27.休息の曲・二番
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『……もう…い…ゃ……だよ……ヒック…うる…さい……のも、…あた…まが…ぃ…たい…のも、…ヒック……ヒック…ちくちく…ぴりぴり…する…くうき…も…ヒック……ここ…に、いる……くらい…ヒック…な…ら…いゃ、…だけ…ど………ひとり……に…さ…せて………っ』
「柚紀ちゃん……あーもう、日~佐~人。…そう思っちゃうのは仕方ないけど、それで柚紀ちゃん傷付けてどうするのよ?……この状況どうすれば…「すみません小佐野先輩、少し良いですか?」ん?何か良い方法あるのかい?とっきー」
今回言実との約束を守るために自分の置かれた状況を柚紀は誰にも話せなかった。ずっと一人でその辛さを抱えていた柚紀に取っては"孤独"も恐怖感を覚える原因なのだ。だが、激しい騒音と頭痛に、更に緊張感や警戒心による張り詰めた空気感に際悩まされる位なら…と、泣きながら願う柚紀。それを心配そうに見つめつつ小声で笹森を叱る小佐野だが、柚紀への対応の手段が見当たらない所で、時枝が何か方法を思い付いたのか二人の元へ近付き行動を開始する
「(ジーー…パサッ……クイッ)確か、この手の頭痛は音もだけど"光"にも過敏になる事もある。だから、……こうやって暗くすれば少しは楽になる筈だ。ジャケットに覆われれば皮膚に空気が触れなくもなるからね。…歌川、悪いけど鶴ヶ峰さんが落ち着くまで少し待ってくれ」
「あ、…あぁ。特に問題は…ない。……指令は出たが急ぎじゃないから、…待つよ鶴ヶ峰が落ち着くまで」
「悪いな、助かるよ(ポン…ポン…ポン…)」
小佐野と逆隣に腰を降ろした時枝はジャケットを脱いで柚紀の頭からすっぽり被せれば、更に自分の方に引き寄せて優しく抱き締めジャケットの隙間から光や風が入らない様にと密着する。時枝は柚紀が楽になればと考えた謂わば救命処置的な行動だが、理由はともあれ異性同士が密着している姿は傍目から、それも年頃の者達には些か刺激が強いのか当人達以外全員顔を赤らめていた。柚紀を落ち着かせる為に背中をゆっくり叩く時枝が慈愛に満ちているのが拍車をかけるのだが、勿論本人は気付いていないのだ
十数分程、そんな空間が続いていたが"トントン"と柚紀が控え目に時枝の体を叩く。気付いた時枝が背中を叩くのを止めて少しだけ間を取る
「……もう大丈夫?(スッ)」
『(…コクン)……あたま…は……いたく……ない。…でも……すこ…し…さむい………ねむ…た……い…』
「寒いの?…笹森、エアコンの……顔が赤いけど、もしかして部屋暑い?……よく見れば皆さんも、…おれはジャケット脱いでいるからそう感じないだけですかね嵐山さん?」
「あ、……い、いや、多分そうじゃない…堤さん、エアコンの温度どの位に設定してますか?」
「え?あ、…確か24℃とかその辺りに。……だから鶴ヶ峰が寒がったりしない筈だ。…実際、今日諏訪さんが此処に連れて来た時もそんな素振りは見せなかったし」
「あ~……私もトリオン体だから、暑く感じない筈なんだけど、…ごめんちょっと二人から離れるね。柚紀ちゃんがもし寝ちゃうなら私邪魔だろうし」
とりあえず涙と頭痛は治まった柚紀の目尻に溜まっている涙を拭う時枝に、寒気と眠気を訴える。トリオン体の自分は何も感じないので生身の笹森に訊ねる為に視線を柚紀から外し、全員の異変に気付いて隊長である嵐山に意見を求める時枝。返ってきた嵐山と堤の返答を聞き少しだけ考える素振りをする。その間に然り気無く小佐野が堤の横に移動……"避難"をする。あの空気感漂わせる二人の側に自分がいるべきじゃない気がしたのだ
「お気遣い有り難う御座います、小佐野先輩。なら、お言葉に甘えて……(ナデナデ)…眠たいなら寝て良いよ、今の貴女には休息が必要だから。寒いならこのままおれのジャケット貸すから……ね?」
「……う…ん…………おや…す…みな……さい(カクン)……すぅ…すぅ」
とりあえず今は柚紀の事が優先なので、時枝は感じるままの行動を促せば、抵抗もせずすんなり眠ってしまう柚紀。こちらに凭れ掛かってきたのを受け止めて、ジャケットを肩にかけ直してから少し柚紀の体を移動させて、頭を自分の膝の上に乗せると額に手を宛てる
「(……熱はないし身震いも感じないって事は…体温感覚の異常か、これから熱が出る前兆か。…どちらにしろ注意が必要だな)」
「(ボソッ)……とっきーが男前過ぎて何か逆に佐鳥達が恥ずかしいのは何故だ?」
「?何言ってるのさ佐鳥は??まぁたまに意味不明な事言うから気にしないとして、……待たせたな歌川。話の続きをしようか」
