28.休息の曲・三番
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「その言実さんをお待たせさせているかも知れないし、俺達は検査に行こうか日佐人。(ポン)…心配なのは分かるけど此処は嵐山くん達に任せて俺達は今すべき事をやろう?」
「………俺だってその位分かってますよ。でもその前にせめて…」
話も纏まったのでこの場では年長である堤が、次の行動に移るために笹森を促せば、反論はしないが気持ちを切り替える為にと考えて時枝の……柚紀の側に行けば、眠りを邪魔しないように恐る恐る手を伸ばして頭に触れてゆっくり撫でる笹森。その表情は不安や名残惜しさが滲み出ていたが、手を離して少し距離を取れば時枝と佐鳥を其々一瞥し
「佐鳥、時枝……鶴ヶ峰の事を頼む」
「大丈夫大丈夫、佐鳥達にお任せあれ!…必ず守ってみせるよ。な?とっきー」
「うん、だから笹森は心配しないでちゃんと検査を受けてくれ。そうなると、おれ達も移動だから……嵐山さん、鶴ヶ峰さんを運ぶのお願いしても良いですか?」
「「「「「「えっ??!」」」」」」
「……おれ何か変なこと言いましたか?」
笹森の気持ちを受け取り、力強く断言する二人。堤達が移動なら自分達も隊室に戻るべきと考えた時枝が自然な流れで嵐山に柚紀を託そうとするが、全員に驚かれて意外そうな表情を浮かべる。不思議そうに首を傾げている時枝に対して、一番最初に正気に戻った嵐山が咳払いをして話始める
「えっとだな、今回は充に柚紀ちゃんを運んで欲しい。……万が一誰かと鉢合わせしても、俺と賢が咄嗟に壁になれば何とかなるだろうし」
「……まぁ、確かに二人よりはおれの方が身長低いですからね。……嵐山さんがそう言うならおれが運びます。よく考えればジャケット脱いだおれの姿は変に目立つ、…つまりは鶴ヶ峰さんの存在に気付かれてしまう可能性もある以上対策は必要ですね」
隊長の言葉を素直に受け入れた時枝は、絶妙な力加減で柚紀が起きないように支えながら立ち上がれば肩にジャケットを掛けたままの状態で器用に抱き上げる。ふと、ポケットから白い携帯が落ちかけているのに気付き佐鳥に声を掛ける
「悪いけど佐鳥、鶴ヶ峰さんの携帯が落ちそうだから取ってくれない?それと彼女の荷物も宜しく」
「了解っと!………それにしても柚紀ちゃん本当によく眠ってるね。さっきもだけど…全然起きる気配ないや」
「それだけトリオン量が減少して体が休息を欲しているんだよ。なのに目覚めた…佐鳥何か彼女にやらかしたりしてないよね?」
「(ブンブン)や、やってないからね!?ちゃんとおつるちゃんの言い付けだって守ったし、オレのせいじゃないよ!……(ボソッ)多分」
未だに寒いのか、人肌求めて抱き上げた時枝にすり寄ってくるが深く寝入っている柚紀を携帯を回収しながら寝顔を見つめる佐鳥に、完全ではないにしろ意識が覚醒した原因が佐鳥じゃないかと時枝は訊ねる。最後に一言余計なのがあるが力強く否定する佐鳥
そんなやり取りを見つめる笹森は何やら複雑な表情をしていた。あれだけ柚紀が至近距離にいるのに顔色一つ変わらないし、触れるのだって造作もない。自分は近付くのも触る時も緊張して一苦労しているのに…と
笹森の心情を察した堤が慰めの意を込めて軽く肩を叩く。……今日初めて会ったとは言え、好きになった子の側に自分じゃない男が居るのを見るのは、誰だって気持ちが良くない光景なのだから。そんな様子を見つめる小佐野と嵐山はと言うと
「……もしかしなくても、笹森は柚紀ちゃんの事…」
「まぁ、あれだけあからさまだと流石に気づきますよね?…所謂"一目惚れ"です。でも嵐山さん、……そっちの二人だって、その可能性ありますよね?」
「ん?……どうだろうな。本人達が認めない限り俺は下手に口出しもせずに、見守るだけだ。だがずっと傍観に徹する訳じゃない、状況に寄っては諭し、最悪の場合は口や手を出す。…それが部下を率いる隊長の役目だ、きっと諏訪さんもそうじゃないかな?通常でも……柚紀ちゃんに関する事でも」
「成る程、流石嵐山さん!!…なら私は私の役割を全うします、恨んだりしないで下さいね?」
「あぁ、勿論だ」
