31.幕間の曲
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二人とも自己紹介が無事に終わり、三人で一つのテーブルを使い各自で勉強、分からない箇所はまず互いに教え合い、それでも分からなければ東に聞く、そんな感じに決まった。東は邪魔にならないように少し離れた席に座って様子を見ることに
「(さて、最初に俺の所に来るのは誰になるか?一番有り得そうなのが、小荒井が無理に難しい問題に手を出して…だな。奥寺は暫くはないとして……鶴ヶ峰は学力や行動パターンがまだ分からないから保留としても、"アイツは他人を頼るのが苦手"って諏訪がぼやいていたから此方も直ぐには来ないか?)」
等考えながら暇潰し用に持ってきた本を読み始める。十数ページ捲った辺りでこちらにちかづく足音に気付いて視線を上げて東は目を見張る。…最初に来たのは意外にも柚紀だった
『あ、あの聞いても大丈夫ですか?……東さん?』
「あ、あぁ。すまない、君が一番に来るとは思っていなかったから少し驚いてね」
何も言わない東に不安そうに声をかける柚紀の声を聞いて、謝罪と理由を返しながら向こう側に居る二人の様子を観察する。時々手は止まるが、ちゃんと勉強をしている。予想外な事に小荒井の方がペンが動いている風に見える。東の視線の先と、二人の…特に小荒井の性格分析を元に推測をした事を柚紀が話し出す
『………やっぱり小荒井くんは、勉強があまり好きじゃないみたいですね。今は小荒井くんはひたすら基礎問題を、奥寺くんは基礎と応用が混在したプリントを解いています。最初は小荒井くん、基礎より応用問題やるって意地になっていたので、…ちょっと悪戯してレベルの高いプリントを試しに渡したらものの十秒程で諦めてくれました』
「……凄いな鶴ヶ峰は、この短時間で小荒井の扱い方を見出だすなんて。それと、二人にも勉強道具を持参させたが、プリントって事は君が用意したのかい?………よく二人に見合ったレベルのを用意出来たね?」
立ち話もなので、柚紀に座るように促しながら彼女の話を聞いたが、たかが数分にも関わらずそれだけの洞察力を発揮する柚紀に対して素直に称賛の声を告げる東もまた、柚紀についての推測をしていた。持っている問題集のコピーであろうプリント内容を一瞥したが、学力は確実に高い、恐らくに進学校に通じる程の。ならば、自分が使わないレベルの問題集を持つ理由がないし、柚紀は元は市外の人間だ。地域が違えば扱う教科書も違って、三門市の中学学力レベルを知る術もない筈と。東の言い分を理解するのに少し時間が掛かったが、合点が行くと少し躊躇しながら理由を話す
『その、ですね。……嵐山隊の二人が隊室で、勉強している所に、たまたまお邪魔して………教えたことがあります。…ほぼ佐鳥くん相手にですが。それで、佐鳥くんは持っていた問題集が手付かずだったので拝借して一通りコピーを。…時枝くんは佐鳥くんよりは出来ていてあまり手伝いませんでしたが、……少しは役に立てたなら良いな。何かと彼にもお世話になってますから、……さりげなさ過ぎて気づきづらいですがね。あ、えっと……プリントの経由はこんな感じです。後、用意した理由ですが……自分で持っている勉強道具を一度使うと再度同じ箇所勉強するのに不便かなと思ったので。……何事も、基礎をしっかり覚えるのと出来るまで何度も繰り返しが重要ですから』
「成る程な、…変な事を聞いて悪かった鶴ヶ峰。で、何処が分からないのかな?」
『えっとですね……』
分からない箇所を説明する柚紀は真剣な表情に戻っていた。…先程、嵐山隊の事を話した時は、とても嬉しそうにしていた。本人は気づいていないかも知れないがあれは…と推測した上で、あの表情を見た東は柚紀に関する事で思考を巡らせる
「(恐らく鶴ヶ峰にとって嵐山隊の…"二人"の存在は特別なんだろう。そして逆も然り。……ここ最近佐鳥が一段と訓練に精を出している。それは良い事ではあるが、出来の良さにムラが目立つのは、少なからず彼女の存在が影響を与えているのかもな。時枝は実際に見ていないから分からないが、…彼奴のあの然り気無い気遣いに気付ける者はそういない。それに気づき、更に感謝されるのは嬉しい筈だ)」
