28.休息の曲・三番
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色々あったが各々で話が纏まった事に安堵した歌川は、とりあえず状況報告の為に回線を繋いだ。…会話内容が周囲に知られたらマズくなる可能性を視野に入れて隅に移動し、他人に聞かれない様に細心の注意を払う
「こちら歌川、鶴ヶ峰の身柄を無事に嵐山隊への委託完了。これより護送に移ります」
〔風間だ、状況を把握した。外ほどの距離はないが念のために宇佐美に嵐山隊のフォローさせる。お前は一度菊地原と合流して、言実さんのラボから鶴ヶ峰の看病に使う"あるもの"を運んでもらう。言実さんからの許可は取ってあるから合流したら宇佐美に連絡しろ、カギを開けさせる〕
〔早く来てよね歌川、こっちは"害虫"多くて駆除大変なんだから。ったくどれだけ湧き出てくるのさ、キリがないってコレ〕
「こちらも"ネズミ"が蔓延っていましたが、体よく追っ払う感じですね。そこまでしつこさもありませんでした」
〔……鶴ヶ峰に手を出すのは別に悪手ではない。上手く決まれば効果は絶大、だが失敗する可能性もあるしそれなりのリスクを伴う。……今の現状なら"本命"を直接狙う方が何時もよりは効果的だからな〕
「それ程の事態に言実さんが陥っているのですか?……あの人に一体なにがあったのですか?」
〔……まぁあれでも言実さんも一人の人間であり、女性な訳だから仕方ないんじゃない?普段の態度とかからじゃ、僕ですら想像し難いけどね。……あんなに強くても、それを発揮出来なきゃ意味がない。幾らあの人でも、虎の子であるトリオン体が使用不可になればこうなるよ。にしても、…システムエラーで数日は換装不可になるって一体何をすればそうなるのさ?あの人だって馬鹿じゃないでしょ?こうなるの位は知っていた筈なのにさ、生身まで影響出してまでする普通??それと………その原因はどんな感じなの歌川、僕らがこれだけ頑張っているのに、普段通りとかだったらムカつくけど、流石にそうじゃないだろ?……死んではない…よね?〕
「冗談でもそんな縁起でもない事を言うなよ菊地原。……鶴ヶ峰に関しては命に別状は確かにないが、無事とも言い難い状況だ。事態が落ち着くまで警戒が必要だと俺は思いますが…風間さんはどう思いますか?」
何時もの様に冷静に的確な指示を出す風間に対して、苛つきからとも二人が心配だからとも判断出来る程いつも以上に毒舌な菊地原。それらを聞いた上で歌川も意見を述べて風間の指示を仰ぐ、すると先程とは少し違う声音の返事が返ってきた
〔俺達は任務を遂行するまでだ、内容もさっき決めた通りで変更はない。……鶴ヶ峰は嵐山隊の元に言実さんは冬島隊の元に居る、ならば心置きなく徹底的に障害を排除するのみだ。…誰が相手だろうと手は抜くな〕
「〔了解!!〕」
こんな感じでの会話を終えて回線を切る歌川。…今回に限っては流石の風間も怒らずにはいられない、それだけの事態になってしまったのだから。この一件で柚紀は色んな意味で"重要視"される存在になったと改めて感じる歌川だが、嵐山隊からの視線に気付き思考を切り換えると任務続行の為にそのまま諏訪隊室を後にする流れとなった
それから嵐山達は検査の二人と歌川とは途中で別れ、隊室に戻れば不安で泣きそうな表情をして待っていた綾辻に出迎えられた。詳細を説明している途中、歌川と菊地原が言実の指示で"あるもの"を届けに訪れ、互いに情報交換をした後に二人は任務に戻っていった。全て話を聞いた綾辻は泣かなかったが、まだ見ぬ敵に怒りを燃やし「そんな人には絶対、柚紀ちゃんを触れさせたりはしません!!ですよね皆さん?!?」と意気込みを発表した。こう言う時の女性は強いのだった。その後言実との連絡が無事に取れて『最低でもトリオン体が使用不可の間は柚紀を頼む』と保護者からも改めてお願いされるのであった
今は夏休み中なので、柚紀の看護が数日単位になるのは構わないが、嵐山達もずっと基地に居る訳にも行かない。が、とりあえず今日は全員で寝泊まりが確定し、綾辻は女子であることを考慮してベイルアウト用のマットがある部屋で夜は休むことになり、残り三人は交代で休み一人は必ず起きている事に決まった。因みに柚紀も三人と同じ部屋で寝かせている。最初は綾辻に任せるべきとの案も上がったが、女子一人での看護は難しいのと、万が一に夜中に目が覚めた時に誰かが起きていないと柚紀が困るのは容易に想像出来てしまったからである。……それらの出来事の間も、全員が起きている間も柚紀は目を覚ます事なく昏々と眠り続けていたのであった
