27.休息の曲・二番
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『(ビクッ)っ!?(ギュッ)』
「あ!…おーい、皆さん。気持ちは分かるけど落ち着いて下さーい。柚紀ちゃんにまで伝染して怖がってますよー(ナデナデ)大丈夫だよー、皆が居るからね?」
「あ、しまった。……言実さんが言っていた通りに何人も来たし、今は鶴ヶ峰が起きてるから尚更、ね。…………ふぅ…はい、ドア越しですみませんがウチの隊に何か用ですか?」
空気が変わった事に不安と怖さを感じた柚紀が、無意識に隣に居る小佐野の腕を震えた手で掴んでいた。勿論直ぐに気付いた小佐野が、少し垢抜けた口調で注意を呼び掛け自分は柚紀を落ち着かせる為に頭を撫でる。対応係である堤が、呼吸を整えながらドア前に移動しつつ平常心を取り戻す様にする。…前とは違い今はすぐ側に柚紀が居る、対応の失敗は避けなければならない
対応する堤の少し後ろに嵐山が待機し、女子二人の前方に笹森と時枝、後ろに佐鳥が三角形の陣形を取って万が一に備える
「連絡もなしですみません、歌川です。……中に入れて貰えませんか?あ、俺以外は周囲に誰も居ないので安心して下さい。…俺は彼女に危害を加えるつもりはありません」
「!?………分かった…今開ける。(ウィーン)とりあえず中へどうぞ、今は人が多いけどこのまま話す訳にも行かないからね。だけど……」
「分かってます……失礼します」
訪問者が歌川と分かり、宇佐美から柚紀の事を知っていて当たり前だが一瞬躊躇する堤は、嵐山に視線を向ける。それに対して"入室許可"の合図として軽く頷いたのを確認し、ドアを開けて室内に招き入れる。入ってきたのは隊服姿の歌川で、室内を一通り見て色々察した様子
「……成る程、言実さんの指示って訳ですか。…嵐山隊が居るのも生身の二人に対して強行突破された場合を万が一に考えてですね。……念のためもう一度いいますが、俺は鶴ヶ峰を傷つけません。そんな事をしたら俺が風間さんに怒られます」
「(スッ)別に歌川を疑うつもりはないよ?……今回の騒動について風間隊が言実さんに頼まれて動いているのも知ってる。でも!…何か鶴ヶ峰に近付けさせたくない、俺は」
生身とトリオン体では力の差は歴然、それでも笹森は歌川から柚紀を隠す動作を取ってしまう。一部の心無い人からの行為があそこまで苦しめたのを知る身として、……それが柚紀だったから尚警戒してしまっているのだ。こればかりは理屈ではどうしようもないのだ、そんな中
『……また、……いや…な……くうき…に、…なった………(クイッ)セ、…センパイ……わたし、…いや、…この…かんじ………ケンカ……キライ…です…』
「「「あっ!」」」
「「「……!」」」
笹森がほんの少しだけ警戒感を強めた、…それだけでも柚紀は反応を示した。今日初めて会った諏訪隊は勿論だが、嵐山隊も忘れていたのだ。……周囲や他人の表情を感じ取る事に秀でており、尚且つ他人を優先的に考える柚紀がこの空気間に気付かない訳がないのだ。誰もが何も言えない中で、最初に口を開いたのは
「ま、大丈夫でしょ?幾ら歌川でもこの状態で柚紀ちゃんに変な事を出来っこない。……彼女が嫌がる事を佐鳥達がすべきじゃない、とっきーもそう思うよね?」
「………佐鳥の言う通りだね。だけど歌川、笹森の気持ちもおれは分からなくもない。だから、鶴ヶ峰さんとは一定以上の距離は置いて貰う。…構わないよね?」
「それと、念のため後ろを俺が取らせて貰う。嫌だと思うが我慢してくれ、……言実さんに任されたからこの位はしないと、居る意味がないからな」
佐鳥を始めに、時枝、嵐山が動いたのだった。こうでもしないと諏訪隊のメンバーが…笹森が警戒を解かないし、話を始められない、それに……柚紀にも悪影響にもなるのだ
その妥協案に従う意を込めて小さく頷き、歌川は柚紀に話しかける。この際、笹森は堤に促され歌川の前から退けている
「……(スッ)大丈夫か鶴ヶ峰、宇佐美先輩から眠っていると聞いていたが…」
『………えっと……こえ…からして、……うた…がわ…くん?で…も…………なんか………ふくが……ちが…う?』
威圧感を与えない為にしゃがんで柚紀に話し掛ける歌川だが、様子が可笑しいのに気付き怪訝そうな表情をして時枝を一瞥する
「一応話は出来るけど、見ての通り通常とは違う。…急速なトリオン量低下の弊害で、視覚が一時的に低下してる。その逆に聴覚は発達してしまってるから音量には気をつけて」
「聴覚が?……了解した。俺は年中聴覚が良いのと一緒に居るからその辺りの加減は心得ているつもりだ」
