35.親交の曲・A‐1メンバー編
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夏休みも残り少なくなり、柚紀の基地での生活も残りわずかとなってきた。あの屋上の一件後は日浦達との約束した事もあり、那須隊協力の能力試験一回のみで、後はランク戦観戦等をしてのんびり過ごしていた。柚紀はその原因は自分の心身的不安定だからと考えたが、言実が完全否定をした。理由は単純明快、言実が柚紀と暮らすために色々準備に動き回っており仕事を休んでいるからである。自分が見ていない所で柚紀にサイドエフェクト使わせる事を言実は頑固拒否したのだ。…何時かの二の舞を防ぐために、柚紀の為にと。それを聞いて何も出来なくて申し訳なく思う柚紀だが『これは保護者成る者の仕事だ、お前は気にするな』と正論で諭され、ならば"自分が出来ることをやろう"と気持ちを切り替えた柚紀は今……
「柚宇さん、お待たせしました!やっと柚紀ちゃんを我が隊室に連れてこれました~!!」
「おー、遂にやり遂げたか、偉いぞいずみん!太刀川隊室にようこそ!!歓迎するよ~柚紀ちゃん」
『あの、えっと………お邪魔…致します』
何故か太刀川隊室にお呼ばれされていた。【A級トップチーム達のお気に入り】と大々的な噂が流れているが、強ち間違えではない。本人は無自覚だが、性別・年齢的にも柚紀と同じ子があまり居ないので貴重な存在でもあり、関わった事のある隊のメンバーは(主にオペレーター)柚紀には好意的な印象を持っているのだ。過小評価や最初は人見知りで距離を取るのは変わらないが、持ち前の洞察力で人柄が分かれば懐いてくれるし、然り気無い気遣いや礼儀も弁えているので、「こんな妹が欲しい!!仲良くなりたいから隊室に連れてきて!!」と、自隊長を脅す事態になっていた。まさに「男を落とすなら胃袋を掴め」ならぬ「部隊単位で仲良くなりたいならオペレーターを味方にしろ」状態なのだ
因みにこれは言実が基地を離れるのが多くなる事を聞いて隊員達が(言実が居ぬ間に柚紀と仲良くなろう)と、共謀した結果でもある。……柚紀を味方に付ければ以前よりは言実の雷を緩和させる避雷針的な意味合いなのだが、勿論柚紀本人"は"知らないのだった
「それにしても、やっと念願の柚紀ちゃんに会えて嬉しいぞ~。…あ、私は国近柚宇。この太刀川隊のオペレーターだよ~、これでもいずみんの一つ先輩です!!」
『あ、えっと……ご存知とは思いますが鶴ヶ峰柚紀です。例の騒動ではおサノ先輩ど、同様に、その…………見知らぬ私のせいで多大なる苦労や面倒をかけてすみませんでした!!?…後ご挨拶に窺うべきとは思ったのですが、い、行く勇気がなくて、臆病者でごめんなさい先輩!?(深々)』
「あ、ちょっ!タンマタンマ!?柚紀ちゃんのせいだけじゃないから!!君は知らないだろうけどマジでA級チーム内で争だ、…実力の競い合いしてたから!!あの冬島さんですらマジで当真さん使うし、風間隊は…色々策士な奴が多いからこっちも強敵だった(遠い目)」
何だかカオスな状態になっていた。柚紀は何事も一歩踏み出せば次からは何とかなるが、"その一歩を作り出す"のが難しい。そこは周囲の腕の見せ所な訳だ。参考までに冬島隊は、隊長の冬島が言実との仲が好い分類なので、柚紀も自然と懐いたし、姪である柚紀を冬島も抵抗なく可愛がっている。隊室を訪れたきっかけも言実からのお使い的なもので、その時タイミング良くか悪くかは分からないが、三徹してダウン寸前な冬島を見て柚紀が心配で泣きそうになり、それに罪悪感を覚えた冬島はそれ以降無理をあまりしなくなったらしい。当真に関しては……まぁ追々
次に風間隊だが、こちらは手段が数多存在していた。一番のアドバンテージは同学年の菊地原・歌川が居る点だ。やはり柚紀の性格上、年上相手には一歩引いた対応になるので、気兼ねなく接するのが可能な存在が居ることが大きな強みだ。更に今もお世話になっている基地内マップアプリは宇佐美作。携帯についてまだよく知らない柚紀に「アプリのメンテするからウチの隊室においで~」と言えば一発だ。風間も例の身柄云々の任務の延長上と称して柚紀の側に居たりするし、本人も嫌がらないから問題なし。……任務と言えば、エンブレム付きの服効果が薄かった最初は、陰ながら見守っていたのは風間隊のみで大体カメレオンを使っており必要に応じてのみ柚紀の前に姿を現して助けていたが、あまりにも絡む連中が後を絶たないのに腹をたてた菊地原が「エンブレム付きの服貸しただけで後は無関心とかナニさ、鶴ヶ峰を本気で助けるつもりもない、そんな薄っぺらな同情なんて有り難迷惑。関わった以上は責任取ってよね?僕らが過労で倒れたら本当に泣くよ彼女」的な文句を漏らしたのをきっかけで以前米屋が言っていた"当番"制度が影で作られたのであった