36.好敵手の曲~影での駆け引き~
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「…普通ならあり得ねぇだろ?恋敵が互いに協力して別の奴等に対抗・牽制するとか。なぁ風間?」
「そうでもないだろ?他のライバルを打ちのめしてから互いに一騎打ちに持ち込む。これも戦略の一つだ」
「お前さ、それ多分認めてるもんな事だぞ?菊地原が鶴ヶ峰の事が好きだって事をよ。ってか何でそんなにお前は余裕な訳だよ?」
諏訪は「あっちは二人掛りだぞ?」っと、かなり不利的状況であるのを風間に指摘する。すると、そんなの百も承知といった表情で尚且つ此方の状況を冷静に分析して諏訪にこう返した
「此方 にはアドハンテージ があるから、まだ勝機がある。だがそっち はそうも行かないだろう。……部下の恋を実らせたいならせいぜい頑張れよ隊長(ポン)」
風間も言いたい事を告げ、慰めの意思を込めて肩を叩けば遅れながら他のメンバーを追い掛ける形で歩き出す。少し間を置き、大きなため息をつけば諏訪も全員の後を追いかける。その表情はかなり疲れたものとなっていた
「(佐鳥は兎も角、あの時枝までもがなー。…俺は別におサノ達が言っていた事を信じてない訳じゃないが、あれを見聞きすれば流石に認めざる負えないだろうに。ってか彼奴等、鶴ヶ峰が使っている例の地図アプリの製作者を知っているのか?……それ以前にそんなアプリ持っている可能性に気づかない…訳はねぇよな?少なくとも片方は知っているだろうな。アイツは携帯に疎い、だから話している可能性の方が……)」
例の騒動後、柚紀を一時的自隊室に匿っていた時に何があったかは一応報告を受けている諏訪だったが信じていなかった。あくまでも可能性の話で聞いていた内容が、まさか現実になるとは思ってもみなかったのだ。それも時枝の口振りからして佐鳥までもが同じ状況になっている、……牽制と受け取れる言葉を本人から聞いた以上、疑う事もせず素直に事実を認める諏訪は、予想外な展開に頭を悩ませつつも次の段階へと考えを巡らす。ついでに、菊地原の名が出てきたので風間隊関連で"特殊な事案"を思い浮かべて頭を抱えるが、…自分が容易に干渉できない内容なので放置を決め込んだ
「とりあえず、だ。……俺は確かに日佐人の恋は応援したいが、正直な所鶴ヶ峰の事を考えると…彼奴には些か荷が重そうなんだよな~。背負えるのか?鶴ヶ峰が抱えている"今の状況や能力に対する課題、…過去の出来事"をさ。……かなり根深いぞ?どれも」
誰かに話す訳ではないが、自分に言い聞かせる為に敢えて口に出す。笹森の事は勿論だが柚紀の事を考えるならこの恋は難しいと今の段階で判断出来てしまう……それだけの事が過去に、そしてこれから先に起こるであろうから。ただでさえ課題は山積みな状態に恋愛が絡めば更に厄介な事になるのは明白なのだ、……先程話したエンブレム付きの服と同じ様に、何事も表裏一体なのだ。そしてそれは言実の存在自身が柚紀に関しても"恩恵"であるのと同時に"弊害"をもたらす。例の騒動も然り…恋愛に関しても然り、だ
「(ま、多少の贔屓はいいだろう。何せ…)とりあえず四人か?……幾ら鶴ヶ峰に想いを向けても本人が自覚出来ないなら、今は野郎同士での争いだけ気をつければいい。だが、東さんの言葉が本当で………もし鶴ヶ峰が自分関連の"恋心"を自覚した時、一番アイツが心から信頼できる存在が"運命の相手"って結末だろうな。今から死ぬ気で努力しても…"あの二人"に勝つのは難しいぜ?…日佐人」
推理小説が好きなだけあって、そこそこ先の事も大体だが推測が出来る諏訪はそう考えた。かなり笹森に不利な状況だが、やはり隊長として可能な限りは手を貸すのは勿論だが、柚紀の心情を無視してまで二人をくっつけるつもりは毛頭ない。…諏訪にとって柚紀は"恋に発展する可能性が絶対ない"妹的な存在となっている今、笹森には悪いと思っているがどちらを優先するかと言われれば………やはり柚紀の幸せをと考える諏訪であった
