26.休息の曲・一番
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「皆さん!!柚紀ちゃんが、柚紀ちゃんが目を覚ましましたー!?………あれ?えっ?ちょっ…柚紀ちゃんっ?!大丈夫?しっかりして!!」
「!!佐鳥、鶴ヶ峰がどうしたんだよ?!?」
「あ、日佐人!待て、無闇に先に行くな!?」
「あーもう、男ってのはどうして落ち着きがないのかな?…今回は分からなくもないけど、少しは嵐山さん達を見習って欲しいよ」
佐鳥の元気な声が柚紀の目覚めを知らせるが、直ぐに様子が変わったことを報せる声が聞こえてきた。それを聞いた笹森が堤の制止を聞かずに一番に奥に行き、堤も後を追う。小佐野も先に行った二人を呆れつつも、こちらも柚紀が心配らしくゆっくりと奥に消えていく
嵐山達も直ぐに柚紀の元へ行きたかったが、奥に続く出入り口が狭く一気に人が通れなかったので、怪我人を間違っても出さない為に我慢していたのだ
「柚紀ちゃんが目覚めて一安心…とはいかないみたいだな。一体何があったんだ?賢は相当焦っていたみたいだが」
「此処で推論しても仕方ないですから、おれ達も奥に行ってみましょうか嵐山さん」
心配だが奥の人口密度が凄いことになっているので、行くのを躊躇している嵐山を時枝が諭して共に奥の部屋に進んでいく
とは言っても、流石にもう二人も部屋に入るのはキツそうなので、手前の部屋から室内の様子を窺う事に。此処から見えるのは空いているマットに強制的に座らされている笹森と動きを制する小佐野、柚紀の背中に手を添えながら様子を見ている堤に懸命に呼び掛けている佐鳥そして……此方からは顔が見えないがマットの上で上半身を起こして両手で頭を抱えている柚紀の後ろ姿だった
「あ、嵐山くん。どうやら彼女は頭が痛いみたい。だけど……」
「頭痛?でも迅のメールには"風邪の症状はない"って……何か起きているんだ?」
「柚紀ちゃん、頭痛い以外で調子悪い所とか痛い所はない?」
「っ!!おサノ先輩?!何で俺は鶴ヶ峰の側に行っちゃ駄目なんですか??!」
「あんたが言っても定員オーバーなだけだし、何もやる事ないでしょ?!二人に任せておきなよ」
色んな会話が交わされている中、時枝は一歩外から様子を観察していた。"何故柚紀が頭痛を訴えているのか"と、注意深く見ていて……気が付いた。柚紀は誰かが話している時、特に笹森や小佐野の"声が大きい"
二人に過敏に反応をしているのと、彼女が両手を宛てて居るのは頭ではなく正確には…"耳"
「(まさか…)……すみませんが皆さん、少しの間だけ静かにしていて貰えませんか?確かめたい事がありますので」
「み、充?……あ、あぁ、分かった」
時枝の珍しく有無を言わせない様な低く怒気を無意識に含んだ声で宣言すれば、部屋に足を踏み入れる。隊長の嵐山ですら滅多に見ない隊員の豹変に冷や汗を隠せず、笹森はそれでも話そうとしたので小佐野が口元を叩いて物理的に黙らせる
「と、とっきー!柚紀ちゃん一体どうし(パシッ)うぐっ!?」
「黙って佐鳥、…多分その心配する気持ちが逆効果になっているから。……鶴ヶ峰さん、貴女を苦しめている事が何か言えますか?」
不安そうに話す佐鳥の口元を片手で覆って強制的に静かにさせれば、ゆっくりと普段よりやや小声で時枝は訊ねる。すると、柚紀の口許が動いたのに気付き聞き取る為に耳を近付ける。その行為に約二名声が出そうになるが先輩達に目で制されてグッと堪える。そしてなんとか聞き取れた内容が…"凄く煩くて頭が痛い"と