歌川の視線に気付き簡潔的に柚紀の状況を説明して一応注意点も伝えておく。立ち上りながら菊地原と行動を共にしている歌川にとっては造作もないので対応は容易と頷く
「あ!…おーい、皆さん。気持ちは分かるけど落ち着いて下さーい。柚紀ちゃんにまで伝染して怖がってますよー(ナデナデ)大丈夫だよー、皆が居るからね?」
「あ、しまった。……言実さんが言っていた通りに何人も来たし、今は鶴ヶ峰が起きてるから尚更、ね。…………ふぅ…はい、ドア越しですみませんがウチの隊に何か用ですか?」
空気が変わった事に不安と怖さを感じた柚紀が、無意識に隣に居る小佐野の腕を震えた手で掴んでいた。勿論直ぐに気付いた小佐野が、少し垢抜けた口調で注意を呼び掛け自分は柚紀を落ち着かせる為に頭を撫でる。対応係である堤が、呼吸を整えながらドア前に移動しつつ平常心を取り戻す様にする。…前とは違い今はすぐ側に柚紀が居る、対応の失敗は避けなければならない
対応する堤の少し後ろに嵐山が待機し、女子二人の前方に笹森と時枝、後ろに佐鳥が三角形の陣形を取って万が一に備える
「連絡もなしですみません、歌川です。……中に入れて貰えませんか?あ、俺以外は周囲に誰も居ないので安心して下さい。…俺は彼女に危害を加えるつもりはありません」
「!?………分かった…今開ける。(ウィーン)とりあえず中へどうぞ、今は人が多いけどこのまま話す訳にも行かないからね。だけど……」
「分かってます……失礼します」
訪問者が歌川と分かり、宇佐美から柚紀の事を知っていて当たり前だが一瞬躊躇する堤は、嵐山に視線を向ける。それに対して"入室許可"の合図として軽く頷いたのを確認し、ドアを開けて室内に招き入れる。入ってきたのは隊服姿の歌川で、室内を一通り見て色々察した様子
「……成る程、言実さんの指示って訳ですか。…嵐山隊が居るのも生身の二人に対して強行突破された場合を万が一に考えてですね。……念のためもう一度いいますが、俺は鶴ヶ峰を傷つけません。そんな事をしたら俺が風間さんに怒られます」
「(スッ)別に歌川を疑うつもりはないよ?……今回の騒動について風間隊が言実さんに頼まれて動いているのも知ってる。でも!…何か鶴ヶ峰に近付けさせたくない、俺は」
生身とトリオン体では力の差は歴然、それでも笹森は歌川から柚紀を隠す動作を取ってしまう。一部の心無い人からの行為があそこまで苦しめたのを知る身として、……それが柚紀だったから尚警戒してしまっているのだ。こればかりは理屈ではどうしようもないのだ、そんな中
『……また、……いや…な……くうき…に、…なった………(クイッ)セ、…センパイ……わたし、…いや、…この…かんじ………ケンカ……キライ…です…』
「「「あっ!」」」
「「「……!」」」
笹森がほんの少しだけ警戒感を強めた、…それだけでも柚紀は反応を示した。今日初めて会った諏訪隊は勿論だが、嵐山隊も忘れていたのだ。……周囲や他人の表情を感じ取る事に秀でており、尚且つ他人を優先的に考える柚紀がこの空気間に気付かない訳がないのだ。誰もが何も言えない中で、最初に口を開いたのは
「ま、大丈夫でしょ?幾ら歌川でもこの状態で柚紀ちゃんに変な事を出来っこない。……彼女が嫌がる事を佐鳥達がすべきじゃない、とっきーもそう思うよね?」
「………佐鳥の言う通りだね。だけど歌川、笹森の気持ちもおれは分からなくもない。だから、鶴ヶ峰さんとは一定以上の距離は置いて貰う。…構わないよね?」
「それと、念のため後ろを俺が取らせて貰う。嫌だと思うが我慢してくれ、……言実さんに任されたからこの位はしないと、居る意味がないからな」
佐鳥を始めに、時枝、嵐山が動いたのだった。こうでもしないと諏訪隊のメンバーが…笹森が警戒を解かないし、話を始められない、それに……柚紀にも悪影響にもなるのだ
その妥協案に従う意を込めて小さく頷き、歌川は柚紀に話しかける。この際、笹森は堤に促され歌川の前から退けている
「……(スッ)大丈夫か鶴ヶ峰、宇佐美先輩から眠っていると聞いていたが…」
『………えっと……こえ…からして、……うた…がわ…くん?で…も…………なんか………ふくが……ちが…う?』
威圧感を与えない為にしゃがんで柚紀に話し掛ける歌川だが、様子が可笑しいのに気付き怪訝そうな表情をして時枝を一瞥する
「一応話は出来るけど、見ての通り通常とは違う。…急速なトリオン量低下の弊害で、視覚が一時的に低下してる。その逆に聴覚は発達してしまってるから音量には気をつけて」
「聴覚が?……了解した。俺は年中聴覚が良いのと一緒に居るからその辺りの加減は心得ているつもりだ」
歌川の視線に気付き簡潔的に柚紀の状況を説明して一応注意点も伝えておく。立ち上りながら菊地原と行動を共にしている歌川にとっては造作もないので対応は容易と頷く