33.自覚の曲~助っ人再び~
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「!!……かなり重要な内容みたいだね。それも、昨日の体調不良まで関係するなんて、…でもおれ達に話しても大丈夫なの?」
『……少なくとも、二人なら平気だと思うの。だってさっき、…嫌じゃなかったから…触れられても。気のせいかも知れないけど……私にはその人を信じる理由としては十分だから』
「……何か柚紀ちゃんに対して、佐鳥は初めて共感を持てる事な気がします!!どちらかと言うと、とっきー寄りの思考かなと思ってましたから」
柚紀にしては珍しく根拠のない言葉に、佐鳥は嬉しさを滲ませる一方で時枝は些か呆れた表情を浮かべていた。そんな各々の反応を見て苦笑いを浮かべた後に、柚紀は話始める。先ずは
『先程のサイドエフェクトに関する話の続きから話すね。コレね、結構簡単な答えだったの……"あるモノを身に付けていない"ただ、それだけが理由だったの』
「ん?身に付けるもの、身に付け………あ!あれかな?何時も首から下げてたあの綺麗な翠の!!え?あれってそんなに凄いものなの?」
「……そう言えば、初めて会った日からほぼずっと身に付けてるから、普通じゃ気付けないよね。あれは一体なんなの?」
分からない風な反応を示す二人だが、予想がついている。柚紀のサイドエフェクトは特性上"トリオン"と密接な関係でありが、今のこちら側でその"条件"に該当する答えは一つしかないのだから。一瞬躊躇した柚紀だが、あの石について明かし始める
『アレは……お父さんからの最後の贈り物なの。それも届いたのが、……お父さんが死んだ訃報と一緒に…"コレを誕生日プレゼントに"って。……これじゃあまるで…遺産だよね』
「っ!……で、でも、柚紀ちゃんにとっては大切なモノだよね!?ずっと身に付け……あれ?でも今日…身に付けてないのは、どうして?」
「理由は石の正体が…"トリガー"だから、だよね?それも未知数の、そうでしょ鶴ヶ峰さん」
父親の話になり寂しそうな表情を浮かべる柚紀を見て、慌てて何かを言おうとする佐鳥だったが胸元に石が無い事に気づき首を傾げる。そんな中、話を進める為に石の正体をキッパリ言い当てる時枝。…佐鳥も分かっていたらしく驚かなかった
『やっぱり、分かっちゃうよね。…うん、どうやら近界独自の性能を持つ未知なトリガー、らしいの。ボーダーで使用するのと規格が違うせいで今は調査中だから手元にないの。…とは言っても私のトリオンにしか反応を示さないから、流石に鬼怒田さんも困ってた"これが翠でなく黒なら理屈はわかるが"ってボヤキながら。……色が何か意味あるの?言実さんもこの事については口を閉ざしてるし…』
「!!……えっと、…佐鳥達も意味は知っているよ?でもおつるちゃんが話していないなら……話すわけには」
「…言実さんも"今は"鶴ヶ峰さんに話さないだけ。まだボーダーに来て間もないし、焦る必要はないよ。それでも……もし知りたいなら迅さんに聞いてみて。あの人は…」
『迅さん?…なら、今はこのままでいいや。教えてくれないって事は…きっと……そう視えていないわけ……だもんね。困らせて、ごめんね二人とも』
"トリガー"そして"黒"の言葉。…二人とも何故言実が詳細を話していないか瞬時に理解し表情を曇らせる。そして時枝から迅の名を聞いた柚紀は、話を切り上げる事にして謝罪する
「柚紀ちゃんが、謝る事じゃないよ!!…力になれない佐鳥達が悪いから……」
「(パンパン)…話を切り替えようか。とりあえず、……鶴ヶ峰さん自身もサイドエフェクト使えるよね?…そこまで効果が違うの?」
『(コクン)……今はまだ未熟だから…歌を使わないと能力を使えないのが現状なの。更に、アレがなければ範囲が先ず極端に狭くなるの。私がもっと制御や操作が上達すれば話は別、…そもそも作用条件もかなり複雑なんだよね』
柚紀から謝罪をされてしまい、焦る佐鳥を見て時枝が手を叩いて二人の気を引き、話をサイドエフェクト関係に移行する。それに乗った柚紀だが表情が晴れない事に対して、空気を変えるために思わず挙手をしてから佐鳥がこう告げた
「(パッ)柚紀ちゃん先生!!佐鳥にも理解出来る感じに説明が欲しいです。…ほらさっきみたいなこう、"ほんわか"で大丈夫だから!?」
『…私は先生じゃないよ佐鳥くん。そうだな……二人の前に敵が現れたら"戦うぞ"、"危険だから倒すぞ"みたいな気持ちには勿論なるでしょ?それに対して私が"頑張れ"や"倒して"って感じに相手の気持ちに寄り添う?同調?……まぁ、そんな感じの気持ちを込めて歌えば、二人に私のトリオンが作用して戦いやすくなるって仕組だけど……分かる?』
「うん大丈夫、……おれも理解出来たよ。説明有り難う鶴ヶ峰さん((……佐鳥、万が一でも彼女が"自分を蔑ろにする言葉"を言おうとしたら止めて。…理由は後で話すから))」
「佐鳥もバッチリ!!やっぱり柚紀ちゃんは教え上手だよね~……(パン)また勉強見てください!?((???よく分からないけど、了解だよ))」
『……機会があれば、ね』
柚紀の為にと、時枝は内部通信を使って一つ頼み事をする。それに対して佐鳥は理解は出来てないが了承を返した。何故時枝がこんな事を言ったかと言うと
「(あの石の出所も気になるけど、……鶴ヶ峰さんは"本来の能力"を出せていないだけだ。だって言実さんが付けた彼女のサイドエフェクトの"名称"は…)」