23.決意の曲~少女は何を思うのか~
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特に話すことなく歩く二人は、程無くして近くの秘密経路入り口に到着した。センサーに言実が手で触れようとした時、ポツリと柚紀が呟いた
『……ねぇ、言実さん。…皆さん大丈夫ですよね?私はまだトリオン体の事を知らないから…判断出来ないけど』
『……トリオン体が活動限界になればベイルアウト、所謂"緊急脱出機能"が起動し戦線離脱する。…まだそうなった証の"光の筋"が飛んでないから大丈夫だ。……今はな』
『今はって事は……危険はあるって事ですか?』
何時もならある程度状況を理解しても納得すれば不必要な追求をしない柚紀が更に質問をしてきた。さっさと通路に入ってから答えることも出来るが、諏訪達が心配な気持ちも分からなくない言実は、戦闘音が聞こえる方角に体を向けて語る
『……彼奴らが戦っている付近だけ異様にゲート発生率が高いままなのだ。それでもゆっくり下降傾向を辿ってはいるが、……恐らく柚紀が一番精神的に乱れた時の余韻が残っているからだろう。…あくまで推測だかな』
『っ!?……私の…せいなの?』
今回の騒動は柚紀の事を思い、何も話さなかったのが原因でもあるので例え辛い思いをさせる事になっても本人が知りたいと望むなら…と考えた言実は、偽りなく質問に答える。そして予想通り聞いた柚紀が辛そうな表情をしたので、握っていた手を引き寄せてそのまま抱き締めると、一定のテンポで背中を叩いてやる
『………すまない柚紀。…嘘を告げる事も出来たが、それでは本当の事を知ったときにお前がもっと傷付くと思った。……こう言う時、どのような対応が一番なのか…………分からんものだな』
『…ううん、…私が知りたいと思ったから、言実さんのせいじゃないよ。でも、……少しの間……このままで…良いですか?………ちゃんと…気持ちの折り合い…着けるから』
『……あぁ(ポン…ポン…ポン…ポン)』
言実の心音と背中を叩くリズムを聞いて、ゆっくり呼吸するのを意識して気持ちを落ち着かせようと努める柚紀。その傍らで、自分の能力について考える
『(多分、…歌は私が能力を使うのに都合が良いだけで根本的なモノではない。初めて此処に来た日に迅さんが言っていた"心持ち"……恐らく"私が望んだ事をトリオンを使って起こすこと"が可能なのが私の本当のサイドエフェクト、だとすれば…………)』
今日起きた事を振り返りながら自分の能力を冷静に推測し、気持ちが落ち着いたのと同時に"ある事"を決めた柚紀は、空いていた手で言実の白衣を軽く掴んで引っ張り大丈夫と合図をする。それに気付いて腕の中から解放し少し距離を置いてくれた言実を真剣な表情で見つめ口を開く
『言実さん、私のサイドエフェクトについて此処で聞きたい事がありますが良いですか?』
『……ねぇ、言実さん。…皆さん大丈夫ですよね?私はまだトリオン体の事を知らないから…判断出来ないけど』
『……トリオン体が活動限界になればベイルアウト、所謂"緊急脱出機能"が起動し戦線離脱する。…まだそうなった証の"光の筋"が飛んでないから大丈夫だ。……今はな』
『今はって事は……危険はあるって事ですか?』
何時もならある程度状況を理解しても納得すれば不必要な追求をしない柚紀が更に質問をしてきた。さっさと通路に入ってから答えることも出来るが、諏訪達が心配な気持ちも分からなくない言実は、戦闘音が聞こえる方角に体を向けて語る
『……彼奴らが戦っている付近だけ異様にゲート発生率が高いままなのだ。それでもゆっくり下降傾向を辿ってはいるが、……恐らく柚紀が一番精神的に乱れた時の余韻が残っているからだろう。…あくまで推測だかな』
『っ!?……私の…せいなの?』
今回の騒動は柚紀の事を思い、何も話さなかったのが原因でもあるので例え辛い思いをさせる事になっても本人が知りたいと望むなら…と考えた言実は、偽りなく質問に答える。そして予想通り聞いた柚紀が辛そうな表情をしたので、握っていた手を引き寄せてそのまま抱き締めると、一定のテンポで背中を叩いてやる
『………すまない柚紀。…嘘を告げる事も出来たが、それでは本当の事を知ったときにお前がもっと傷付くと思った。……こう言う時、どのような対応が一番なのか…………分からんものだな』
『…ううん、…私が知りたいと思ったから、言実さんのせいじゃないよ。でも、……少しの間……このままで…良いですか?………ちゃんと…気持ちの折り合い…着けるから』
『……あぁ(ポン…ポン…ポン…ポン)』
言実の心音と背中を叩くリズムを聞いて、ゆっくり呼吸するのを意識して気持ちを落ち着かせようと努める柚紀。その傍らで、自分の能力について考える
『(多分、…歌は私が能力を使うのに都合が良いだけで根本的なモノではない。初めて此処に来た日に迅さんが言っていた"心持ち"……恐らく"私が望んだ事をトリオンを使って起こすこと"が可能なのが私の本当のサイドエフェクト、だとすれば…………)』
今日起きた事を振り返りながら自分の能力を冷静に推測し、気持ちが落ち着いたのと同時に"ある事"を決めた柚紀は、空いていた手で言実の白衣を軽く掴んで引っ張り大丈夫と合図をする。それに気付いて腕の中から解放し少し距離を置いてくれた言実を真剣な表情で見つめ口を開く
『言実さん、私のサイドエフェクトについて此処で聞きたい事がありますが良いですか?』