど、多分………ネイバーに殺されてしまいました。だから、もうこの世には居ません。なのでボーダー関係者で、生前のお父さんを知っている人は一部の上層部の人と迅さん位しか居ない…筈です。……因みは言実さんがボーダーに入ったのは現ボーダー設立より前ですが、理由は死んでしまったお父さんの後釜として…的な遺言を残したらからでもあり、自らの意思でもあります』
「成る程な、だから迅に対しては他の隊員と少し違う態度をつる姐が取る訳か。で、柚紀が"父親以外はあり得ない"って豪語する理由は?」
何故三人が知らないのかを含めた父親の説明と、言実がボーダー所属の理由を語る柚紀の表情は少し寂しそうだった。それを国近が宥めているのを見守りつつ、初恋の相手が父親と思う理由を太刀川は訊ねる
『恋に落ちる理由は多岐に渡りますが、主に"見た目"や"ちょっとしたきっかけ"、"一目惚れ"が多いと思いますが、中には"憧れから恋心が芽生える"パターンもあります。…言実さんは多分コレですね。…兄妹でなくても年下が年上に勝つのは難しいのは当たり前ではありますが、……皆さんがご存じの通り言実さんは"天才"に分類される程の博識な方ですから勝てる可能性は十分にありました。でも……鶴ヶ峰の人間は自分の得意分野に置いて才能が特化する特色がありまして、お父さんも言実さんも似たような何かを研究や発明・発見する分野で、……実際に勝負したかは知りませんが、言実さんが悔しがる姿を何度も見た事があって…私も小さい頃から簡単な遊びからちょっとした討論会とかを、お父さんに挑戦したけど勝てないことないから、もしかしたら言実さんもかなと。もしそうなら言実さんって得意分野においてはこだわりとかあります。根っからの研究員タイプの方ですからね、……好きな事で負ければムキになりやすくて…軽い依存的なのも混在していたのかも知れませんね。………太刀川さん、こんなお父さんに………勝つことが出来ますか?』
「勝つって……どういう意味だ?」
『勝つと言うより"越える"ですかね?言実さんの中でお父さんよりも存在感が大きくならないと、…きっと"恋愛対象"とは見られない。そしてお父さんは既に故人。よく言うじゃないですか、"亡くなった人には勝てない"って。……その恋が叶うのは絶望的です。それでも、……想い続けれますか?言実さんの事を』
屋上で二人に話した鶴ヶ峰家の特色を説明に織り交ぜつつ説明を終えると、太刀川を試すような問い掛けをする柚紀
別に太刀川の恋路を邪魔するつもりは柚紀にはない。だが、言実との恋を成就させるのは至難の技だ。更に"もう居ない人"を目標にしないといけないのはかなり辛いはずだ。それでも、もし………太刀川が諦めずにいるなら