本人達が知らない所で人は各々の為に行動をする。それは当たり前の事だが、とても大切な事である……それをこの騒動を通じて改めて考えさせられる事となった
「………俺だってその位分かってますよ。でもその前にせめて…」
話も纏まったのでこの場では年長である堤が、次の行動に移るために笹森を促せば、反論はしないが気持ちを切り替える為にと考えて時枝の……柚紀の側に行けば、眠りを邪魔しないように恐る恐る手を伸ばして頭に触れてゆっくり撫でる笹森。その表情は不安や名残惜しさが滲み出ていたが、手を離して少し距離を取れば時枝と佐鳥を其々一瞥し
「佐鳥、時枝……鶴ヶ峰の事を頼む」
「大丈夫大丈夫、佐鳥達にお任せあれ!…必ず守ってみせるよ。な?とっきー」
「うん、だから笹森は心配しないでちゃんと検査を受けてくれ。そうなると、おれ達も移動だから……嵐山さん、鶴ヶ峰さんを運ぶのお願いしても良いですか?」
「「「「「「えっ??!」」」」」」
「……おれ何か変なこと言いましたか?」
笹森の気持ちを受け取り、力強く断言する二人。堤達が移動なら自分達も隊室に戻るべきと考えた時枝が自然な流れで嵐山に柚紀を託そうとするが、全員に驚かれて意外そうな表情を浮かべる。不思議そうに首を傾げている時枝に対して、一番最初に正気に戻った嵐山が咳払いをして話始める
「えっとだな、今回は充に柚紀ちゃんを運んで欲しい。……万が一誰かと鉢合わせしても、俺と賢が咄嗟に壁になれば何とかなるだろうし」
「……まぁ、確かに二人よりはおれの方が身長低いですからね。……嵐山さんがそう言うならおれが運びます。よく考えればジャケット脱いだおれの姿は変に目立つ、…つまりは鶴ヶ峰さんの存在に気付かれてしまう可能性もある以上対策は必要ですね」
隊長の言葉を素直に受け入れた時枝は、絶妙な力加減で柚紀が起きないように支えながら立ち上がれば肩にジャケットを掛けたままの状態で器用に抱き上げる。ふと、ポケットから白い携帯が落ちかけているのに気付き佐鳥に声を掛ける
「悪いけど佐鳥、鶴ヶ峰さんの携帯が落ちそうだから取ってくれない?それと彼女の荷物も宜しく」
「了解っと!………それにしても柚紀ちゃん本当によく眠ってるね。さっきもだけど…全然起きる気配ないや」
「それだけトリオン量が減少して体が休息を欲しているんだよ。なのに目覚めた…佐鳥何か彼女にやらかしたりしてないよね?」
「(ブンブン)や、やってないからね!?ちゃんとおつるちゃんの言い付けだって守ったし、オレのせいじゃないよ!……(ボソッ)多分」
未だに寒いのか、人肌求めて抱き上げた時枝にすり寄ってくるが深く寝入っている柚紀を携帯を回収しながら寝顔を見つめる佐鳥に、完全ではないにしろ意識が覚醒した原因が佐鳥じゃないかと時枝は訊ねる。最後に一言余計なのがあるが力強く否定する佐鳥
そんなやり取りを見つめる笹森は何やら複雑な表情をしていた。あれだけ柚紀が至近距離にいるのに顔色一つ変わらないし、触れるのだって造作もない。自分は近付くのも触る時も緊張して一苦労しているのに…と
笹森の心情を察した堤が慰めの意を込めて軽く肩を叩く。……今日初めて会ったとは言え、好きになった子の側に自分じゃない男が居るのを見るのは、誰だって気持ちが良くない光景なのだから。そんな様子を見つめる小佐野と嵐山はと言うと
「……もしかしなくても、笹森は柚紀ちゃんの事…」
「まぁ、あれだけあからさまだと流石に気づきますよね?…所謂"一目惚れ"です。でも嵐山さん、……そっちの二人だって、その可能性ありますよね?」
「ん?……どうだろうな。本人達が認めない限り俺は下手に口出しもせずに、見守るだけだ。だがずっと傍観に徹する訳じゃない、状況に寄っては諭し、最悪の場合は口や手を出す。…それが部下を率いる隊長の役目だ、きっと諏訪さんもそうじゃないかな?通常でも……柚紀ちゃんに関する事でも」
「成る程、流石嵐山さん!!…なら私は私の役割を全うします、恨んだりしないで下さいね?」
「あぁ、勿論だ」
本人達が知らない所で人は各々の為に行動をする。それは当たり前の事だが、とても大切な事である……それをこの騒動を通じて改めて考えさせられる事となった