「そうでもないだろ?他のライバルを打ちのめしてから互いに一騎打ちに持ち込む。これも戦略の一つだ」
「お前さ、それ多分認めてるもんな事だぞ?菊地原が鶴ヶ峰の事が好きだって事をよ。ってか何でそんなにお前は余裕な訳だよ?」
諏訪は「あっちは二人掛りだぞ?」っと、かなり不利的状況であるのを風間に指摘する。すると、そんなの百も承知といった表情で尚且つ此方の状況を冷静に分析して諏訪にこう返した
「
風間も言いたい事を告げ、慰めの意思を込めて肩を叩けば遅れながら他のメンバーを追い掛ける形で歩き出す。少し間を置き、大きなため息をつけば諏訪も全員の後を追いかける。その表情はかなり疲れたものとなっていた
「(佐鳥は兎も角、あの時枝までもがなー。…俺は別におサノ達が言っていた事を信じてない訳じゃないが、あれを見聞きすれば流石に認めざる負えないだろうに。ってか彼奴等、鶴ヶ峰が使っている例の地図アプリの製作者を知っているのか?……それ以前にそんなアプリ持っている可能性に気づかない…訳はねぇよな?少なくとも片方は知っているだろうな。アイツは携帯に疎い、だから話している可能性の方が……)」
例の騒動後、柚紀を一時的自隊室に匿っていた時に何があったかは一応報告を受けている諏訪だったが信じていなかった。あくまでも可能性の話で聞いていた内容が、まさか現実になるとは思ってもみなかったのだ。それも時枝の口振りからして佐鳥までもが同じ状況になっている、……牽制と受け取れる言葉を本人から聞いた以上、疑う事もせず素直に事実を認める諏訪は、予想外な展開に頭を悩ませつつも次の段階へと考えを巡らす。ついでに、菊地原の名が出てきたので風間隊関連で"特殊な事案"を思い浮かべて頭を抱えるが、…自分が容易に干渉できない内容なので放置を決め込んだ
「とりあえず、だ。……俺は確かに日佐人の恋は応援したいが、正直な所鶴ヶ峰の事を考えると…彼奴には些か荷が重そうなんだよな~。背負えるのか?鶴ヶ峰が抱えている"今の状況や能力に対する課題、…過去の出来事"をさ。……かなり根深いぞ?どれも」
誰かに話す訳ではないが、自分に言い聞かせる為に敢えて口に出す。笹森の事は勿論だが柚紀の事を考えるならこの恋は難しいと今の段階で判断出来てしまう……それだけの事が過去に、そしてこれから先に起こるであろうから。ただでさえ課題は山積みな状態に恋愛が絡めば更に厄介な事になるのは明白なのだ、……先程話したエンブレム付きの服と同じ様に、何事も表裏一体なのだ。そしてそれは言実の存在自身が柚紀に関しても"恩恵"であるのと同時に"弊害"をもたらす。例の騒動も然り…恋愛に関しても然り、だ
「(ま、多少の贔屓はいいだろう。何せ…)とりあえず四人か?……幾ら鶴ヶ峰に想いを向けても本人が自覚出来ないなら、今は野郎同士での争いだけ気をつければいい。だが、東さんの言葉が本当で………もし鶴ヶ峰が自分関連の"恋心"を自覚した時、一番アイツが心から信頼できる存在が"運命の相手"って結末だろうな。今から死ぬ気で努力しても…"あの二人"に勝つのは難しいぜ?…日佐人」
推理小説が好きなだけあって、そこそこ先の事も大体だが推測が出来る諏訪はそう考えた。かなり笹森に不利な状況だが、やはり隊長として可能な限りは手を貸すのは勿論だが、柚紀の心情を無視してまで二人をくっつけるつもりは毛頭ない。…諏訪にとって柚紀は"恋に発展する可能性が絶対ない"妹的な存在となっている今、笹森には悪いと思っているがどちらを優先するかと言われれば………やはり柚紀の幸せをと考える諏訪であった