「(やっぱり…)迅さんは多分視えたんです、……鶴ヶ峰さんが苦しんでいる姿が。そして原因は恐らく聴覚が異常発達してしまったからです」
「!!佐鳥、鶴ヶ峰がどうしたんだよ?!?」
「あ、日佐人!待て、無闇に先に行くな!?」
「あーもう、男ってのはどうして落ち着きがないのかな?…今回は分からなくもないけど、少しは嵐山さん達を見習って欲しいよ」
佐鳥の元気な声が柚紀の目覚めを知らせるが、直ぐに様子が変わったことを報せる声が聞こえてきた。それを聞いた笹森が堤の制止を聞かずに一番に奥に行き、堤も後を追う。小佐野も先に行った二人を呆れつつも、こちらも柚紀が心配らしくゆっくりと奥に消えていく
嵐山達も直ぐに柚紀の元へ行きたかったが、奥に続く出入り口が狭く一気に人が通れなかったので、怪我人を間違っても出さない為に我慢していたのだ
「柚紀ちゃんが目覚めて一安心…とはいかないみたいだな。一体何があったんだ?賢は相当焦っていたみたいだが」
「此処で推論しても仕方ないですから、おれ達も奥に行ってみましょうか嵐山さん」
心配だが奥の人口密度が凄いことになっているので、行くのを躊躇している嵐山を時枝が諭して共に奥の部屋に進んでいく
とは言っても、流石にもう二人も部屋に入るのはキツそうなので、手前の部屋から室内の様子を窺う事に。此処から見えるのは空いているマットに強制的に座らされている笹森と動きを制する小佐野、柚紀の背中に手を添えながら様子を見ている堤に懸命に呼び掛けている佐鳥そして……此方からは顔が見えないがマットの上で上半身を起こして両手で頭を抱えている柚紀の後ろ姿だった
「あ、嵐山くん。どうやら彼女は頭が痛いみたい。だけど……」
「頭痛?でも迅のメールには"風邪の症状はない"って……何か起きているんだ?」
「柚紀ちゃん、頭痛い以外で調子悪い所とか痛い所はない?」
「っ!!おサノ先輩?!何で俺は鶴ヶ峰の側に行っちゃ駄目なんですか??!」
「あんたが言っても定員オーバーなだけだし、何もやる事ないでしょ?!二人に任せておきなよ」
色んな会話が交わされている中、時枝は一歩外から様子を観察していた。"何故柚紀が頭痛を訴えているのか"と、注意深く見ていて……気が付いた。柚紀は誰かが話している時、特に笹森や小佐野の"声が大きい"
二人に過敏に反応をしているのと、彼女が両手を宛てて居るのは頭ではなく正確には…"耳"
「(まさか…)……すみませんが皆さん、少しの間だけ静かにしていて貰えませんか?確かめたい事がありますので」
「み、充?……あ、あぁ、分かった」
時枝の珍しく有無を言わせない様な低く怒気を無意識に含んだ声で宣言すれば、部屋に足を踏み入れる。隊長の嵐山ですら滅多に見ない隊員の豹変に冷や汗を隠せず、笹森はそれでも話そうとしたので小佐野が口元を叩いて物理的に黙らせる
「と、とっきー!柚紀ちゃん一体どうし(パシッ)うぐっ!?」
「黙って佐鳥、…多分その心配する気持ちが逆効果になっているから。……鶴ヶ峰さん、貴女を苦しめている事が何か言えますか?」
不安そうに話す佐鳥の口元を片手で覆って強制的に静かにさせれば、ゆっくりと普段よりやや小声で時枝は訊ねる。すると、柚紀の口許が動いたのに気付き聞き取る為に耳を近付ける。その行為に約二名声が出そうになるが先輩達に目で制されてグッと堪える。そしてなんとか聞き取れた内容が…"凄く煩くて頭が痛い"と
「(やっぱり…)迅さんは多分視えたんです、……鶴ヶ峰さんが苦しんでいる姿が。そして原因は恐らく聴覚が異常発達してしまったからです」