「(さて、最初に俺の所に来るのは誰になるか?一番有り得そうなのが、小荒井が無理に難しい問題に手を出して…だな。奥寺は暫くはないとして……鶴ヶ峰は学力や行動パターンがまだ分からないから保留としても、"アイツは他人を頼るのが苦手"って諏訪がぼやいていたから此方も直ぐには来ないか?)」
等考えながら暇潰し用に持ってきた本を読み始める。十数ページ捲った辺りでこちらにちかづく足音に気付いて視線を上げて東は目を見張る。…最初に来たのは意外にも柚紀だった
『あ、あの聞いても大丈夫ですか?……東さん?』
「あ、あぁ。すまない、君が一番に来るとは思っていなかったから少し驚いてね」
何も言わない東に不安そうに声をかける柚紀の声を聞いて、謝罪と理由を返しながら向こう側に居る二人の様子を観察する。時々手は止まるが、ちゃんと勉強をしている。予想外な事に小荒井の方がペンが動いている風に見える。東の視線の先と、二人の…特に小荒井の性格分析を元に推測をした事を柚紀が話し出す
『………やっぱり小荒井くんは、勉強があまり好きじゃないみたいですね。今は小荒井くんはひたすら基礎問題を、奥寺くんは基礎と応用が混在したプリントを解いています。最初は小荒井くん、基礎より応用問題やるって意地になっていたので、…ちょっと悪戯してレベルの高いプリントを試しに渡したらものの十秒程で諦めてくれました』
「……凄いな鶴ヶ峰は、この短時間で小荒井の扱い方を見出だすなんて。それと、二人にも勉強道具を持参させたが、プリントって事は君が用意したのかい?………よく二人に見合ったレベルのを用意出来たね?」
立ち話もなので、柚紀に座るように促しながら彼女の話を聞いたが、たかが数分にも関わらずそれだけの洞察力を発揮する柚紀に対して素直に称賛の声を告げる東もまた、柚紀についての推測をしていた。持っている問題集のコピーであろうプリント内容を一瞥したが、学力は確実に高い、恐らくに進学校に通じる程の。ならば、自分が使わないレベルの問題集を持つ理由がないし、柚紀は元は市外の人間だ。地域が違えば扱う教科書も違って、三門市の中学学力レベルを知る術もない筈と。東の言い分を理解するのに少し時間が掛かったが、合点が行くと少し躊躇しながら理由を話す
『その、ですね。……嵐山隊の二人が隊室で、勉強している所に、たまたまお邪魔して………教えたことがあります。…ほぼ佐鳥くん相手にですが。それで、佐鳥くんは持っていた問題集が手付かずだったので拝借して一通りコピーを。…時枝くんは佐鳥くんよりは出来ていてあまり手伝いませんでしたが、……少しは役に立てたなら良いな。何かと彼にもお世話になってますから、……さりげなさ過ぎて気づきづらいですがね。あ、えっと……プリントの経由はこんな感じです。後、用意した理由ですが……自分で持っている勉強道具を一度使うと再度同じ箇所勉強するのに不便かなと思ったので。……何事も、基礎をしっかり覚えるのと出来るまで何度も繰り返しが重要ですから』
「成る程な、…変な事を聞いて悪かった鶴ヶ峰。で、何処が分からないのかな?」
『えっとですね……』
分からない箇所を説明する柚紀は真剣な表情に戻っていた。…先程、嵐山隊の事を話した時は、とても嬉しそうにしていた。本人は気づいていないかも知れないがあれは…と推測した上で、あの表情を見た東は柚紀に関する事で思考を巡らせる
「(恐らく鶴ヶ峰にとって嵐山隊の…"二人"の存在は特別なんだろう。そして逆も然り。……ここ最近佐鳥が一段と訓練に精を出している。それは良い事ではあるが、出来の良さにムラが目立つのは、少なからず彼女の存在が影響を与えているのかもな。時枝は実際に見ていないから分からないが、…彼奴のあの然り気無い気遣いに気付ける者はそういない。それに気づき、更に感謝されるのは嬉しい筈だ)」