33.自覚の曲~助っ人再び~
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「とっきー、…お前……(分かったんだね、自分が柚紀ちゃんをどう想っているかが。……何でだろう?…良い事の筈なのに、オレは素直に喜べない………分からない)……どうして?」
柚紀は危機から脱し、尚且つ時枝が自らの気持ちを自覚した。佐鳥自身が望んで居た筈なのにいざ現実となった今、複雑な思いを抱いていた。それも対象が柚紀に対してなのか、時枝に対してなのかも分かっておらず、ただ呆然と離れた場所にいる二人を見つめていた
一方、佐鳥が何もしてこない事を不審に感じた時枝はそちらを一瞥して、理解した。……佐鳥も自分の気持ちが分からなくて困惑しているのが、表情がまるで迷子になった小さな子どもの様に不安そうで泣きそうな、そんな顔をしているのだ。それを見た時枝は内部通信を繋ぐ
「(あまり"敵に塩を送りたくない"けど、佐鳥の存在も気づけた要因の一つだし……仕方ないか)((……佐鳥、少し待って。先に鶴ヶ峰さんのケアするから。…気づいてないだけだ、お前も自分の本当の気持ちに))」
「!!((と、とっきー?!オ、オ、オレは別に……))」
「((逃げずにちゃんと向き合え。でないと辛いのは佐鳥自身だよ?))…(ナデ)……ごめん。君が隠している事が分かっていたのに、わざわざ口に出してしまって。(ナデ)でも、こうでもしないと君が抱いている思いが…聞けないから。(ナデ)知らなきゃ、おれは何もして上げれない。……全部言えなくても良い、少しずつ…言える範囲で良いから、…不安や悩み、何でも良いから…話してよ。おれが…おれ達が受け止めるから……もう、…我慢しなくて良いよ(ナデ)"もう、……大丈夫だから"」
時枝は自分が行った事を、佐鳥にもさせようと簡潔に伝えた後、ゆっくりと柚紀の頭を撫でながら始めに謝罪をした後に、自分の発言理由やどんな思いを抱いているか、柚紀にどうして欲しいか等を口に出して伝える。……普段はあまり自らの気持ちを表に積極的に出さない時枝だから分かるのだ、"本当に大事な事 は隠さずに、偽らずに行動しなきゃ いけない"と
そして時枝に抱き締められたままの状態で聞いていた柚紀は、まだ躊躇していた。本当に、信じて良いのかが分からなくなっていた。だが
『!!!(言実さんと、同じ言葉…)……っ?!…(ギュウッ)…ごめん…なさい、……ごめんなさいっ!!……全部話せなくて…信じ切れなくて、私は…ただ……普通でありたいだけなのにっ…お母さんとだって離れたくなかった!!でも、……あそこに居たら…"私じゃなくなる"!それが一番……怖かった!!だから……逃げてきた!…"あの時"の私には………頼れる人が………言実さんしか…居なかったから…………だからっ!!』
「うん、そっか(ナデ)……でも、今は違うでしょ?…………おれ達が居る、他にも諏訪さん達や風間さん達、…他にも増えた筈だ。頼れる人が…もう大丈夫、………一人じゃないよ。…ね?………鶴ヶ峰…柚紀さん」
『つっっ!!!……っあ…』
ほんの些細なきっかけを皮切りに、時枝のジャケットを握り締めながら涙を流し、自らの気持ちを吐き出す柚紀。それを最初は否定せず聞きに徹し、昔と今は違うと指摘して最後に柚紀の名を呼ぶ時枝。それを聞いた瞬間、今度は喋る訳でもなく、ただ声を上げて柚紀は泣き始めたのだ。それを何も言わずただ彼女を抱き締めたままで居る一方で……頭の片隅に"サイドエフェクトの暴走"の文字がまた浮かんだ時枝だが、直ぐに消し去った
「(ま、此処(ボーダー本部)なら心配ないか。それより問題は……)((…どう佐鳥、少しは自分の気持ちが分かったか?))」
「((……逆にもっと分からなくなった。何かドロドロって言うかジクジクって言うか………感情が強くなった感じがする、…理由は分からないまま))」
「((全く仕方のない奴だな、……今からおれが出す質問に直感で答えて。即答ね?考えないで感じるままに…良い?))」
「((り、了解!))」
未だに理解できていない佐鳥の為に更なる手助けをする時枝。たが、あまり柚紀を長く泣かせたままで居るのも本望でないので、可能な限り手短に済ませる為に質問内容を吟味し、直ぐに始める
「((今、鶴ヶ峰さんを抱き締めているおれを見てどう感じる?))」
「((え?それは、その……((考えず即答!!))っ!!羨ましい!狡い!悔しい!))」
「((じゃあ、泣いている彼女を見て感じる事は?))」
「((悲しませたくない!笑顔が見たい!オレを見てほしい!とっきーじゃなくてオレを頼って欲しい!!他にも沢山!!))」
「((最後に一つ。それは他の女子に対しても同じ?例えば、……綾辻先輩とか))」
「((…違う。確かに綾辻先輩は頼りになるし、他の女子よりは親しいよ?でも、違う。……こんな想いを抱くのは…彼女にだけ!!過去とか全部関係ない!!オレは柚紀ちゃんがっ!!?………え??))」
言われた通りに一問一答に対応する佐鳥だったが、最後の時枝の問いを全て答える前にやっと理解した様だ。…勘違いしていて見失っていた気持ちを。それを自覚して夕日に照らされてちゃんと判断出来ないが、恐らく顔を赤くしている佐鳥に向かって時枝はこう言った