「こちら歌川、鶴ヶ峰の身柄を無事に嵐山隊への委託完了。これより護送に移ります」
〔風間だ、状況を把握した。外ほどの距離はないが念のために宇佐美に嵐山隊のフォローさせる。お前は一度菊地原と合流して、言実さんのラボから鶴ヶ峰の看病に使う"あるもの"を運んでもらう。言実さんからの許可は取ってあるから合流したら宇佐美に連絡しろ、カギを開けさせる〕
〔早く来てよね歌川、こっちは"害虫"多くて駆除大変なんだから。ったくどれだけ湧き出てくるのさ、キリがないってコレ〕
「こちらも"ネズミ"が蔓延っていましたが、体よく追っ払う感じですね。そこまでしつこさもありませんでした」
〔……鶴ヶ峰に手を出すのは別に悪手ではない。上手く決まれば効果は絶大、だが失敗する可能性もあるしそれなりのリスクを伴う。……今の現状なら"本命"を直接狙う方が何時もよりは効果的だからな〕
「それ程の事態に言実さんが陥っているのですか?……あの人に一体なにがあったのですか?」
〔……まぁあれでも言実さんも一人の人間であり、女性な訳だから仕方ないんじゃない?普段の態度とかからじゃ、僕ですら想像し難いけどね。……あんなに強くても、それを発揮出来なきゃ意味がない。幾らあの人でも、虎の子であるトリオン体が使用不可になればこうなるよ。にしても、…システムエラーで数日は換装不可になるって一体何をすればそうなるのさ?あの人だって馬鹿じゃないでしょ?こうなるの位は知っていた筈なのにさ、生身まで影響出してまでする普通??それと………その原因はどんな感じなの歌川、僕らがこれだけ頑張っているのに、普段通りとかだったらムカつくけど、流石にそうじゃないだろ?……死んではない…よね?〕
「冗談でもそんな縁起でもない事を言うなよ菊地原。……鶴ヶ峰に関しては命に別状は確かにないが、無事とも言い難い状況だ。事態が落ち着くまで警戒が必要だと俺は思いますが…風間さんはどう思いますか?」
何時もの様に冷静に的確な指示を出す風間に対して、苛つきからとも二人が心配だからとも判断出来る程いつも以上に毒舌な菊地原。それらを聞いた上で歌川も意見を述べて風間の指示を仰ぐ、すると先程とは少し違う声音の返事が返ってきた
〔俺達は任務を遂行するまでだ、内容もさっき決めた通りで変更はない。……鶴ヶ峰は嵐山隊の元に言実さんは冬島隊の元に居る、ならば心置きなく徹底的に障害を排除するのみだ。…誰が相手だろうと手は抜くな〕
「〔了解!!〕」
こんな感じでの会話を終えて回線を切る歌川。…今回に限っては流石の風間も怒らずにはいられない、それだけの事態になってしまったのだから。この一件で柚紀は色んな意味で"重要視"される存在になったと改めて感じる歌川だが、嵐山隊からの視線に気付き思考を切り換えると任務続行の為にそのまま諏訪隊室を後にする流れとなった
それから嵐山達は検査の二人と歌川とは途中で別れ、隊室に戻れば不安で泣きそうな表情をして待っていた綾辻に出迎えられた。詳細を説明している途中、歌川と菊地原が言実の指示で"あるもの"を届けに訪れ、互いに情報交換をした後に二人は任務に戻っていった。全て話を聞いた綾辻は泣かなかったが、まだ見ぬ敵に怒りを燃やし「そんな人には絶対、柚紀ちゃんを触れさせたりはしません!!ですよね皆さん?!?」と意気込みを発表した。こう言う時の女性は強いのだった。その後言実との連絡が無事に取れて『最低でもトリオン体が使用不可の間は柚紀を頼む』と保護者からも改めてお願いされるのであった
今は夏休み中なので、柚紀の看護が数日単位になるのは構わないが、嵐山達もずっと基地に居る訳にも行かない。が、とりあえず今日は全員で寝泊まりが確定し、綾辻は女子であることを考慮してベイルアウト用のマットがある部屋で夜は休むことになり、残り三人は交代で休み一人は必ず起きている事に決まった。因みに柚紀も三人と同じ部屋で寝かせている。最初は綾辻に任せるべきとの案も上がったが、女子一人での看護は難しいのと、万が一に夜中に目が覚めた時に誰かが起きていないと柚紀が困るのは容易に想像出来てしまったからである。……それらの出来事の間も、全員が起きている間も柚紀は目を覚ます事なく昏々と眠り続けていたのであった