36.好敵手の曲~影での駆け引き~
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「え?まさか鶴ヶ峰に限ってそんな事…だってそれなら諏訪さんが知らない訳ないじゃないですか?鶴ヶ峰に関する事は大体言実さんから通達が……」
「残念だが堤、実際に起きてしまった事だ。鶴ヶ峰は体よく断ろうとしたが、相手が引き下がらず手を出そうとした所を俺が止めた。これが原因で太刀川との距離感を取り倦ねているのだろう。それと、太刀川の件をお前達が知らなかった理由だが………恐らく"俺が知っている"から鶴ヶ峰は言実さんにも言っていないのだろう。……あの口約束はあくまでも"一人で悩みを抱え込むな"と言う意味合いで、必ず言実さんに話す必要はないからな。まぁ、何はともあれそれも今日で解決するだろうかな」
やっと色んな事が分かり、柚紀の悩みも無くなり全員が安堵する。……筈だったが、佐鳥が余計な事に気付いてしまう。因みにその考えは間違ってない事を先に告げておこう
「成る程成る程………んんっ?!あ、ヤバイヤバイ!!じゃあ太刀川さんが柚紀ちゃんの良い所に知っちゃうの確定でしょ!?絶対に猫可愛がるじゃん!!オレ達と一緒に過ごす時間が減る由々しき事態!?ならば…太刀川隊室にアポなし突撃訪問だーーー!!!(ダッ!)」
「エエエーー!?…あ、いやちょっと待て佐鳥っ!!お前だけ抜け駆けとか狡いから!?お、俺も行く!!先に行くな馬鹿!!!(ダッ!)」
「あぁ!?二人とも駄目だよっ!!いきなり走って誰かにぶつかりでもしたら危ないよっ!!?(ダッ!)」
「おー、二人とも元気だなー。それにしても賢の奴も心配性だな。…太刀川さんが柚紀ちゃんに危害を加える筈ないのに(スタスタ)」
暴走列車の如く一目散に駆け出す佐鳥を、負けずに追い掛ける笹森。そんな二人を心配して慌てて付いていく堤に、少し変な方向に解釈しつつのんびり後を嵐山が追って行った。そんな嵐山に"言霊を知っているか?"と此処では敢えて記載しておこう
……さてさて、残ったのは風間、諏訪そして時枝の三人。四人が見えなくなるまで見送った後、一番最初に口を開いた(ため息を漏らした)のは時枝だった
「ハァー……佐鳥の奴、そんな慌てる必要ないだろ?太刀川さんは言実さんの事が好きなのは明白なんだから。……鶴ヶ峰さん本人が望んでいるなら二人が仲良くなる方が良いのに」
「ほぅ、まるで太刀川は"眼中にない"って言い方に聞こえるのは俺の気のせいか?時枝」
「……待て待て、お前ら何の話をしてるんだ?俺にも分かるように説明しろ」
時枝の意味深な発言に、風間が反応し挑発的な態度と言葉を向ける。諏訪は二人の会話についていけず説明を求めるが無視される。そのまま風間と…一応諏訪も見据えたまま「言葉通りです」と話を時枝は続ける
「信頼度については、おれ達は誰にも負けないと思ってます。…言実さんは例外ですがね。それとは別に、色んな状況を考えると風間さんや諏訪さんの様な"年上で信頼できる男性"の存在は、鶴ヶ峰さんには必要不可欠ですから仲良くなって頂いた方が好都合です。…一応太刀川さんも同様です、あくまでも"お兄さんポジション"で納まりそうですから」
「成る程な、…勢いついでに一つ答えてもらおうか、諏訪にも分かる様にな。………お前にとって"現段階で障害"と成りうるのは誰だ?」
「お兄さんポジションに、障害?鶴ヶ峰関連の話だとすると………何故だ?すごく嫌な予感がするぞ俺」
話がどんどん核心に近づいていく中で、諏訪もうっすらとだが話の意図が読めてきた。が、出来れば当たって欲しくないものだとも考えていた。風間の質問を受けて、一瞬だけ間が空いた後に薄く企み笑いを浮かべながら時枝はこう告げた
「似たような事を先程も風間さんには言いましたが、現段階では菊地原と………一応笹森も対象ですかね?ですが、このまま何事もなければ…おれ達の敵ではありませんよ。…例の模擬戦と名を変えた争奪戦に参加しないのも、言実さんからの厳命もありますが、必要ないと感じているからに他ありません。……おれも皆を追い掛けます、佐鳥の暴走を止めるのもチームメイトの役目みたいなものですからね」
まるで"宣戦布告"の様な言葉を残して先へと歩き出す時枝。その姿がある程度遠くになると、諏訪は頭を掻きながら頭を垂れて「マジかよ」と愚痴を漏らした。…理解したからだ、時枝が残した言葉の意味を。そして風間が"お前の"と一人称で訊ねたのに対して"おれ達の"と、わざわざ二人称で返した意図も
