26.休息の曲・一番
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「…佐鳥の気持ちもわかりますが、電話なら兎も角、文章で相手の気持ちを読み取るのは無理に等しいと…「そう言う充は大丈夫か?」……何でおれの心配をするのですか嵐山さん?」
「俺の知る限りだと、賢程じゃないにしても充も柚紀ちゃんと連絡取り合ってただろ?だからお前も責任感じているじゃないかって」
「……時枝が?珍しいね、女の子相手にそこまで連絡取り合うとか」
「おれの場合は連絡と言うよりフォローしていただけだよ笹森。…鶴ヶ峰さんの周囲に佐鳥みたいなタイプ居なさそうだから、対処に困るんじゃないかと思って。……フォローしているつもりが、逆にこっちを気遣わせてしまったみたいだけど」
分からなくても仕方ないと言おうとした時枝だが、何故か嵐山に心配された事を疑問に感じた様子。それに対して佐鳥と同様の理由でと話せば笹森を始めとした諏訪隊全員が意外と思い驚いた表情を向ける。そんな視線を感じながら、おもむろに携帯を取り出して柚紀とのやり取りを見返しながら理由を話し、一番最新のメッセージにある【何時も気遣ってくれて嬉しいです有り難う】を見て小さくため息を無意識に漏らす時枝を(あ、落ち込んでる)と察する面々であった
ベイルアウトした際に到着するマットの一つに横たわる柚紀は身動ぎすることもなく、静かに眠っていた。…まるで死んでしまったかの錯覚に襲われるが僅かながら胸の辺りが小さく上下しているのが窺えるので、ちゃんと呼吸しているのは分かる。起きないとは思うが一応物音を立てないようにそっと近付いて、顔付近にしゃがんで様子を窺う佐鳥
顔色は頬に朱がなく全体的に真っ白に近く、唇も色味がほぼない状態、更に観察すると目尻や頬にうっすらと涙を流した痕跡があった。そんな柚紀を見て凄く辛そうな表情を浮かべる佐鳥、触れてはいけない事が更に気持ちに拍車をかける
「………どうして…教えてくれなかったの?……オレは………そんなに…信用ならない…ですか?…毎日返事してくれていたのに……どうして…」
返事が帰ってこないのは分かっているがポツリポツリと口に出す佐鳥、声は弱々しいが内心は色んな感情で荒れ狂っていた。柚紀の事に気付けなかった自分への怒りや罪悪感、そこまで彼女を追い詰めた原因への憎悪、そして……頼りにされた諏訪に対しての理解出来ないモヤモヤした感情。個人的に諏訪の事を嫌いではない佐鳥は恨みじゃないのは理解出来ているが、この感情が何なのかイマイチ分からない様子。だけど、柚紀が起きれば分かる様な気がした
「…お願い…だから、早く……目を覚まして……声を聞かせてよ……(スッ)…柚紀ちゃん……」
久しぶり聞いたのが歌声で、嬉しくない訳じゃないがちゃん声が聞きたい…話がしたいと本能的に感じた佐鳥は、童話のような事は出来ないがせめてでもと思い髪の一房を手に取れば、祈りを込めてそっと唇を当てたのであった
「俺の知る限りだと、賢程じゃないにしても充も柚紀ちゃんと連絡取り合ってただろ?だからお前も責任感じているじゃないかって」
「……時枝が?珍しいね、女の子相手にそこまで連絡取り合うとか」
「おれの場合は連絡と言うよりフォローしていただけだよ笹森。…鶴ヶ峰さんの周囲に佐鳥みたいなタイプ居なさそうだから、対処に困るんじゃないかと思って。……フォローしているつもりが、逆にこっちを気遣わせてしまったみたいだけど」
分からなくても仕方ないと言おうとした時枝だが、何故か嵐山に心配された事を疑問に感じた様子。それに対して佐鳥と同様の理由でと話せば笹森を始めとした諏訪隊全員が意外と思い驚いた表情を向ける。そんな視線を感じながら、おもむろに携帯を取り出して柚紀とのやり取りを見返しながら理由を話し、一番最新のメッセージにある【何時も気遣ってくれて嬉しいです有り難う】を見て小さくため息を無意識に漏らす時枝を(あ、落ち込んでる)と察する面々であった
ベイルアウトした際に到着するマットの一つに横たわる柚紀は身動ぎすることもなく、静かに眠っていた。…まるで死んでしまったかの錯覚に襲われるが僅かながら胸の辺りが小さく上下しているのが窺えるので、ちゃんと呼吸しているのは分かる。起きないとは思うが一応物音を立てないようにそっと近付いて、顔付近にしゃがんで様子を窺う佐鳥
顔色は頬に朱がなく全体的に真っ白に近く、唇も色味がほぼない状態、更に観察すると目尻や頬にうっすらと涙を流した痕跡があった。そんな柚紀を見て凄く辛そうな表情を浮かべる佐鳥、触れてはいけない事が更に気持ちに拍車をかける
「………どうして…教えてくれなかったの?……オレは………そんなに…信用ならない…ですか?…毎日返事してくれていたのに……どうして…」
返事が帰ってこないのは分かっているがポツリポツリと口に出す佐鳥、声は弱々しいが内心は色んな感情で荒れ狂っていた。柚紀の事に気付けなかった自分への怒りや罪悪感、そこまで彼女を追い詰めた原因への憎悪、そして……頼りにされた諏訪に対しての理解出来ないモヤモヤした感情。個人的に諏訪の事を嫌いではない佐鳥は恨みじゃないのは理解出来ているが、この感情が何なのかイマイチ分からない様子。だけど、柚紀が起きれば分かる様な気がした
「…お願い…だから、早く……目を覚まして……声を聞かせてよ……(スッ)…柚紀ちゃん……」
久しぶり聞いたのが歌声で、嬉しくない訳じゃないがちゃん声が聞きたい…話がしたいと本能的に感じた佐鳥は、童話のような事は出来ないがせめてでもと思い髪の一房を手に取れば、祈りを込めてそっと唇を当てたのであった