32.演奏の曲~旋律を手繰る~
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~スナイパー用訓練施設~
夏休み中な影響もあり合同練習がなくても、個人練習で使用するスナイパー職の隊員は途絶えることはなく、常に銃声が響き渡っていた。その中でも一際に目立つ赤色の服
‐ ドーン ドーン ドーン ‐
時折、的をチェックしながら佐鳥が射撃練習に勤しんでいた。別に練習をサボったりはしない彼だが此処まで長時間練習が継続するのは珍しく、それだけ集中しているのだ
「(ん~、やっぱり命中率が下がってる?…ここ最近、出来るときと出来ないときの差が激しいのは何でだ?ランク戦はもう終わるとは言えど、このままじゃ防衛任務に支障が出る可能性あるし、別に前と変わった事や特別な出来事なんて何も……あ、でも…)…そう言えば今日柚紀ちゃんに勉強会に誘われたっけ?でも今日は元から自主練って決めてたし、……とっきーも行かないって言ってたからオレも……って嫌々そんな事はないはず、だ。全ての女性が好きな佐鳥が"一人に対してだけ"ここまで顕著に現れるん何て、…一度も……だ~!!…一回休憩しよ」
最近、調子の落差が激しいのは、流石に本人も承知済みで原因を考えていたら、不意に柚紀の顔が頭に浮かんだ佐鳥。だが直ぐ様否定した、今までのこのような体験をしたことがない佐鳥は、どうしてなのか分からないが、このままじゃ練習しても無駄な気がしてブースを出た、その時
‐ 消え…飛行……… …たち………った ‐
「!!えっ、なんで……ってあれ?」
微かにだが確かに聴こえてきた歌声に佐鳥は驚いた。が、周囲の様子を見て直ぐに疑問が生まれた。自分以外は何事もなく平然としているのだ。柚紀がボーダーに来た初日に起きた歌騒動の時は、"一曲通しで聴こえた"と、体験者から聞いたし柚紀を知っている人も同じだった。それに今は聴こえなくなった
「(え?オレの空耳?た、確かに今柚紀ちゃんの事を考えてたし、……また歌聞きたいとか思うよ?だって上層部が嵐山隊に模擬試験協力の許可をくれな……)」
‐ …なかった…… 悔しさに… ‐
「!!?(間違いない!聴こえづらいけど確かに歌が聴こえてくるっ!?でも、以前と違うのはどうして……まさかっ!)…彼女の身に何か……っ!!(ダッ!)」
柚紀の事を丁度考えていたから都合のよい幻聴か?と、聞き流そうとしたがまた聴こえてきた歌声に、佐鳥は今度は疑う事なく反射的に廊下を目指して走り出す。…理由は分からないが柚紀の歌声が聴こえたのは確かだからだ。訓練施設から出ようとした時に誰かにぶつかりそうになったが、持ち前の反射神経で回避。その相手は東だった
「っと。…佐鳥か?急いでいるみたいだが、どうした?」
「あ、東さんっ!?…あ、柚紀ちゃん何処に居るか知ってますか?確かおつるちゃんが留守の間、東さんの所に居るって!!」
‐ …つか風を… 届かない…所… ‐
例の勉強会に誘われた事もあり、柚紀の行動を把握している佐鳥は今まで柚紀の一番側に居たであろう東に居場所を訊ねる。…歌が終わったら柚紀の元へ辿り着けない気がして焦っていた
「事情は分からないが、鶴ヶ峰とは少し前にラウンジで別れたぞ。何かやりたいことがあるらしくてな。言実さんなら全て知っている筈だから、聞いてみなさい」
「!おつるちゃんですね?!有り難う御座います東さん!!あ、佐鳥急ぎますのでコレで失礼します!?」
‐ 幼かった…… …希望を ‐
柚紀に関する有力な情報が入手出来たことに対する感謝を東に伝えれば、佐鳥はポケットから携帯を取り出して操作をしながら、足早にエレベーターホールへと続く道を進んでいく。それを見えなくなるまで見送った東は、少し考える素振りをみせる
「(佐鳥のあの慌てっぷりからして、鶴ヶ峰に何かあったのか?たが言実さんの様子からして、身の危険があるような事はない筈だし、緊急の連絡もなし)……ま、当人達で何とかなるだろ」