触診で分かる範囲での推測とこれからの事を考える時枝の傍ら、小佐野の次に二人に近い位置に居た佐鳥が顔を赤くしたまま愚痴を溢すがこちらは動くつもりはない様子。それらの言動を軽く受け流し、自然な流れで額に宛てて居た手で柚紀の頭を撫でながら視線を歌川に向ければ、中断していた本題の再開を促すのであった
「柚紀ちゃん……あーもう、日~佐~人。…そう思っちゃうのは仕方ないけど、それで柚紀ちゃん傷付けてどうするのよ?……この状況どうすれば…「すみません小佐野先輩、少し良いですか?」ん?何か良い方法あるのかい?とっきー」
今回言実との約束を守るために自分の置かれた状況を柚紀は誰にも話せなかった。ずっと一人でその辛さを抱えていた柚紀に取っては"孤独"も恐怖感を覚える原因なのだ。だが、激しい騒音と頭痛に、更に緊張感や警戒心による張り詰めた空気感に際悩まされる位なら…と、泣きながら願う柚紀。それを心配そうに見つめつつ小声で笹森を叱る小佐野だが、柚紀への対応の手段が見当たらない所で、時枝が何か方法を思い付いたのか二人の元へ近付き行動を開始する
「(ジーー…パサッ……クイッ)確か、この手の頭痛は音もだけど"光"にも過敏になる事もある。だから、……こうやって暗くすれば少しは楽になる筈だ。ジャケットに覆われれば皮膚に空気が触れなくもなるからね。…歌川、悪いけど鶴ヶ峰さんが落ち着くまで少し待ってくれ」
「あ、…あぁ。特に問題は…ない。……指令は出たが急ぎじゃないから、…待つよ鶴ヶ峰が落ち着くまで」
「悪いな、助かるよ(ポン…ポン…ポン…)」
小佐野と逆隣に腰を降ろした時枝はジャケットを脱いで柚紀の頭からすっぽり被せれば、更に自分の方に引き寄せて優しく抱き締めジャケットの隙間から光や風が入らない様にと密着する。時枝は柚紀が楽になればと考えた謂わば救命処置的な行動だが、理由はともあれ異性同士が密着している姿は傍目から、それも年頃の者達には些か刺激が強いのか当人達以外全員顔を赤らめていた。柚紀を落ち着かせる為に背中をゆっくり叩く時枝が慈愛に満ちているのが拍車をかけるのだが、勿論本人は気付いていないのだ
十数分程、そんな空間が続いていたが"トントン"と柚紀が控え目に時枝の体を叩く。気付いた時枝が背中を叩くのを止めて少しだけ間を取る
「……もう大丈夫?(スッ)」
『(…コクン)……あたま…は……いたく……ない。…でも……すこ…し…さむい………ねむ…た……い…』
「寒いの?…笹森、エアコンの……顔が赤いけど、もしかして部屋暑い?……よく見れば皆さんも、…おれはジャケット脱いでいるからそう感じないだけですかね嵐山さん?」
「あ、……い、いや、多分そうじゃない…堤さん、エアコンの温度どの位に設定してますか?」
「え?あ、…確か24℃とかその辺りに。……だから鶴ヶ峰が寒がったりしない筈だ。…実際、今日諏訪さんが此処に連れて来た時もそんな素振りは見せなかったし」
「あ~……私もトリオン体だから、暑く感じない筈なんだけど、…ごめんちょっと二人から離れるね。柚紀ちゃんがもし寝ちゃうなら私邪魔だろうし」
とりあえず涙と頭痛は治まった柚紀の目尻に溜まっている涙を拭う時枝に、寒気と眠気を訴える。トリオン体の自分は何も感じないので生身の笹森に訊ねる為に視線を柚紀から外し、全員の異変に気付いて隊長である嵐山に意見を求める時枝。返ってきた嵐山と堤の返答を聞き少しだけ考える素振りをする。その間に然り気無く小佐野が堤の横に移動……"避難"をする。あの空気感漂わせる二人の側に自分がいるべきじゃない気がしたのだ
「お気遣い有り難う御座います、小佐野先輩。なら、お言葉に甘えて……(ナデナデ)…眠たいなら寝て良いよ、今の貴女には休息が必要だから。寒いならこのままおれのジャケット貸すから……ね?」
「……う…ん…………おや…す…みな……さい(カクン)……すぅ…すぅ」
とりあえず今は柚紀の事が優先なので、時枝は感じるままの行動を促せば、抵抗もせずすんなり眠ってしまう柚紀。こちらに凭れ掛かってきたのを受け止めて、ジャケットを肩にかけ直してから少し柚紀の体を移動させて、頭を自分の膝の上に乗せると額に手を宛てる
「(……熱はないし身震いも感じないって事は…体温感覚の異常か、これから熱が出る前兆か。…どちらにしろ注意が必要だな)」
「(ボソッ)……とっきーが男前過ぎて何か逆に佐鳥達が恥ずかしいのは何故だ?」
「?何言ってるのさ佐鳥は??まぁたまに意味不明な事言うから気にしないとして、……待たせたな歌川。話の続きをしようか」
触診で分かる範囲での推測とこれからの事を考える時枝の傍ら、小佐野の次に二人に近い位置に居た佐鳥が顔を赤くしたまま愚痴を溢すがこちらは動くつもりはない様子。それらの言動を軽く受け流し、自然な流れで額に宛てて居た手で柚紀の頭を撫でながら視線を歌川に向ければ、中断していた本題の再開を促すのであった