22.合流の曲
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「確かに以前より格段に言実さんが進んで戦う機会は減ったけど、完全に前線から退いた訳じゃないよ?防衛任務を手伝う事もあるし、正隊員に混じって模擬戦を行ったりもたまにしてるから腕は落ちてない。それに言実さんのポジションで腕の良い大人の正隊員がいない事もあって、同じポジションを選んだ隊員の指導や相談に乗る事もしてるらしいよ。……まぁ、ポジション関係ないかこれは、あの人戦闘員が使うトリガー性能全て熟知しているからね。そんなこんなで言実さんは現在も戦闘要員に数えられるだけの実力者だし、多くの隊員から信用信頼されていて、出水くんみたいに自らの意思であの人を慕う子も今のボーダーには沢山居る。勿論、俺もその一人だよ」
『そう、ですか。…言実さんってあまり表情変わらない人だから、それで昔は色々苦労したみたいで………でもボーダーの方々はちゃんと理解してくれている。…本当は凄く優しくて面倒って言っておきながら困っている人がいれば手を差し伸べてくれる。でも甘やかすだけじゃなく、ちゃんと相手が育つ様な行動を心掛けている…そんな人だから』
「鶴ヶ峰と言実さんは、お互いが大切な人って思いあっているみたいだね」
『はい!私の大好きで自慢な叔母です!!…言実さんも同じなら嬉しいな』
堤の説明を聞き、柚紀は嬉しそうな表情を浮かべた。自分は叔母である言実の事を理解出来ているが、他人には些か誤解されやすいのも悲しい事だがこれも事実だ。そんな中、ボーダーの人達がちゃんと良い所を知っていてくれて心の底から嬉しく思うのだ。それを見て堤は二人に対して感じたままの事を口にすれば、元気に答えを返す柚紀。そんなほんわかした雰囲気漂う二人に、物陰に潜む敵の凶刃が襲いかかろうとしていた
~~~
一方、言実はバンダー処理の為に攻撃射程までグラスホッパーで近付いていた。彼女が担っていたポジションはシューターで、アタッカー程ではないが近付かなければ攻撃が届かない。移動中にも、当真はきっちり仕事をしており着実に数を減らしている。射程範囲まで来た時点で数が減り残り三体
『(これならメインのみで落とせるか)……通常弾 』
バンダーの力量は把握済なので無駄撃ちを防ぐべく計算の後、利き手で使うメイントリガーのみ起動させる言実。だが、シューターが用いる弾はキューブと言った立体的な形をしているのが通常だが、トリガーにも改造が施されており、形状は紙のように薄っぺらいモノだ。顔程の大きさの弾が分解され、紙吹雪の様に周囲を浮遊後バンダーに向けて放つ。結果は二体に命中、 一体は落としたがもう一体は致命傷を負わせたがまだ動ける状態だ。軽く舌打ちし、もう一撃食らわせる為に弾を生成しようとしたその時
‐ 言実さんっ!! ‐
『柚紀??……(まさかっ!?)おい当真!?残りの始末任せるぞ。一体は虫の息だ、問題あるまい!』
〔え?確かに問題ないですが、一体どうしたんですか姐さん?そんな慌てた声を出すなんてアンタらしくもない〕
『……悪いが、大切なあの子が危険に晒されてるやも知れん時も冷静で居れる程、私は人間を捨ててはおらぬ!!』
姪の声が聞こえた気がした言実は、嫌な予感を抱けば迷うことなく残りを当真に押し付けて元来た道を急いで引き返す。勿論当真から疑問視されたが、一蹴した。空耳であって欲しいが、今の現状や柚紀の能力・精神状態を考えればそうとは限らない。まだ堤がベイルアウトしていないが、それも恐らくは時間の問題と直感的に感じ取っており、手遅れになる前に……と、グラスホッパーを踏みしめる力を一段と強くして先を急ぐのであった
『そう、ですか。…言実さんってあまり表情変わらない人だから、それで昔は色々苦労したみたいで………でもボーダーの方々はちゃんと理解してくれている。…本当は凄く優しくて面倒って言っておきながら困っている人がいれば手を差し伸べてくれる。でも甘やかすだけじゃなく、ちゃんと相手が育つ様な行動を心掛けている…そんな人だから』
「鶴ヶ峰と言実さんは、お互いが大切な人って思いあっているみたいだね」
『はい!私の大好きで自慢な叔母です!!…言実さんも同じなら嬉しいな』
堤の説明を聞き、柚紀は嬉しそうな表情を浮かべた。自分は叔母である言実の事を理解出来ているが、他人には些か誤解されやすいのも悲しい事だがこれも事実だ。そんな中、ボーダーの人達がちゃんと良い所を知っていてくれて心の底から嬉しく思うのだ。それを見て堤は二人に対して感じたままの事を口にすれば、元気に答えを返す柚紀。そんなほんわかした雰囲気漂う二人に、物陰に潜む敵の凶刃が襲いかかろうとしていた
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一方、言実はバンダー処理の為に攻撃射程までグラスホッパーで近付いていた。彼女が担っていたポジションはシューターで、アタッカー程ではないが近付かなければ攻撃が届かない。移動中にも、当真はきっちり仕事をしており着実に数を減らしている。射程範囲まで来た時点で数が減り残り三体
『(これならメインのみで落とせるか)……
バンダーの力量は把握済なので無駄撃ちを防ぐべく計算の後、利き手で使うメイントリガーのみ起動させる言実。だが、シューターが用いる弾はキューブと言った立体的な形をしているのが通常だが、トリガーにも改造が施されており、形状は紙のように薄っぺらいモノだ。顔程の大きさの弾が分解され、紙吹雪の様に周囲を浮遊後バンダーに向けて放つ。結果は二体に命中、 一体は落としたがもう一体は致命傷を負わせたがまだ動ける状態だ。軽く舌打ちし、もう一撃食らわせる為に弾を生成しようとしたその時
‐ 言実さんっ!! ‐
『柚紀??……(まさかっ!?)おい当真!?残りの始末任せるぞ。一体は虫の息だ、問題あるまい!』
〔え?確かに問題ないですが、一体どうしたんですか姐さん?そんな慌てた声を出すなんてアンタらしくもない〕
『……悪いが、大切なあの子が危険に晒されてるやも知れん時も冷静で居れる程、私は人間を捨ててはおらぬ!!』
姪の声が聞こえた気がした言実は、嫌な予感を抱けば迷うことなく残りを当真に押し付けて元来た道を急いで引き返す。勿論当真から疑問視されたが、一蹴した。空耳であって欲しいが、今の現状や柚紀の能力・精神状態を考えればそうとは限らない。まだ堤がベイルアウトしていないが、それも恐らくは時間の問題と直感的に感じ取っており、手遅れになる前に……と、グラスホッパーを踏みしめる力を一段と強くして先を急ぐのであった