「残念だが堤、実際に起きてしまった事だ。鶴ヶ峰は体よく断ろうとしたが、相手が引き下がらず手を出そうとした所を俺が止めた。これが原因で太刀川との距離感を取り倦ねているのだろう。それと、太刀川の件をお前達が知らなかった理由だが………恐らく"俺が知っている"から鶴ヶ峰は言実さんにも言っていないのだろう。……あの口約束はあくまでも"一人で悩みを抱え込むな"と言う意味合いで、必ず言実さんに話す必要はないからな。まぁ、何はともあれそれも今日で解決するだろうかな」
やっと色んな事が分かり、柚紀の悩みも無くなり全員が安堵する。……筈だったが、佐鳥が余計な事に気付いてしまう。因みにその考えは間違ってない事を先に告げておこう
「成る程成る程………んんっ?!あ、ヤバイヤバイ!!じゃあ太刀川さんが柚紀ちゃんの良い所に知っちゃうの確定でしょ!?絶対に猫可愛がるじゃん!!オレ達と一緒に過ごす時間が減る由々しき事態!?ならば…太刀川隊室にアポなし突撃訪問だーーー!!!(ダッ!)」
「エエエーー!?…あ、いやちょっと待て佐鳥っ!!お前だけ抜け駆けとか狡いから!?お、俺も行く!!先に行くな馬鹿!!!(ダッ!)」
「あぁ!?二人とも駄目だよっ!!いきなり走って誰かにぶつかりでもしたら危ないよっ!!?(ダッ!)」
「おー、二人とも元気だなー。それにしても賢の奴も心配性だな。…太刀川さんが柚紀ちゃんに危害を加える筈ないのに(スタスタ)」
暴走列車の如く一目散に駆け出す佐鳥を、負けずに追い掛ける笹森。そんな二人を心配して慌てて付いていく堤に、少し変な方向に解釈しつつのんびり後を嵐山が追って行った。そんな嵐山に"言霊を知っているか?"と此処では敢えて記載しておこう
……さてさて、残ったのは風間、諏訪そして時枝の三人。四人が見えなくなるまで見送った後、一番最初に口を開いた(ため息を漏らした)のは時枝だった
「ハァー……佐鳥の奴、そんな慌てる必要ないだろ?太刀川さんは言実さんの事が好きなのは明白なんだから。……鶴ヶ峰さん本人が望んでいるなら二人が仲良くなる方が良いのに」
「ほぅ、まるで太刀川は"眼中にない"って言い方に聞こえるのは俺の気のせいか?時枝」
「……待て待て、お前ら何の話をしてるんだ?俺にも分かるように説明しろ」
時枝の意味深な発言に、風間が反応し挑発的な態度と言葉を向ける。諏訪は二人の会話についていけず説明を求めるが無視される。そのまま風間と…一応諏訪も見据えたまま「言葉通りです」と話を時枝は続ける
「信頼度については、おれ達は誰にも負けないと思ってます。…言実さんは例外ですがね。それとは別に、色んな状況を考えると風間さんや諏訪さんの様な"年上で信頼できる男性"の存在は、鶴ヶ峰さんには必要不可欠ですから仲良くなって頂いた方が好都合です。…一応太刀川さんも同様です、あくまでも"お兄さんポジション"で納まりそうですから」
「成る程な、…勢いついでに一つ答えてもらおうか、諏訪にも分かる様にな。………お前にとって"現段階で障害"と成りうるのは誰だ?」
「お兄さんポジションに、障害?鶴ヶ峰関連の話だとすると………何故だ?すごく嫌な予感がするぞ俺」
話がどんどん核心に近づいていく中で、諏訪もうっすらとだが話の意図が読めてきた。が、出来れば当たって欲しくないものだとも考えていた。風間の質問を受けて、一瞬だけ間が空いた後に薄く企み笑いを浮かべながら時枝はこう告げた
「似たような事を先程も風間さんには言いましたが、現段階では菊地原と………一応笹森も対象ですかね?ですが、このまま何事もなければ…おれ達の敵ではありませんよ。…例の模擬戦と名を変えた争奪戦に参加しないのも、言実さんからの厳命もありますが、必要ないと感じているからに他ありません。……おれも皆を追い掛けます、佐鳥の暴走を止めるのもチームメイトの役目みたいなものですからね」
まるで"宣戦布告"の様な言葉を残して先へと歩き出す時枝。その姿がある程度遠くになると、諏訪は頭を掻きながら頭を垂れて「マジかよ」と愚痴を漏らした。…理解したからだ、時枝が残した言葉の意味を。そして風間が"お前の"と一人称で訊ねたのに対して"おれ達の"と、わざわざ二人称で返した意図も