22.合流の曲
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「大丈夫か鶴ヶ峰、まだ遠いが焦らずに行こう」
『あ、はい堤さん。あそこで休んだので、まだ大丈夫だと思います……(チラッ)』
「諏訪さん達の心配しなくても大丈夫だよ、おサノからも爆発的にゲートが開く予兆とかないって言っていたからね」
『それなら…良いですが』
作戦通りに堤と一緒にボーダー基地を目指す柚紀だが、走るわけでもなく物陰に潜みつつ慎重に進んでいる。時折、遠くから聞こえる爆音が気になるのかそちらを見る柚紀に、堤は励ましの言葉をかける。不安な心を落ち着かせる為に、ペンダンドを握って軽く深呼吸
『(大丈夫……大丈夫、取り乱さなければさっきみたいな事にはならないって皆さん言っていたから。それに、敵は大きいから細い道には入ってこない。だから大丈夫………って)あれ?』
「ん?どうかしたか鶴ヶ峰、敵に見つかった訳でもないし……何を見ている?」
自分を落ち着かせながら周囲を警戒していた柚紀が、何かを見つけて首を傾げる。そんな様子に気付いた堤も足を止め視線の先を辿る。因みにバックワームは柚紀を匿う為の筈が、熱が籠って柚紀に取って肉体的負担の方が強く出てしまい逆効果になると判断した堤が早い段階から解除していた
『えっと、バムスター…でしたっけ?あれと同じ位の大きさですが何か違いますよね?あの敵』
「ん?……あーバンダーの事だね。バムスターよりスリムで、戦闘力もモールモッドやバムスターより低いからそこまで脅威ではないけど……何か気になるのか?」
『………私達を襲ってきた敵は単独で無秩序と言いますか、各個攻撃って感じでしたが…あれは団体行動するタイプですか?』
「そう言う所に気がつくとは鶴ヶ峰は凄いね。さっき俺はそこまで脅威では無いって言ったけど、あいつの厄介な所は砲撃攻撃だ。あーやって団体で一斉に攻撃されたら流石にキツいから、油断は出来ない相手だね」
こちらに気付いてないバンダーの集団を見つけて気になり訊ねる柚紀、律儀に返答を返しつつ周囲を警戒する堤。"砲撃"の言葉に戦慄が走る柚紀。バンダー達が向いている方角、自分の勘が間違えでなければ…
『(あっちは確か諏訪さん達が戦っている…)や、止めてっ!!そっちに攻撃しないでっ!!?』
「っ!!鶴ヶ峰駄目だ!?そんな大声を出したら…………くっ!?奴等こっちの存在に気付いたか!」
諏訪達が攻撃されると思い、思わず叫んでしまう柚紀。諏訪達よりこちらの方が距離が近い事もあり、その声により存在がバレた事に気付いた堤は、慌てて柚紀を抱えると狭い通路から脱出を計る。砲撃を直撃するのは勿論危険だが、外れたとしても周囲の建物に当たって崩れてきた瓦礫の雨も柚紀にとっては危険でしかない
『…ご、ごめんなさい堤さん。……でも、あのまま…諏訪さん達が攻撃されると……思ったらつい…声がでてしまって』
「…大丈夫、君は悪くない。誰だって目の前で親しい人が攻撃されようとすれば止めたくなる筈さ。だから、自分を責めては駄目だよ?いいね?」
反射的にやってしまった自分の行動に後悔し落ち込む柚紀に堤が走りながら優しく声を掛け平常心を呼び掛ける。…ここで万が一でも柚紀の精神的バランスが崩れ先程の様になってしまうと、流石に堤一人では守りきれないからだ