24.能力解放の曲~大いなる一歩~
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歌い終わった後、柚紀の意識は自分の思想の奧底に沈んだままだった。途中で歌を中断してしまったせいもあるが、正直不安だった。…ちゃんと皆の役に立てたのか、と
『(一生懸命歌った自信はあるけど、そうすれば全てよい結果にならない事も知っている。今回だって途中で止めちゃったし、今までやった事のない条件での能力発動だった。成功か失敗か、目を開けて自分で見なくちゃ分からないけど、……もし失敗だったら私は)』
まるで水の中にいるようで、上に上がれば意識も浮上すると無意識ながら理解しているが、失敗が怖いのかゆっくりと底に沈んで行く感覚に囚われる。……どうせならこのままで、そんな考えが頭を横切る中、上から声と一緒に水面からこちらに伸ばされた手が見えた気がした
- 柚紀……柚紀!…戻ってこい! -
何時も困った自分を助けてくれて……今回沢山迷惑を掛けてしまった大好きな叔母の声。うっすら見える伸ばされた手を掴みたくて必死に手を出すが、体が重くて上にいけない。もがけはもがくほど沈んでいく感じに襲われ、声も手も遠退き始めてしまう。贖うのを諦めてこのまま沈んでしまおうと考えたその時
‐ 心配しなくても大丈夫だから ‐
底から聞こえた叔母でなく、男性の誰か分からない声が上昇水流と共に背中を押すような感覚を受け、徐々に上へ浮上する。後少しで白衣を着た手を掴めそうで掴めない。そこにいきなり現れた"二つの手"に掴まれて水面に引き上げられる。その手の主は色は分からないが両方とも同じジャケットの様な袖から出されていて"左右だが別々の手"だった
『柚紀、…柚紀。しっかりしろ!柚紀…目を開け?!』
『んっ………言実…さ…ん?……みんなは……ぶじ………ですか?…』
『良かった、無事に意識が浮上したか。…大丈夫だ、お前のお陰で皆無事だ。…よく頑張ったな、お手柄だ。………柚紀?(何故だ?此処にはこの子に危害を加えるモノはない。なのに何故"此方を見ない"?それに……なんだこの違和感は)』
「…成る程お二人はそれで、……言実さん、どうしましたか?…柚紀ちゃん?」
「ハイハイ、佐鳥もちゃんと働いていたよ…って二人ともどうかしました…鶴ヶ峰さん?」
目が開き反応を示した柚紀にホッと安堵し状況を説明して素直に褒める言実。この時柚紀の異変に気付き怪訝そうな表情をするのと同時に言い表せない感覚に襲われる。………何時もなら頭を撫でて褒める筈だが言実は無意識にしなかった。これがしなくて"今回は正解"と直ぐに分かることになる
嵐山は冬島と話をしている途中で、先ずは言実の異変に気付き更に柚紀の様子が可笑しいことにも気付いた。通信で佐鳥と会話していた時枝も遅くなったが様子が変な事を察知し柚紀を見つめる
…柚紀は意識が霞みかがっているのを働かない頭の状態でも何とか理解出来ていた。ぼんやりと聞こえる言実の声に、諏訪達が無事な事を聞いてとりあえず安堵した。言実の顔が見たいが体が上手く動けない、そんな状態で視界に入ったのは手元の携帯と、首から下がる翠の石と…誰かの赤いブーツ。それを認識した瞬間
『………そっ…か、……ちゃん…と…できて……よか……………っ…た(それに、…来てくれたんだ"彼等"が)(フラッ)』
体に力が入らず立っているのも困難となり、目を開けて居られなくなる程の強い睡魔に襲われる柚紀。贖う暇もなく意識が遠退く最後に覚えていたのは、『柚紀っ!!?』と焦って自分の名を呼ぶ言実の声と……一瞬だけ見えた、いつの間にか見ると不思議と安心出来てしまうジャケットの赤色だった
『(一生懸命歌った自信はあるけど、そうすれば全てよい結果にならない事も知っている。今回だって途中で止めちゃったし、今までやった事のない条件での能力発動だった。成功か失敗か、目を開けて自分で見なくちゃ分からないけど、……もし失敗だったら私は)』
まるで水の中にいるようで、上に上がれば意識も浮上すると無意識ながら理解しているが、失敗が怖いのかゆっくりと底に沈んで行く感覚に囚われる。……どうせならこのままで、そんな考えが頭を横切る中、上から声と一緒に水面からこちらに伸ばされた手が見えた気がした
- 柚紀……柚紀!…戻ってこい! -
何時も困った自分を助けてくれて……今回沢山迷惑を掛けてしまった大好きな叔母の声。うっすら見える伸ばされた手を掴みたくて必死に手を出すが、体が重くて上にいけない。もがけはもがくほど沈んでいく感じに襲われ、声も手も遠退き始めてしまう。贖うのを諦めてこのまま沈んでしまおうと考えたその時
‐ 心配しなくても大丈夫だから ‐
底から聞こえた叔母でなく、男性の誰か分からない声が上昇水流と共に背中を押すような感覚を受け、徐々に上へ浮上する。後少しで白衣を着た手を掴めそうで掴めない。そこにいきなり現れた"二つの手"に掴まれて水面に引き上げられる。その手の主は色は分からないが両方とも同じジャケットの様な袖から出されていて"左右だが別々の手"だった
『柚紀、…柚紀。しっかりしろ!柚紀…目を開け?!』
『んっ………言実…さ…ん?……みんなは……ぶじ………ですか?…』
『良かった、無事に意識が浮上したか。…大丈夫だ、お前のお陰で皆無事だ。…よく頑張ったな、お手柄だ。………柚紀?(何故だ?此処にはこの子に危害を加えるモノはない。なのに何故"此方を見ない"?それに……なんだこの違和感は)』
「…成る程お二人はそれで、……言実さん、どうしましたか?…柚紀ちゃん?」
「ハイハイ、佐鳥もちゃんと働いていたよ…って二人ともどうかしました…鶴ヶ峰さん?」
目が開き反応を示した柚紀にホッと安堵し状況を説明して素直に褒める言実。この時柚紀の異変に気付き怪訝そうな表情をするのと同時に言い表せない感覚に襲われる。………何時もなら頭を撫でて褒める筈だが言実は無意識にしなかった。これがしなくて"今回は正解"と直ぐに分かることになる
嵐山は冬島と話をしている途中で、先ずは言実の異変に気付き更に柚紀の様子が可笑しいことにも気付いた。通信で佐鳥と会話していた時枝も遅くなったが様子が変な事を察知し柚紀を見つめる
…柚紀は意識が霞みかがっているのを働かない頭の状態でも何とか理解出来ていた。ぼんやりと聞こえる言実の声に、諏訪達が無事な事を聞いてとりあえず安堵した。言実の顔が見たいが体が上手く動けない、そんな状態で視界に入ったのは手元の携帯と、首から下がる翠の石と…誰かの赤いブーツ。それを認識した瞬間
『………そっ…か、……ちゃん…と…できて……よか……………っ…た(それに、…来てくれたんだ"彼等"が)(フラッ)』
体に力が入らず立っているのも困難となり、目を開けて居られなくなる程の強い睡魔に襲われる柚紀。贖う暇もなく意識が遠退く最後に覚えていたのは、『柚紀っ!!?』と焦って自分の名を呼ぶ言実の声と……一瞬だけ見えた、いつの間にか見ると不思議と安心出来てしまうジャケットの赤色だった