「((分かったみたいだね、自分の気持ちが。……結局相手の気持ちは察する事が出来ていたけど、自分の気持ちが見えてなかったんだね…"お互いに"さ。……で、どうする佐鳥?…お前はこのままの状況を、甘んじて受け入れれるの?))」
柚紀は危機から脱し、尚且つ時枝が自らの気持ちを自覚した。佐鳥自身が望んで居た筈なのにいざ現実となった今、複雑な思いを抱いていた。それも対象が柚紀に対してなのか、時枝に対してなのかも分かっておらず、ただ呆然と離れた場所にいる二人を見つめていた
一方、佐鳥が何もしてこない事を不審に感じた時枝はそちらを一瞥して、理解した。……佐鳥も自分の気持ちが分からなくて困惑しているのが、表情がまるで迷子になった小さな子どもの様に不安そうで泣きそうな、そんな顔をしているのだ。それを見た時枝は内部通信を繋ぐ
「(あまり"敵に塩を送りたくない"けど、佐鳥の存在も気づけた要因の一つだし……仕方ないか)((……佐鳥、少し待って。先に鶴ヶ峰さんのケアするから。…気づいてないだけだ、お前も自分の本当の気持ちに))」
「!!((と、とっきー?!オ、オ、オレは別に……))」
「((逃げずにちゃんと向き合え。でないと辛いのは佐鳥自身だよ?))…(ナデ)……ごめん。君が隠している事が分かっていたのに、わざわざ口に出してしまって。(ナデ)でも、こうでもしないと君が抱いている思いが…聞けないから。(ナデ)知らなきゃ、おれは何もして上げれない。……全部言えなくても良い、少しずつ…言える範囲で良いから、…不安や悩み、何でも良いから…話してよ。おれが…おれ達が受け止めるから……もう、…我慢しなくて良いよ(ナデ)"もう、……大丈夫だから"」
時枝は自分が行った事を、佐鳥にもさせようと簡潔に伝えた後、ゆっくりと柚紀の頭を撫でながら始めに謝罪をした後に、自分の発言理由やどんな思いを抱いているか、柚紀にどうして欲しいか等を口に出して伝える。……普段はあまり自らの気持ちを表に積極的に出さない時枝だから分かるのだ、"本当に大事な
そして時枝に抱き締められたままの状態で聞いていた柚紀は、まだ躊躇していた。本当に、信じて良いのかが分からなくなっていた。だが
『!!!(言実さんと、同じ言葉…)……っ?!…(ギュウッ)…ごめん…なさい、……ごめんなさいっ!!……全部話せなくて…信じ切れなくて、私は…ただ……普通でありたいだけなのにっ…お母さんとだって離れたくなかった!!でも、……あそこに居たら…"私じゃなくなる"!それが一番……怖かった!!だから……逃げてきた!…"あの時"の私には………頼れる人が………言実さんしか…居なかったから…………だからっ!!』
「うん、そっか(ナデ)……でも、今は違うでしょ?…………おれ達が居る、他にも諏訪さん達や風間さん達、…他にも増えた筈だ。頼れる人が…もう大丈夫、………一人じゃないよ。…ね?………鶴ヶ峰…柚紀さん」
『つっっ!!!……っあ…』
ほんの些細なきっかけを皮切りに、時枝のジャケットを握り締めながら涙を流し、自らの気持ちを吐き出す柚紀。それを最初は否定せず聞きに徹し、昔と今は違うと指摘して最後に柚紀の名を呼ぶ時枝。それを聞いた瞬間、今度は喋る訳でもなく、ただ声を上げて柚紀は泣き始めたのだ。それを何も言わずただ彼女を抱き締めたままで居る一方で……頭の片隅に"サイドエフェクトの暴走"の文字がまた浮かんだ時枝だが、直ぐに消し去った
「(ま、此処(ボーダー本部)なら心配ないか。それより問題は……)((…どう佐鳥、少しは自分の気持ちが分かったか?))」
「((……逆にもっと分からなくなった。何かドロドロって言うかジクジクって言うか………感情が強くなった感じがする、…理由は分からないまま))」
「((全く仕方のない奴だな、……今からおれが出す質問に直感で答えて。即答ね?考えないで感じるままに…良い?))」
「((り、了解!))」
未だに理解できていない佐鳥の為に更なる手助けをする時枝。たが、あまり柚紀を長く泣かせたままで居るのも本望でないので、可能な限り手短に済ませる為に質問内容を吟味し、直ぐに始める
「((今、鶴ヶ峰さんを抱き締めているおれを見てどう感じる?))」
「((え?それは、その……((考えず即答!!))っ!!羨ましい!狡い!悔しい!))」
「((じゃあ、泣いている彼女を見て感じる事は?))」
「((悲しませたくない!笑顔が見たい!オレを見てほしい!とっきーじゃなくてオレを頼って欲しい!!他にも沢山!!))」
「((最後に一つ。それは他の女子に対しても同じ?例えば、……綾辻先輩とか))」
「((…違う。確かに綾辻先輩は頼りになるし、他の女子よりは親しいよ?でも、違う。……こんな想いを抱くのは…彼女にだけ!!過去とか全部関係ない!!オレは柚紀ちゃんがっ!!?………え??))」
言われた通りに一問一答に対応する佐鳥だったが、最後の時枝の問いを全て答える前にやっと理解した様だ。…勘違いしていて見失っていた気持ちを。それを自覚して夕日に照らされてちゃんと判断出来ないが、恐らく顔を赤くしている佐鳥に向かって時枝はこう言った
「((分かったみたいだね、自分の気持ちが。……結局相手の気持ちは察する事が出来ていたけど、自分の気持ちが見えてなかったんだね…"お互いに"さ。……で、どうする佐鳥?…お前はこのままの状況を、甘んじて受け入れれるの?))」