33.自覚の曲~助っ人再び~
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『……二人は優しいね。でも………石の事が最初から分かっていれば、あのゲート大量発生は未然に防げた!!石のさえ無ければ私はただの役立た「(クイッ!!)違う!!そんな事絶対にない!?」…え?』
一歩前に出て無意識だが柚紀の手を掴んで発言を止める佐鳥、……時枝に言われた通りにしたのは良いが、次の行動が分からず戸惑いを見せ目線で助けを求める。…あの夜と同じ状況に気付いた時枝はとりあえず自分も近付き、掴んでいる佐鳥の手を離させて口を開く
「忘れてるかも知れないけど、言実さんが性能を他人にも分かりやすくする為にわざわざ付けた、鶴ヶ峰さんのサイドエフェクトの名称は【強化暗示】と【強化催眠】……あの石がトリガーなのは本当だとしても、恐らく君自身が"ちゃんとそう願えば"出来る筈だよ?…君はサイドエフェクトについて最近知ったばかりだ、出来ないのは当たり前だとおれは思うけど…((佐鳥、理解出来たか?))」
『で、でも……エンジニアの人達は…』
「あ~、…佐鳥達も話は聞いたけど、あれって一部のエンジニアの人達が悪いよ!!"当たり前"とか"出来て当然"とか……専門家だからって自分の考えを柚紀ちゃんに押し付けた。サイドエフェクトだって万能じゃないし、それを使う人だって完璧な人はいない。あのおつるちゃんだって失敗するよ?((とりあえず、柚紀ちゃん自身に良くない事だけは分かった))」
『………』
色々思うことがあるのか、黙り込む柚紀を心配そうに見つめる佐鳥。そして時枝も気持ちは分かるが、何事も"度が過ぎる"のは良くないのだ。自らにも良くも悪くも影響を及ぼす柚紀のサイドエフェクトはかなり厄介と言える
「……あまり考え込み過ぎない方が良いよ?少なくとも鶴ヶ峰さんはサイドエフェクトを使って皆の役に立ちたいと思っている…今はこれだけで十分じゃないかな?」
『……そんな簡単で…良いのかな?……此処に…居ても』
「佐鳥も大丈夫だと思うけど、……あの夜も気にしていたよね?…"此処に居たい"って。ねぇ柚紀ちゃん、何か理由……あるの?」
頭の回転が良い柚紀なら、時枝の言い分も理解出来る筈だが未だに表情が優れない。その際に出てきた言葉に既視感を感じた佐鳥が訊ねれば、躊躇し更に自分が持つヴァイオリンケースを一瞥した後に小さく頷く柚紀は、再びぽつりぽつりと語り出す。…屋上に来た理由にも繋がる話を
『今日私、本当は言実さんと出掛ける予定だった事と、…昨日の実験途中で……倒れかけたのは、…知っているよね?』
「え?あ~うん。……確か柚紀ちゃんも知っているおつるちゃんの知り合いが今日三門市に来るから会いに行く…だったよね?」
「後、倒れかけた原因は貧血で、そうなった理由もはっきりしている。……間違ってないよね」
『(コクコク)……両方とも"嘘"ではないよ?ただ、…"詳細"を言ってないの。誰に会うつもりだったのかを、……何故、あそこまで重度な症状に見舞われてしまったかを』
柚紀が何を言いたいかが全く分からない佐鳥に対して、時枝も確信はないが予測は出来ていた。……柚紀がこの話を出した意図を
「(……恐らく、片方若しくは両方が…鶴ヶ峰さんが"隠しておきたい何か"に関しているって訳かな?)……大丈夫?…無理して話さなくても……」
『(フルフル)(ギュッ)……言わなきゃ、…誰かに。じゃないと……また、……"同じ事を繰り返しちゃう"!!……でもこれは、言実さんは知っているし、…風間さんにも……諏訪さんにも……言えない。………話せる人が……………二人しか、…いないの。……ごめんな、さい』
そう話す柚紀の表情は罪悪感に襲われて辛くなり俯いてしまっている。…何時もならこの状況打破の為に行動を起こす時枝なのだが、……"それ所ではなかった"のだ
今柚紀が上げた三人の名前は、例の騒動にて解決のキーパーソンになった人ばかりで、恐らく現在柚紀にとって"高い信頼度を得ている人達"…それと"同じ位二人も信頼している事"を意味している。……それを理解してして"自分がどう感じているか"を考えるのに集中してしまっているのだ。…何か答えが出そう、そんな予感がしたから
対して佐鳥は分かっていないが、また"あの夜と同じ"…既視感を感じ取ればあの時柚紀が自分にした行動を"敢えて"取る事に。それは……
‐ サワッ ‐
『(ピクッ)え?……佐鳥…くん?』
「……オレはあの時言った筈だよ?"柚紀ちゃんの辛い姿は見たくない"って。…佐鳥は君やとっきーみたいに頭は良くないですが、…話を聞く位なら出来ます!!ってな訳だから話してみてよ?…それで柚紀ちゃんが楽になるなら、幾らでも聞きます!!ね?とっきー!!……とっきー、どうかしたの?」
『…時枝くん?』