‐ 、 ‐
そう結論付けて訓練施設に入る東の耳にも柚紀の歌声は聴こえていない様子だった
夏休み中な影響もあり合同練習がなくても、個人練習で使用するスナイパー職の隊員は途絶えることはなく、常に銃声が響き渡っていた。その中でも一際に目立つ赤色の服
‐ ドーン ドーン ドーン ‐
時折、的をチェックしながら佐鳥が射撃練習に勤しんでいた。別に練習をサボったりはしない彼だが此処まで長時間練習が継続するのは珍しく、それだけ集中しているのだ
「(ん~、やっぱり命中率が下がってる?…ここ最近、出来るときと出来ないときの差が激しいのは何でだ?ランク戦はもう終わるとは言えど、このままじゃ防衛任務に支障が出る可能性あるし、別に前と変わった事や特別な出来事なんて何も……あ、でも…)…そう言えば今日柚紀ちゃんに勉強会に誘われたっけ?でも今日は元から自主練って決めてたし、……とっきーも行かないって言ってたからオレも……って嫌々そんな事はないはず、だ。全ての女性が好きな佐鳥が"一人に対してだけ"ここまで顕著に現れるん何て、…一度も……だ~!!…一回休憩しよ」
最近、調子の落差が激しいのは、流石に本人も承知済みで原因を考えていたら、不意に柚紀の顔が頭に浮かんだ佐鳥。だが直ぐ様否定した、今までのこのような体験をしたことがない佐鳥は、どうしてなのか分からないが、このままじゃ練習しても無駄な気がしてブースを出た、その時
‐ 消え…飛行……… …たち………った ‐
「!!えっ、なんで……ってあれ?」
微かにだが確かに聴こえてきた歌声に佐鳥は驚いた。が、周囲の様子を見て直ぐに疑問が生まれた。自分以外は何事もなく平然としているのだ。柚紀がボーダーに来た初日に起きた歌騒動の時は、"一曲通しで聴こえた"と、体験者から聞いたし柚紀を知っている人も同じだった。それに今は聴こえなくなった
「(え?オレの空耳?た、確かに今柚紀ちゃんの事を考えてたし、……また歌聞きたいとか思うよ?だって上層部が嵐山隊に模擬試験協力の許可をくれな……)」
‐ …なかった…… 悔しさに… ‐
「!!?(間違いない!聴こえづらいけど確かに歌が聴こえてくるっ!?でも、以前と違うのはどうして……まさかっ!)…彼女の身に何か……っ!!(ダッ!)」
柚紀の事を丁度考えていたから都合のよい幻聴か?と、聞き流そうとしたがまた聴こえてきた歌声に、佐鳥は今度は疑う事なく反射的に廊下を目指して走り出す。…理由は分からないが柚紀の歌声が聴こえたのは確かだからだ。訓練施設から出ようとした時に誰かにぶつかりそうになったが、持ち前の反射神経で回避。その相手は東だった
「っと。…佐鳥か?急いでいるみたいだが、どうした?」
「あ、東さんっ!?…あ、柚紀ちゃん何処に居るか知ってますか?確かおつるちゃんが留守の間、東さんの所に居るって!!」
‐ …つか風を… 届かない…所… ‐
例の勉強会に誘われた事もあり、柚紀の行動を把握している佐鳥は今まで柚紀の一番側に居たであろう東に居場所を訊ねる。…歌が終わったら柚紀の元へ辿り着けない気がして焦っていた
「事情は分からないが、鶴ヶ峰とは少し前にラウンジで別れたぞ。何かやりたいことがあるらしくてな。言実さんなら全て知っている筈だから、聞いてみなさい」
「!おつるちゃんですね?!有り難う御座います東さん!!あ、佐鳥急ぎますのでコレで失礼します!?」
‐ 幼かった…… …希望を ‐
柚紀に関する有力な情報が入手出来たことに対する感謝を東に伝えれば、佐鳥はポケットから携帯を取り出して操作をしながら、足早にエレベーターホールへと続く道を進んでいく。それを見えなくなるまで見送った東は、少し考える素振りをみせる
「(佐鳥のあの慌てっぷりからして、鶴ヶ峰に何かあったのか?たが言実さんの様子からして、身の危険があるような事はない筈だし、緊急の連絡もなし)……ま、当人達で何とかなるだろ」
‐ 、 ‐
そう結論付けて訓練施設に入る東の耳にも柚紀の歌声は聴こえていない様子だった