あの夜と……柚紀は覚えて居ない諏訪隊室でされた、"相手の顔の輪郭に触れる"行為を柚紀に行いながら、同じ言葉を再び…今日は笑顔で告げる佐鳥。それに対して同意を求めて時枝に話を振るが、考え込んでいるのに柚紀も気づき二人揃って呼び掛ける。その声と視線に気づいた時枝が、思考の底から浮上し反応する
一歩前に出て無意識だが柚紀の手を掴んで発言を止める佐鳥、……時枝に言われた通りにしたのは良いが、次の行動が分からず戸惑いを見せ目線で助けを求める。…あの夜と同じ状況に気付いた時枝はとりあえず自分も近付き、掴んでいる佐鳥の手を離させて口を開く
「忘れてるかも知れないけど、言実さんが性能を他人にも分かりやすくする為にわざわざ付けた、鶴ヶ峰さんのサイドエフェクトの名称は【強化暗示】と【強化催眠】……あの石がトリガーなのは本当だとしても、恐らく君自身が"ちゃんとそう願えば"出来る筈だよ?…君はサイドエフェクトについて最近知ったばかりだ、出来ないのは当たり前だとおれは思うけど…((佐鳥、理解出来たか?))」
『で、でも……エンジニアの人達は…』
「あ~、…佐鳥達も話は聞いたけど、あれって一部のエンジニアの人達が悪いよ!!"当たり前"とか"出来て当然"とか……専門家だからって自分の考えを柚紀ちゃんに押し付けた。サイドエフェクトだって万能じゃないし、それを使う人だって完璧な人はいない。あのおつるちゃんだって失敗するよ?((とりあえず、柚紀ちゃん自身に良くない事だけは分かった))」
『………』
色々思うことがあるのか、黙り込む柚紀を心配そうに見つめる佐鳥。そして時枝も気持ちは分かるが、何事も"度が過ぎる"のは良くないのだ。自らにも良くも悪くも影響を及ぼす柚紀のサイドエフェクトはかなり厄介と言える
「……あまり考え込み過ぎない方が良いよ?少なくとも鶴ヶ峰さんはサイドエフェクトを使って皆の役に立ちたいと思っている…今はこれだけで十分じゃないかな?」
『……そんな簡単で…良いのかな?……此処に…居ても』
「佐鳥も大丈夫だと思うけど、……あの夜も気にしていたよね?…"此処に居たい"って。ねぇ柚紀ちゃん、何か理由……あるの?」
頭の回転が良い柚紀なら、時枝の言い分も理解出来る筈だが未だに表情が優れない。その際に出てきた言葉に既視感を感じた佐鳥が訊ねれば、躊躇し更に自分が持つヴァイオリンケースを一瞥した後に小さく頷く柚紀は、再びぽつりぽつりと語り出す。…屋上に来た理由にも繋がる話を
『今日私、本当は言実さんと出掛ける予定だった事と、…昨日の実験途中で……倒れかけたのは、…知っているよね?』
「え?あ~うん。……確か柚紀ちゃんも知っているおつるちゃんの知り合いが今日三門市に来るから会いに行く…だったよね?」
「後、倒れかけた原因は貧血で、そうなった理由もはっきりしている。……間違ってないよね」
『(コクコク)……両方とも"嘘"ではないよ?ただ、…"詳細"を言ってないの。誰に会うつもりだったのかを、……何故、あそこまで重度な症状に見舞われてしまったかを』
柚紀が何を言いたいかが全く分からない佐鳥に対して、時枝も確信はないが予測は出来ていた。……柚紀がこの話を出した意図を
「(……恐らく、片方若しくは両方が…鶴ヶ峰さんが"隠しておきたい何か"に関しているって訳かな?)……大丈夫?…無理して話さなくても……」
『(フルフル)(ギュッ)……言わなきゃ、…誰かに。じゃないと……また、……"同じ事を繰り返しちゃう"!!……でもこれは、言実さんは知っているし、…風間さんにも……諏訪さんにも……言えない。………話せる人が……………二人しか、…いないの。……ごめんな、さい』
そう話す柚紀の表情は罪悪感に襲われて辛くなり俯いてしまっている。…何時もならこの状況打破の為に行動を起こす時枝なのだが、……"それ所ではなかった"のだ
今柚紀が上げた三人の名前は、例の騒動にて解決のキーパーソンになった人ばかりで、恐らく現在柚紀にとって"高い信頼度を得ている人達"…それと"同じ位二人も信頼している事"を意味している。……それを理解してして"自分がどう感じているか"を考えるのに集中してしまっているのだ。…何か答えが出そう、そんな予感がしたから
対して佐鳥は分かっていないが、また"あの夜と同じ"…既視感を感じ取ればあの時柚紀が自分にした行動を"敢えて"取る事に。それは……
‐ サワッ ‐
『(ピクッ)え?……佐鳥…くん?』
「……オレはあの時言った筈だよ?"柚紀ちゃんの辛い姿は見たくない"って。…佐鳥は君やとっきーみたいに頭は良くないですが、…話を聞く位なら出来ます!!ってな訳だから話してみてよ?…それで柚紀ちゃんが楽になるなら、幾らでも聞きます!!ね?とっきー!!……とっきー、どうかしたの?」
『…時枝くん?』
あの夜と……柚紀は覚えて居ない諏訪隊室でされた、"相手の顔の輪郭に触れる"行為を柚紀に行いながら、同じ言葉を再び…今日は笑顔で告げる佐鳥。それに対して同意を求めて時枝に話を振るが、考え込んでいるのに柚紀も気づき二人揃って呼び掛ける。その声と視線に気づいた時枝が、思考の底から浮上し反応する